【他人棒に】結婚二年目 【寝取られ】 オナネタ専用エッチな体験談

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    【他人棒に】結婚二年目 【寝取られ】


    私達は結婚三年目に入ろうとしている夫婦です。二年付き合って結婚、ですから嫁(ミキ)とは四年以上の付き合いになります。
    このミキと私と、私の仕事上の知人であるケンヤの三人の間で繰り広げられた、少なくとも私にとっては修羅場とも言える出来事についてお話ししようと思います。

    私は24歳、ミキは21歳、ケンヤは32歳です。
    お気づきかと思いますが、ミキが高校生、私が大学生の時に付き合いが始まりました。
    私達は学校を卒業後すぐに結婚しました。デキ婚というわけではなく、ミキの両親の病気の事があったからです。
    真面目で明るく、私の親受けも最高に良かったので、両家反対する者など一人もなく、盛大に祝福されての結婚です。

    ミキはほぼフルタイムのパートをしていましたが、嫌な顔ひとつせず私の為に家事を完璧にこなしていました。
    ミキは南沢奈央に似た、所謂美少女ですので、私は彼女と結婚できた事が何よりも嬉しく幸せでした。なのにミキは「私みたいな娘を貰ってくれて有難う」と未だに言い続ける娘、私が言うのもなんですが、本当によくできた嫁です。
    夜の生活は当然ほぼ毎日あります。中学の頃から習っていたヒップホップのおかげで、体の柔らかさ、腰の使い方は最高でしたが、未だにフェラはさせた事がありません。
    奈央は私一人しか経験がなく、私が充分に開発しなかった、という事もあるかもしれません。
    でも、私はそれで満足でした。

    さて、1年くらい前の事。同業他社との情報交流を目的とした四半期に一度の懇親会で、予て交友のあるケンヤと飲んでいた時の話です。

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    このケンヤはなかなかの美男子で、生涯未婚を通すと宣言する程の女たらしでしたが、非常に気さくで、私にとってはライバル社の中でも唯一気を許せる相手でもありました。
    この懇親会の時にケンヤの妙な性癖を聞いてしまったのです。それは、付き合っている、というかセフレのような相手を入れると、常に4〜5人の相手がいるようでしたが、彼女達を他人に抱かせる事でかなり興奮するというのです。
    私はそんな馬鹿な!と思いましたが、リアルに情景を話すケンヤの語りに引き込まれ、ついには私も寝取らせに対して興味が湧いてきてしまったのです。
    勿論、この段階では嫁を寝取らせたい云々は全く思わず、むしろケンヤになったつもりで妄想をしていた程度でした。

    その数ヶ月後、金曜の夜にミキと待ち合わせ、食事に行った時の話です。
    ミキはお互いがスーツ姿で平日に食事するのが大好きでした。なんか独身時代のデートを思い出すらしいのです。
    食事後にショットバーに行った時、偶然ケンヤとその仲間数人に会ってしまいました。
    何気に言葉を交わしながらミキを紹介しましたが、何となくギクシャクする三人…ケンヤも、
    「凄く綺麗な女の子で驚いたよ」と私の耳元で言うだけでそそくさと同僚の輪の中に戻って行きました。見るとミキも顔を真っ赤にして俯いてましたし。
    私は夫々が美男美女を目の前にしてちょっと緊張したのかな?程度の軽い気持ちと、妙な嫉妬心が沸き起こっていました。
    「ケンヤさんって格好良いだろ?ちょっと緊張した?」
    「そうね。でも今夜は私達二人きりのデートなんだからね!」
    なんて会話をしていましたが、その夜のミキはいつも以上に激しく、何度も射精させられたのを覚えています。

    後背位でも積極的にお尻をくねらすミキを上から眺め、
    「ミキが他人に抱かれたなら…」などと知らず知らずの内に考え始めていた頃です。
    二人で恋愛物の洋画を借りて見終わった時の事、ミキがエラく感動して号泣していました。
    切な過ぎて泣いてたと言ってましたが、
    「大人の恋愛って深いよね…」とも呟いてました。
    私は
    「ミキも立派な大人なんだけど(笑)」みたいにちゃかしていましたが、後で考えるとミキは高校生の頃から私と付き合いだし、そのまま結婚しています。一人立ちと同時の嫁入りですから、映画やドラマのような恋愛に憧れがあったのかもしれません。
    憧れがだけで済めばよいのですが、もし私以上の男が現れたなら、私は彼女を繋ぎとめておく事ができるのだろうか?と考えるようになりました。
    男だって私しか知らないはず。彼女の性欲は高校生の頃から一向に萎える気配はありません。
    考えれば考える程、私は不安になっていきました。
    当の本人はあっけラカンとしており、他の男の影など微塵も感じさせないのですが…

    そのような言葉では言い表せない悶々とした日々を送っていた時、ケンヤから飲みの誘いがありました。
    その席上でのやり取りです。
    他愛のないいつもの調子でいい感じで二人とも酔ってきた時の事。
    「タクちゃんさあ、嫁さん俺の事なんか言ってた?」
    「格好いい人だって言ってましたよ。何でですか?」
    「いや、それならいいんだけど…なんかミキちゃん、メチャクチャ綺麗じゃん。俺緊張しちゃって(笑)」
    そして、酔った勢いも手伝ってか、私は自分でも信じられない事を言い始めました。恐らく、潜在意識の中にあったのでしょう。
    「ケンヤさんは、寝取る方はやらないんですか?」
    「しないなぁ。俺、揉め事嫌いだし、あそこも特にデカイわけでもないし(笑)」
    「まじで話しますけど、ミキの事どう思います?」
    「最高に可愛いじゃん。若いし言う事なしだよ」
    「あのですね、…ミキを寝取ってみませんか?」
    「えっ#8264;何言ってんの?大事な奥さんじゃん!」
    ケンヤの驚きようは異常な程で、私の提案を頑なに拒否していました。
    私は、男経験が少ないミキが何かのキッカケで他の男に走ってしまうのでは、という思い、それを未然に防ぐ為に疑似恋愛のような経験を今の内にさせたいと思っている事を訴えました。
    信用できるケンヤに頼みたかったのです。
    ケンヤの拒否反応は凄まじく、絶対に無理の繰り返し。
    「それなら俺の彼女寝取らせている奴紹介するよ!」
    「そんな人、俺は知らないし。ケンヤさんしか頼めない!」
    私は何度も何度も頭を下げ頼みた込みました。途中、頭を下げながら一体俺は何してるんだ…との思いにも苛まれましたが、ここまで来ると引き下がれず、意地でもケンヤを説得せずにはいられませんでした。

    最終的に、以下の条件付きでケンヤは承諾してくれました。
    ・まずは三人で食事でもしてから。この時のミキの反応が悪ければそこでお終い。
    ・あくまで疑似恋愛なので、学生のような可愛い付き合いのみ。それ以上は求めない事。
    ・タク無しで会うのは三回まで。
    そしてもう一つ、あり得ない話だけどとの前置きのうえで、万一おかしな関係になったとしても、絶対に訴訟や慰謝料等の請求はしない事、というのがありました。
    最後の条件を聞いた時、正直なところ、少しの後悔と興奮がありました。
    ケンヤと三人で飲みに行こうと誘いましたが、頑として拒否するミキ。ここで諦めるわけには行きません。気持ちよくミキに参加してもらわないとケンヤはこの話はなかった事にすると言ってますので。
    ミキを説得するのは苦労しました。本当に。
    結局、女運が無いケンヤを元気付ける為、一度だけという約束で了解してもらいました。
    ある意味カケでもありましたが、「元気付ける」という事でミキは明るく振舞ってくれると思ったからです。

    さて、週末の土曜日、少しこ洒落たレストランで三人で食事会を開きました。
    前回とは打って変わってミキは最初から満面の笑顔でケンヤに接してくれました。ケンヤが少し驚くくらいに。
    少しお酒が進んできた頃に、ミキはケンヤに対し、
    「女運が無くてもその内いい事あるよ」みたいな感じの事を話し始めました。
    本当はケンヤ、全く女に困ってないのに。
    ケンヤは、ミキからの思いも寄らない励ましを受けて、私の方を見てクスッと笑いました。まるで
    「ミキをこの場に引っ張り出すためにうまい事芝居を打ったな」と言わんばかりに。
    そして二次会は安い居酒屋に移動、ミキがトイレに行っている間にケンヤからこう聞かれました。
    「タクちゃんさ、うまく嫁さん騙したね〜」
    「だってミキがノリノリじゃないとサドンデスって言ったじゃないですか(笑)」
    「そりゃそうだけど。でもミキちゃんだっけ?絶対断ると思ったんだけどなぁ」
    「ケンヤさん恰好良いからですよ」
    「…なあタクちゃん、もう一度確認するけど、本当にミキちゃん抱かれてもいいの?」
    「勿論…いいですよ…」
    ケンヤの真剣な目を見て思わず声が上ずってしまいました。本当に、これは行くのかもって。後戻り出来なくなる恐怖感みたいなものかと思います。
    「本当に、俺、本気になっちゃうよ?」
    「いいですよ…」
    「……なーんて、心配すんなよ!ミキちゃんにぶっ飛ばされるって、俺なんか!」
    ここでミキが戻ってきました。
    「ん?どしたの?何か話してた?」
    ミキも何となく違和感を感じたようでした。私の表情が酷かったんだと思います。正直、どうにも顔が強張っちゃって笑顔が不自然だったと思います。
    私はミキと入れ替わるようにトイレに行きました。特に用を足したかったわけではなく、逃げ出しただけです。
    トイレの中で自分の顔を見ながら、少しの後悔と興奮…いや、後悔の方が遥かに大きかったかもしれません。目の前の鏡に映る自分が自分でないような、フワフワと現実感のない不思議な感覚に囚われていました。
    踏ん切りが付かず、トイレでウジウジとしている時に会社の同僚から電話がありました。
    一瞬安堵、携帯に出ると知らず知らずのうちに三十分ほど話し込んでしまいました。
    慌てて、しかしゆっくりと席に戻りました。
    「タクちゃん遅かったじゃない!爆弾落とした?(笑)」
    ケンヤの屈託のない声掛けのお陰ですわなりと席に戻る事ができました。
    その後、一時間程してから解散しましたが、特にミキにも変わった様子はありませんでした。
    私はケンヤに今後計画を進める気があるのかどうか、私がトイレにいる間何かあったのかどうか、聞きたくてウズウズしていましたが、隣にベッタリとミキが張り付いている為、連絡を取る事ができません。
    部屋に戻り、一緒にシャワーを浴びて私が先に上がりました。
    すると私の携帯が光っていました。メール着信です。
    私は携帯に飛び付いて中を開くと…やはりケンヤからのメール。
    「ミキちゃんのメアドGET!!」
    その一行だけでした。
    私はその一行を見ただけで足が震え出し、手が汗ばんでくるのが分かりました。
    もう戻れない…とんでもない事をしてしまったのか…興奮ではなく、怖気付くような感覚。男のくせに情けない限りですが、わずか数分間でいろんな事を想像してしまい、ミキがケンヤに完全に取られてしまうのでは…と考える始末。
    風呂から上がってきたバスタオル一枚のミキですが、何故かいつものミキとは少し違うような気がしました。
    一番私に近い存在のはずなのに、遠いところにいるような、そんな感じです。
    私に隠れてメアドをケンヤに渡しているのに、全く変わった様子のないミキ。彼女は今まで私に嘘をついた事はなかったはずなのに、こんなに平然としているミキを見ていると…
    私が鈍感なだけだったのか…
    ほんの少しだけ、ミキの事が信用できなった事に気付いた自分を戒めると同時に、私の知らないミキを知りたくて仕方なくもなりました。
    ムラムラとした感情を必死で抑えていましたが、Tシャツとゆるゆるのホットパンツに着替えたミキが、棚の上の物を取ろうと背伸びした時、お腹が大きく露出しました。
    丸いおへそのと辛うじてホットパンツを引っ掛けている両方の腰骨が見えた瞬間、私の理性は吹っ飛び、ミキの体を強く抱きしめ、押し倒してしまいました。
    一瞬慌てるミキ、でも有無を言わさずに唇を重ねるとすぐに舌を入れてきました。
    無言で舌を絡め、すべすべの体を撫で回し、あそこに触れると既に準備OKの状態。
    二人とも下半身だけ裸になり、亀頭を穴の入り口に当てて、膣の圧力を押し分けるように挿入、本能のまま腰を動かし続けました。
    私はずっと無言、声をかける余裕すらない程にペニスと膣のきつい摩擦間に酔いしれていました。
    ミキが二回目の頂上を迎えるのとほぼ同時にお腹の上に射精しましたが、これだけ深い快感は久しぶりでした。
    顔を大きくのけぞらせたまま、時折体をビクッとさせているミキも、明らかにいつもと違う感じでした。
    ここまで二人とも一切会話なし。二人とも異常なまでに興奮していたと思います。
    私は、ミキが内緒で行動し始めた事に対する嫉妬による興奮でしたが、後で考えると、ミキもケンヤとの秘め事を持った事に対する興奮によるものだったのかもしれません。

    ティッシュを取ってミキの白いお腹の上、おへその中に溜まっている精子を拭き取っていると、なんとミキが私のドロドロのペニスを握ってきました。
    フェラどころかペニスを握る事も殆どした事がないのに、ミキの愛液と私の精子でまみれている勃起したままの私のペニスを握りながらゆっくりと上下に扱き始めたのです。
    驚いてミキの顔を見ると、潤んだ瞳で私を見つめるミキ。
    「もう一回……しよ?…」
    それは初めて見るミキの表情。
    明らかにいつもと違います。こんなにいやらしい顔をしたミキを見た事はありませんでした。
    私は飛びかかるようにしてミキにキスをしました。深く舌を差し入れると音がする程に激しく吸い付いてきました。
    ミキも負けじと舌を伸ばし絡めてきました。まるで蛇のように私の口中でのたうち回る舌に舌を絡めながら…幹の口の端から涎が流れ始めていましたが、一切お構いなしで私達はお互いの頭を強く抱きしめながら十分以上キスをしていました。
    ミキはやっと唇を離すと私の耳元で囁きました。
    「今度は…私にさせて…」
    そう言って耳の中に舌をいれてきました。
    私は促されるまま仰向けになるとすぐにミキは私の腰を跨ぎ、ペニスに手を添えて腰を下ろしました。
    私の胸に両手を置いて眉間にシワを寄せながらゆっくりと腰を動かし始めるミキ。下半身だえ裸で腰を振るミキの姿も卑猥で大好きでしたが、私はミキのシャツを脱がせました。
    形の良いバストが跳ねるように露わになり、私は夢中で下から鷲掴みにしました。
    硬く勃起した乳首を両手の人差し指と親指で強くつねるようにした瞬間、絶叫にも似た喘ぎ声を出してミキは弾かれたように腰のグラインドを加速させました。
    「あっあっあっあっ!…あぁぁぁぁぁ!…イ、イクッ、もう、イクッ、イクイクイクッ…イクッ!」
    あっという間に果て、私の上に覆い被さって荒く息をしていました。
    私は暫くミキの髪を撫でていました。
    こんなにエロいミキを見るのは久しぶりだと思いながら。
    五分程して意識がしっかりしてきたミキは、
    上半身を起こすと再び腰を動かし始めました。
    「先にイっちゃってゴメンね…タクもイかせてあげる…」
    小悪魔のようにそう囁くミキを見て、私は異常な程に興奮してしまいました。こんな事を言うミキは初めてでしたから。
    上下に跳ねる胸、艶かしく波打つ白いお腹を見ている内にすぐに射精感が押し寄せてきました。
    そんな私に気付いたのか、ミキはうっとりとした表情で半開きにした口から軽く舌を出して顔を寄せてきました。
    私はミキの髪をグシャグシャにしながら抱え込んて夢中でミキの舌を吸いました。
    ピッタリと上半身を重ねてクネクネと体全体をグラインドさせながらディープキス…私は気が遠くなる程の快感に身を委ねていました。
    私は我慢の限界が近付くのを感じ、慌てて両手でミキの腰を押さえつようとしました。
    が、そんな私の両手を跳ね飛ばす勢いでミキは腰を更に激しく振り始めました。
    私は我慢を諦め、ミキの体を強く抱き締めて舌を深くミキの口中深く差し入れました。
    ミキも私の頭をきつく抱き締めながら舌を吸い、呻く様な声を出してもの凄い勢いで腰を上下にグラインドさせました。
    そして私は全身をミキの体に委ねながら膣の奥深くに大量に射精しました。
    あやうく意識が飛んでしまいそうな快感のなかで、いつもと明らかに違うミキの事をボンヤリと考えていました。
    この日のミキの乱れっぷりについては、私に内緒でケンヤとアドレス交換した事と当然関係があるはずです。
    不倫にはありがちな背徳感のようなものが興奮を一層掻き立てていたのかもしれません。

    翌日、私はケンヤに連絡しました。
    「よくメアド聞き出せましたね」
    「苦労したよ。いや本当に大変だった。でもさ、女の子ってほら、褒められると弱いから(笑)」
    「ミキはこの事、私には言いませんでしたよ」
    「そりゃそんでしょ。でも、タクちゃんもその方がいいでしょ?萌えるてしょ?」
    「萌えると言うか、確かに興奮はしてしまいました」
    「それだよ!それ!」
    ケンヤは嬉しそうに声を上げました。
    「いいかい、タクちゃん。俺が彼女を寝取らせるのはそこなんだよ。滅茶苦茶興奮するだろ!こんな事、女の口からあれこれ告白されながらやるのって、あんま興奮しないのよ。俺に隠れてあんなにエッチな事しやがって、てのが醍醐味かな〜」
    「…何となく、分かります」
    「そうだろそうだろ!でね、相談なんだけど、今後の事は俺に全部任せてくれる?」
    「えっ!…まぁ、いいですけど、ん…ん」
    「心配すんなって。俺はその道のプロだから。タクちゃんの気持ち充分分かってるからさ」
    確かにケンヤは自分の彼女達を何人も寝取らせて、プレイを楽しんでいますし、それが元で別れたこともないと言っていました。寧ろ関係が深まるくらいだとも。
    ケンヤからの提案を箇条書きにします。
    ・行動を起こす時は必ず私に連絡する。
    ・ミキの嫌がる事はしない。もう会わないと言われたらそこでお終い。
    ・あくまで疑似恋愛。最初にミキにはその事は徹底する。
    ・私(タク)が一番興奮する方法で事の次第を報告する。何度も経験しているので安心して任せて欲しい。
    ・どんな事があっても「私は知らない、無関係」を通して欲しい。絶対にミキに悟られないようにして欲しい。
    そして、最後にこう言いました。
    「絶対に妊娠だけはさせないから心配するな」と。
    正直なところ、この言葉が一番辛かったのですが、同時に一番興奮もしました。
    「妊娠以外なら何でもありという事か…」
    私の寝取られの性癖が、いよいよ開花しようとしていました。

    そんな事があってから間もなくの事、ミキが二週間後のクラス会について私に打診してきました。今までクラス会なんて聞いた事がなかった為少々驚きましたが、よくよく考えてそれは遂にケンヤが動き出したという知らせなのだと気付きました。
    「クラス会と言っても女だけ数人のこじんまりしたもの。遅くなるかもだけど行ってもいい?」
    「本当に女だけなのかぁ〜」
    「男の子は三人くるかな…って嘘嘘!あれ〜ひょっとして心配してくれてんの〜(笑)」
    ミキはふざけながら私の顔を覗き込んできました。
    屈託のない笑顔……嘘をついている様には見えません。これが嘘だとすると…こんな無邪気な顔をして私に嘘をついて男に会いに行くとするならば…まだ決まった訳ではないのに、私はどうしようも無い程の嫉妬と興奮を覚えていました。
    同窓会出席を許可した夜、ケンヤからメールが届きました。
    「タクちゃんありがとさん!もう気付いてたと思うけど、同窓会は俺とだよー」
    「やっぱりですか…ミキはどんか感じでした?」
    「どうって、タクちゃんに悪い悪いって。なだめるの大変だったよ。彼女、タクちゃんに初めて嘘ついたかもって、泣きそうだったよ。ほんと、良い嫁さんだよね」
    私と話している時は明るく楽しそうに振舞っていたはずですが、本当はそんな思いをしていたなんて…
    でもよく考えると、そんな思いをしてまで、ケンヤに会いに行くという心境はどうなんでしょうか?そこまでしてもケンヤに会いたいという事でしょうか…

    さて、それからの話ですが、二週間は非常に長く感じられ、私は仕事が手に付かない程浮ついていました。
    そこで居ても立ってもいられなくなり、僅か三日後の話ですが、三人で飲もうという提案を思いつきました。
    ミキがどんな顔をしてケンヤと話すのか見てみたい…私の率直な願望でした。もう立派な寝取られ男です(笑)
    ケンヤは驚いてましたがミキが良いなら良いとの事。でも、
    「ミキちゃん絶対やだって言うと思うよ」とも言っていました。
    まあ、普通は嫌がるでしょうね…何日か後には旦那に内緒でデートする予定の男と三人で飲みだなんて。
    ですら、私はミキを説得する為の話法を入念に考えました。
    「えっ?…私は遠慮しとくよ。二人で楽しんどいでよ」
    私の誘いに対するミキの第一声です。
    私はめげずに言いました。
    「ケンヤさんがどうしても話したい事があるらしいからさ、頼むよ」
    私の作戦とは、ケンヤのせいにして関心を引く、という恥ずかしい位芸のないものでした。が、ケンヤのネームバリューは予想外に高かった。
    「えっ?本当に?ケンヤさんがそう言ったの?嘘でしょ…」
    そこからはひたすら押しの一手のみ、最後には渋々承諾してくれました。
    そして一週間後、会社帰りの私とケンヤが待つ居酒屋に、十分程遅れてミキが現れました。
    小走りで近づいてくるミキをよく見ると、どうもいつもと違います。
    そう、口紅の色が普段の淡いピンクではなく、ほぼ赤と言って良い位の艶かしいものだったのです。
    しかもケンヤ顔を見るや否や、恥ずかしそうに照れ笑いしてたりして…
    四人掛けの簡単な個室タイプのテーブルで、私の正面にケンヤ、私の隣にミキが座りました。
    会話は弾み、時間はどんどん経過していきます。ミキから二次会はなし、と言われていたので、それならばと私とケンヤは最初からこの居酒屋で終電まで飲み明かそうと約束していました。
    三人ともかなり酔いも回り、良い気分になっていましたが、そんな時でもミキがケンヤと話す時はどこか照れながらでした。
    一週間後にデートする事を思って恥ずかしがっているのか、或いは単純にイケメンを近くで見ているからなのか…
    いずれにしても私の嫉妬心に火がつき始めていました。
    何度目かのトイレに行った時、私は急に具合が悪くなり、戻してしまいました。
    暫くトイレの個室で悶絶した後、スッキリとした気分で個室に戻りましたが、扉の前でふと思い付き、そっと聞き耳を立ててみました。
    三人でいる時は騒がしく楽しく会話していたのに…今は何も聞こえません。いや、正確には周りの騒々しさに二人の会話がかき消されていたのでした。
    微かに聞こえる二人の話し声。
    クスクス笑ながら凄く楽しそうにしてましたが、ミキは声を押し殺すような感じ。私に聞かれまいとの意識からでしょう。
    時々聞こえるミキの
    「やだ〜もぅ〜」と言う甘ったるい声。じゃれあっている様ですが、酔っていたとしても、ちょっとムッとしてしまいました。
    ふと扉の横の方に隙間が空いてるのに気付き、私はそこに耳を差し込む様にして聞き耳を立てました。
    微かな隙間風の音が邪魔をし、二人の会話がいまいち聞き取れません。
    しかし暫く聞いていると、会話の合間が不自然に空く事に気付きました。
    よく耳を澄ますと、チュッというキスのような音。私は耳を疑いましたが、明らかに会話の切れ目で聞こえて来ます。
    「やっぱ柔らかいね」
    「ちょっと恥ずかしいから…タクも戻ってくるし」
    この会話で二人がキスをしている事がはっきりしました。
    私は体が固まり、正に思考停止といった感じ。あまりに不自然だったのでしょう、通りかかった店の女の子に声をかけられ、思わず
    「ひっ!」と声をあげてしまいました。
    我に帰った私は、
    「あぁ、すいません、自分のテーブルがわからなくなっちゃって…」
    その瞬間、中からガタッと言う音が聞こえました。私に気付いたミキが慌てたんでしょう…
    私は平静を装って扉を開けて中に入りました。
    「いや〜部屋間違えちゃたよ」
    その時、ケンヤは比較的落ち着いた様子でしたが、ミキは大きく目を見開いて、明らかに動揺していました。
    「タク、ひょっとして…そこに居たの?」
    「いや、そんな事ないけど、ちょっと探しちゃった」
    ミキは安堵の表情を浮かべていました。すぐ顔に出るミキ。とても嘘を付ける女の子ではないはず、少なくとも今までは。
    ケンヤの盛り上げもあり、その後は和気あいあいと過ごし、お開きとなりました。
    一度戻している私は酔も程々でしたが、ミキは少し足元がフラつく程度まで酔っていました。
    ミキの肩を支える様に抱きながら部屋まで歩きました。
    「なぁ、今日は楽しかった?」
    「楽しかった〜」
    頬を赤く染めながら微笑むミキ。
    「また三人で飲もうよ」
    少し間が空いてからミキは応えました。
    「う〜ん…もうケンヤさんはいいかな…」
    「えっ?何で?ケンヤさん嫌い?」
    「そんな事ないんだけど、ん〜、やっぱ二人がいい」
    最初はちょっと意外でしたが、よくよく考えると三人が揃う事自体ミキにとっては本来耐えられない事なのかもしれません。
    私は無性に興奮し、家に戻りシャワーを浴びた後ベッドに先に横たわっていたミキに襲いかかりましたが、既に爆睡…

    そして一週間後、ミキは「クラス会」に出かけていきました。それまでの間、ケンヤから一切連絡がなかったのが怪しくもあり、想像力を掻き立てられました。これも寝取られ「プロ」の演出なのか、と考えたりもしました。
    ミキが出掛けてから1時間程経った時、ケンヤから一週間ぶりにメールが入りました。
    「今から二人で食事に行く途中。ニュー○ータニだよ。大奮発!」
    いよいよケンヤの計画が始まりました。これから一体どうなるのか…既にキスまでしている二人、十中八九寝取られるはず。
    今まで味わった事のない憔悴感に襲われ、それからの一分一秒が無限なように感じられました。
    そして更に1時間後、ケンヤからメールではなく、電話が入りました。
    「今ミキちゃんトイレ。いや〜マジで可愛いよ、いや本当に」
    「ケンヤさんあれから全然連絡くれないから悶々としてましたよ。こないだの件で聞きたい事あるんですけど」
    「なに?手短にね」
    「俺のいない隙にミキとキスしてませんでした?」
    「するどいね。頂いちゃったよ!ミキちゃんが言ったの?」
    「いや、それはないんですけど、何となくそんな予感がしたんで…」
    「しない方が良かった?」
    「いや、別に…」
    「タクちゃんが嫌ならもう帰るよ。どうする?」
    「いえ、大丈夫です。このままお願いします…」
    「本当かい?この後誘っちゃうよ?」
    「いいですよって!」
    私は少々イラつきながらケンヤに言いました。心の何処かでミキは身体まで許すはずがないと思っていました。なにか対抗心みたいなもので熱くなっていたのかもしれません。
    「ごめんごめん、そうムキになんないでよ、分かったよ、タクちゃんの気持ち。覚悟を決めてるんだもんね」
    「………」
    「俺、全力で落とすよ。もう戻って来そうだから切るけど、また連絡するよ」
    全力で落とす……この言葉が耳から離れませんでした。
    既に九時を過ぎていました。これからお酒を飲みに行き、そこでミキを口説くはず…そして万が一ホテルにでも行く事になるのなら、恐らく12時頃になるのでは…
    そこからの時間の経過はそれまでにも増して本当に長く感じられました。テレビを見ようが何をしようが全く上の空。
    夢遊病者のようにテーブルの周りをグルグル回っている時、ケンヤからメールが入りました。先程の電話から一時間も経っていなかったので、不意打ちと言うか、やや拍子抜けしてしまったのを覚えています。
    しかし、その中身は非常に意味深で重いものでした。
    「少しの間だけ電源切ります。必ずこちらから連絡するので」
    電源を切る……
    私との連絡を途絶えさせるため、そして確実にその間は、二人きりで世の中から隔離された世界にいるのです。
    落ちたのか?ミキ…嘘だろ……
    急激な脱力感に襲われ、私は立っている事が出来ずに座り込んでしまいました。恥ずかしながら「腰が抜けた」という事でしょう。
    頭の中は混乱していました。
    これから抱かれるのか?いや、まだ落ちたと決まった訳じゃないか…
    冷静さを取り戻す為に、仕事の事を考えたり、実家の親の事を考えたりしましたが、一向に動悸が収まりません。
    その内私の思考はケンヤに向かい始め、ケンヤより自分が勝っている点を思い付いては優越感に浸ることで次第に落ち着きを取り戻していきました。
    その間、同僚からの他愛のないメールがあったのも良かったのかもしれません。
    やっと立ち上がる事が出来、ソファーに身を沈めた時にメールが届きました。ケンヤからです。あれから大体45分程経っています。
    「タクちゃん、俺、全力出してもいいんでしょ?ミキちゃんは何があってもタクちゃんのものだけど」
    今ひとつ意味が理解出来ませんでしたが、脳内ではケンヤに勝ち誇っていた、所謂ラリっていた私はリメールしました。
    「全力でどうぞ!」
    すぐにケンヤからリメールが来ました。
    「それ聞いて安心した。しつこくてゴメンな。正直に報告します。今一回戦終わったところ」
    私は目を疑いました。
    ミキに限ってそんな事が…
    考えてみてください。
    付き合っている彼女の話ではないのです。
    嫁なんです。全面的に信頼関係にある身内なんです。
    よく考えると、裏切ったのは寝取らせを画策した私の方なのですが、この時はミキに対する「なぜ?」「どうして?」を心の中で叫んでいました。
    私は何度も何度も確かめるようにケンヤからのメールを読み直しました。
    そして、ついには私のペニスが勃起し始めたのです…
    踏み入れてはいけない世界だと感じましたが、どうしようも無いくらいに興奮していました。
    私のベニスはこれまでにない程、硬く大きくなっていました。
    私はケンヤにリメールする勇気もなく、ただ呆然と股間を硬くしたままソファーに座っていた時です。恐らく30分程経過していたと思いますが、私の携帯が鳴りました。ケンヤからです。
    一気に高まる緊張感。恐る恐る携帯を耳に当てました。
    聞こえて来たのは、いきなり切羽詰まるようなミキの喘ぎ声。
    「あっ!あっ!あぁぁぁっ!…」
    ベッドが軋む音もはっきり聞こえました。
    「あっ!…スゴい!…ダメっ…い、イクッ!またイっちゃうぅぅっ!イクッ!イクッ!イクゥゥゥ#8252;」
    激しく肉のぶつかり合う音がした後、静まり返り携帯が切れました。
    あんないやらしいミキの声は聞いた事がありません。私はこの時、初めて触れる事なく射精してしまいました…
    射精後の虚脱感は半端ではなく、大袈裟でなく、この世の全てが嫌になるほどでした。
    私はパンツがベトベトのまま、ただ呆然と宙を見つめていました。
    棚の上に置いてあるツーショットの写真が目に入りました。新婚旅行の時にカンクーンで撮ったその写真では、ミキが満面の笑顔で私の腕を掴んでいます。
    ミキは水着姿でしたが、横が紐上で上も大きな膨らみを隠すだけのやや面積の小さなもの、この旅行の時だけしか着てくれない程大胆なものでした。
    ミキはこの写真を飾るのを頑なに拒んだのですが、私が強引にそこに置いたものです。ただ自宅に来た人達にミキの体を自慢したかったから…
    私はマジマジと写真を見ました。この身体が私以外の男に晒され、男の好きにされていると思うと凄まじいまでの嫉妬心が渦巻き始めました。私は涙を流しながら、しかしあそこを再び硬くし始めていました。

    間もなくケンヤからメールが届きました。
    「タクちゃん、ショックだったろ?自分の大事な女を他人に預けるという事はこういう事なんだよ。だからこそメチャクチャ興奮するんだよ」
    「もう走り出したんだから、止められないよ。でもね、約束通りミキちゃんの心まで奪うつもりは毛頭無いし、ミキちゃんやタクちゃんが辞めて欲しいと言うならスッパリ辞める」
    「とにかく、今夜はこの後もミキちゃんを抱くつもりだよ。また連絡する」
    そして一枚の写メが添付されていました。それは几帳面なミキらしからぬ、床に無造作に脱ぎ捨てられた黒のTバックの下着の写真…
    この写真を見て、私はケンヤが本当に「寝取られ」のプロだと思いました。
    それから間もなく、今度はミキからメールが届きました。
    「ゴメンね、もう少し遅くなるかも。地下のお店にいるから携帯繋がらなくなります。先に寝てて(^_^;)」
    ミキはまた私に嘘をつきました。
    文章からは悲壮感や悪びれた様子は微塵も感じられませんが、ミキは一体どんな気持ちで書いていたのでしょうか…
    ひょっとすると正にその「最中」にメールしてきたのでしょうか?
    やり切れない思いとは裏腹に、再び硬くなり始めていました。
    数分後、ケンヤからもメールが届きました。
    「ミキちゃんホテルに入る前からずっとタクちゃんの事気にしててさ、一回戦終わったら泣き出しちゃって。なだめるの大変だったよ。さっきのミキちゃんからのメールは俺がやらせました。で、タクちゃんからすぐ戻って来いだのリアクションがあったら帰ろうって言ったんだよ。後はタクちゃんに任せるよ」
    私はミキにすぐに戻って来いと伝えようとメールを打ち始めました。その時です、再度ケンヤからメールが来ました。
    「追伸やってる最中だけはミキちゃん、自分で腰振って悦んでたよ!…興奮するだろ!」
    私はメールを打つのをやめました。
    ミキに対する偶像だったのだろうか…私は何年も付き合って全てを知っている「つもり」だったのかも知れません。
    ケンヤのこのメールは、私の心をズタズタに引き裂こうとしていました。
    こんなに辛く、絶望を感じた事はないのに…私のペニスは完全に勃起していました。
    私は全てを諦め、黒い欲望のままこの流れに身を任せる事にしました。この時点でミキとの離婚も覚悟しました。もう信用する事は出来なくなるんだろうと思ったから…
    開き直るとほんの少しだけ気が楽になりました。心のどこかで、もう一度ミキの喘いでいる声を聞いてみたい、と思い始めていたと
    思います。
    そして、その思いはすぐに叶えられました。
    それから僅か30分後、ケンヤから音声着信がありました。
    ドキドキしながら携帯を耳に押し当てます。
    「チュ…んむ…チュパッ……チュゥゥ…」
    「あふっ…あ、ん…むチュ…」
    微かに聞こえる、これはキスをしている音でした。
    たまにミキが喘ぐようなくぐもった声を出しますが、二人は殆ど無言のままキスをしているようです。舌を絡めるような湿った音が聞こえました。
    それは長く、長く、私には永遠にも感じました。
    二人が裸で抱き合いながらただひたすら唇を貪る姿を想像し、頭がおかしくなりそうでした。開き直り、やっと寝取られの興奮を自分なりに楽しめるのかと思っていましたが、現実はやはり甘いものではありません。
    10分も20分も愛するミキがキスをし続けている…ある意味セックスよりもショックだったかもしれません。
    「…そろそろ…入れるよ…」
    「だめ…お願い、ダメよ…ね?…お願いだから…」
    ここで電話は切れました。
    延々とキスの音を伝えたケンヤ。その術中にハマった私は、嫉妬と興奮で死にたい程でした。
    ケンヤは、ミキは私の事を思い涙を流していたと言いますが、本当なのでしょうか…
    そして再び携帯が鳴りました。
    私は二人のやり取りを余す所なく聞きたかったので、イヤホンを付けて聞きました。
    微かに聞こえるリズミカルな軋み音。ミキの必死に押し殺そうとする声も聞こえます。
    「ミキちゃん、気持ちいいでしょ?」
    「………」
    「我慢しなくてもいいんだよ?」
    「気持ち、よく……ないし……」
    「強がっちゃって可愛いよね。でもミキちゃんの弱いところ、俺知ってるよ。ここでしょ?この奥でしょ?」
    「……んっ!…っ!……」
    ベッドの音が激しくなるにつれ、ミキも我慢の限界が来たようです。少しづつ喘ぎ始めました。
    必死に我慢しているのに快感に負けて漏れるミキの声をイヤホンで聞くと、息遣いや唾を飲む音までリアルに聞こえて来ました。恐らく、すぐそばに携帯を置いているのでしょう。
    「ここだろ?ここがいいんだろ?」
    「はぁっ!…ん、ぅん…うん…」
    「はっきり言わないとやめちゃうよ?」
    「…あっ……いいもん…別に…」
    「じゃ、やめた」
    「………」
    軋み音が止み、二人の会話も無くなりました。
    「今更素直じゃないなぁ」そう言いながら、少しづつピストン運動を再開するケンヤ。
    必死に声を押し殺しながら耐えるミキ。
    しかし、やがて本格的なピストン運動に入ると、ミキは大きく喘ぎ始めてしまいました。
    「あっ、あっ!ダメっ!あぁぁぁぁ…いい…」
    「そうだよ、さっきみたいに素直になりなよ。思いっきり声だしていいんだよ」
    「あ、そこ、そ、そこ…イキそう!またイキそうぉぉぉ!」
    その途端、動きを止めるケンヤ。
    「え?なんで…ねぇ…」
    「じゃあさ、約束してよ。素直になるって」
    「……な…る…」
    「ここだろ?気持ちいいの」
    「あっ!、…そ………」
    「もっと動いて欲しい?」
    「う…ん…あっ!んぁぁぁん…」
    「うんじゃなくて、違うでしょ?」
    「…動い…て…もっと、動いて…」
    「聞こえないよ」
    「いや…動いて…あっ…そこいい…そこ…ダメっ…あっ!」
    「全然聞こえないし、嫌なのかい?ならやめるけど」
    「いやぁぁ!もっと!もっと!動いてぇぇ!お願い!」
    そこから一気にラストスパートに入る二人。
    「あっ!あぁぁぁっ!すごっ…ひっ…」
    「………」
    「あっあっあっあっあっ!…イクッ!…イクゥゥッ!」
    耳元でミキの粗い息使いだけが響いてました。
    客観的に聞いているからなのか、今までこんなに激しいミキの声を聞いた事がないような気がしました。
    「ミキちゃん、俺まだイってないからね。上に乗ってよ」
    「ハァハァハァ、む、無理、休ませて…」
    「ダ〜メ。ほら、よっこいしょっと!」
    ベッドが大きくバウンドするような音が聞こえました。
    「だめ…ほんと、ねぇ、お願いだから…」
    「だめ。ほら、ここ、いいんだろ?」
    「あっ!ダメっ…ダメっダメっダメっ…あっ!」
    「おぉ、そうそう、いいよ。その調子」
    「おかしくなる…ダメ…」
    「あぁ、凄いよ。気持ち良いよ…ほら、勝手に腰動いてるじゃん。エロ過ぎだって…あぁぁ気持ちいい〜」
    そこからは半分おかしくなった感じでミキが喘いでいました。またその時のベッドの軋み音も凄まじく、壊れそうな程悲鳴を上げてました。
    「ミキちゃん、激し過ぎ!俺もう出そう!まじヤバイって!」
    「また!イクッ!…イクッ!イクイクイクッゥ!」
    獣のようなケンヤの声の後、一気に静まり返り携帯は切れました。
    そして私も二度目の射精をしていました。
    暫くしてからケンヤからメールが届きました。
    そこには背面気上位で腰を振るミキの姿が映し出されていました。動きの為か、かなりぶれています。
    「結局四回もしちゃいました。ミキちゃんの腰振り病みつきになりそう!これからタクシーで返すのでタクちゃんは寝たふりしてね。それではまた後日…」

    ミキが帰って来たのは夜中の3時過ぎだったと思います。ベッドの中で玄関のドアが開く音を聞いていました。そのままシャワー室に入る音もしました。ケンヤとのセックスの影を洗い流す為でしょう…
    30分程してからミキがそっとベッドに入ってきましたが、入るや否や向うを向いて寝たふりをする私に抱きつくようにピッタリと身体を密着させてきました。
    そしてすぐにミキの寝息がしました。余程疲れていたんでしょうね…
    私はその寝息を聞いている内に、何故か涙が溢れてたのを覚えています。
    知らぬ内に私も眠っていましたが、やはり眠りが浅くすぐに目を覚ましてしまいました。まだかなり朝早かったと思います。
    隣を見ると、Tシャツがずり上がってクビれた腰を露わにして向うを向いて寝ているミキがいました。
    そこにミキがいる…普段なら当たり前の光景が、この時は無性に嬉しく思えました。どこか遠いところにミキが行ってしまう、そんな光景を潜在的に意識していたのかもしれません。
    安堵すると、今度は真っ白なミキの腰が気になり始めました。
    これも普段なら風邪をひかないようにとシャツで隠してあげるのですが、この時は逆に更にたくし上げていきました。
    ダンスで鍛えた若い身体は美しく、卑猥でもありました。
    今度は下に履いているホットパンツに手をかけてゆっくりと引き下ろし、ほぼお尻が全て見えるところまで下げた時、ミキがこちらに寝返りを打ちました。
    ミキのお腹が大きく露出、乳首が見えるか見えないかまでシャツがずり上がり、下着のパンツまで全て丸見えです。
    思わず手を伸ばしてお臍に指を入れると、むずがるようにうつ伏せになってしまいました。
    尻フェチの私はパンツに指をかけ、ゆっくりと引き下ろしました。大きく盛り上がる山を越えようとした時、私の心臓が止まりそうになりました。
    お尻には明らかにキスマーク…しかも両方に一つづつ、綺麗に揃っていました。
    当たり前の事ですが、昨夜の出来事は夢ではない、紛れもない事実である事を強制的にケンヤに思い知らされたような…
    情けないですが、男として「負け」たような気がしました。
    しかしその後、追い討ちをかけるような出来事がありました。
    パンツに手をかけたまま私が動けずにいると、気付いたミキが目を覚まし、足元に乗っかっていた私を振り解く様にして飛び起きて、小さく
    「あっ…ごめんなさい…ちょっとビックリしちゃって…」と言って部屋から出て行ったのです。
    今までセックスを拒まれた事は一度も無かったのに…
    「ビックリした」とミキは言いましたが、寝起きを襲う事など日常茶飯事で、休日の朝はほぼ恒例行事でした。当然、ミキは喜んで受け入れてくれ、そのまま昼近くまでする事もあったのに…
    どのような心境の変化なのだろう…暫く某然として動けませんでした。
    暫くしてからリビングに行くと既に朝食が用意してありました。
    「あっ、おはよう。昨日はゴメンね、結構遅くまで飲んじゃった!」
    「お、はよう…」
    いつも通りのミキでした。先ほどの事、昨夜の事など何も無かったかのように。
    あまりにも普段通りなので、一瞬本当に夢を見ているのではないかと思う程でした。
    他愛ない話をしながら食事を終え、食器を片付けるミキに背後から近づいていきました。
    躊躇しましたが、夫としても聞かずにはいられません。
    勇気を出して聞きました。心臓がドキドキしていました…
    「昨日…楽しかった?」
    「えっ?うん!…本当に遅くまでゴメンね〜」
    「いや、いいんだ…何人位で飲んでたの?」
    「えっとね〜、最後までいたのは三人」
    明るく、屈託の無いミキ。本当に昨夜の事は幻だったのでは?と思える位に。私は混乱しそうなのを堪えながら冷静さを何とか保っていました。
    「そんなに楽しかったんならまたクラス会あるといいね」
    「ん〜ないでしょ。クラス会なんてそう頻繁にあるもんじゃないよ」
    「そうか…でもメアドとか交換したんでしょ?」
    「…ん、したけど」
    「せっかく昔の友達と繋がったんだから、大切にしなきゃ。事前に行ってくれれば遅くなったっていいんだから」
    「うん…分かったよ…って言うか、心配じゃないの〜?(笑)」
    そんなやり取りをしながら、ミキに気兼ねなく出かけられるような段取りを取ってあげました。
    本当はどこにも出かけさせたくない、ずっと私の掌の上に置いておきたいはずなのに……心と裏腹な行動を取っていました。
    自分の欲求を抑え込む理性を持ち合わせていなかったのです。
    下世話な言い方ですが、手を使わないで射精してしまう程の興奮と快感が忘れられなかったのだと思います。

    その日の夜、思いがけずケンヤからメールが来ました。
    「昨晩の報告も出来てないのに言いづらいんだけどさ、ミキちゃんから誘われちゃったよ。来週また会おうって。なんかあった?」
    私は愕然としました。今朝言ったばかりなのにもうミキはアクションを起こしているとは…
    私は任せますとだけリメールしました。すぐにケンヤからメールが。
    「じゃあ会っちゃうよ?それと昨夜の報告はどうする?聞きたい事ある?」
    携帯からの連絡で充分でしたので、特に聞きたい事はありませんでしたし、聞く気力もありませんでした。
    「別にないですよ。ケンヤさんはどうでした?」
    「どうって、そりゃ最高の夜でしたよ!本当羨ましい!本気で奪いたくなるよ!盗っちゃって、いい?…って冗談だけど。それくらい良かったなぁ」
    ミキをひたすら褒めまくるケンヤのメールを見て改めて自分の嫁が最高の女である事を再認識し、少しだけ鼻が高い気がしました。嫁の浮気相手の褒め言葉にいい気になる自分は馬鹿な男でした…
    ケンヤは少々調子に乗ってあれこれとメールしてきました。
    「感じやすいコだし、あの腰使いは反則だよ。タクちゃん、よく仕込んだもんだ!可愛い口で一生懸命頑張ってくれる表情も最高だった!早く来週にならないかな〜」
    私は目を疑いました。口で頑張るって…まさかフェラの事を言っているのか?…まさか…まさか…
    今まで一度もさせた事のないフェラをケンヤにはしてあげたのだろうか……
    頭が混乱しそうでしたが、聞かずにはいられませんでした。私はカマをかけるようにして聞きました。
    「ミキのフェラはどうでした?ケンヤさんの彼女達と比べたらまだまだかもしれませんけど」
    「いやいや、そんな事ないよ。最初ちょっとぎこちなかったけど、あーしてこーして言ったらめちゃ上手くなったよ!タクちゃんはあまりフェラはさせてないのかな?」
    「ええ、まぁ、それ程好きじゃないんで」
    そうリメールするのが精一杯でした。でも、ケンヤからの次のメールは衝撃的でした。
    「そうなんだ。今度お願いしてみなよ。タクちゃんに悪いと思いつつもちょっとだけ教えたらもう凄いのなんのって!四回中一回は我慢出来ずに口内でした…ごめんね!」
    この男の明るさは天然なのでしょうか…私は返す事もできず、ただ呆然とするだけでした。

    ケンヤからの連絡で、ミキがケンヤにフェラした事が確実になりました。
    私はあの日の後、ミキと何度かキスしています。あんなに柔らかくて小さな唇、激しく吸うと壊れそうな華奢な唇だと思っていたのに…男の醜く勃起したペニスを咥えて射精させるまでスライドさせて、しかも口の中で受けるなんて…信じたくありませんでした。ケンヤ曰く、
    「全部飲んでくれた」……
    その日の夜、私はミキを抱いていました。一度射精し、マッタリとしていた時です。
    ケンヤのフェラの話は、一時も頭から離れる事はありませんでした。思えば思う程に、私のあそこは硬度を増していきます。
    私は再び愛撫を開始し、指で再度ミキをイかせた後、思い切って行動に移しました。
    少しづつ、私の股間をミキの顔に近づけていったのです。目を閉じてウットリしていたミキがゆっくり目を開けた時、私の勃起し切ったペニスが目の前にあったのです。
    ギョッとした表情を浮かべるミキ。一瞬眉間に皺を寄せる様にしていたのをハッキリと見ました。
    「びっくりした…どしたの?」
    すぐに笑顔になりましたが、明らかに固い表情のミキを見て、私は腰を引きました。
    本当にショックでした。
    あのミキの表情…ケンヤには口内射精させる程のフェラチオをしてあげるのに、私のベニスはまるで汚いものでも見るような目を一瞬でもしていたわけですから…
    私のペニスは一気に硬度を失いました。
    「今日はもう寝るか…」
    「…分かった…」
    「………」
    ほんの少しの沈黙の後、ミキが気まずそうに口を開きました。
    「あの…ゴメンね…あんなに近くで見たことなかったから…私も練習しなきゃだね…」
    「…いいよ、無理しなくて」
    そう答えるのが精一杯でした。
    ミキは心をケンヤに奪われてしまったのかもしれない…たった一度しか抱かれていないのに。ケンヤ本人は認識していなくとも、イケメンはそれだけで罪だと思いました、この時は。顔が良ければそれだけで女はなびいてしまう、と本気で思っていました。今思うとこの浅はかさが修羅場を招く原因の一つにもなったと思います。この時点で気づいていれば後戻りは出来たかもしれません。

    そして週末、ミキはケンヤに抱かれました。二度目です。クラス会の時の友人に会いに行く、と言って。
    勿論前回同様ケンヤからは随時携帯に連絡が入りました。
    内容についても同様に、最初は多少嫌がるミキも、感じ始めると積極的に声を出す、という展開でした。今回は写メはありませんでしたが、私自身触れずに射精するには十分な程の興奮をもたらす内容でした。
    例の件があったせいか、やたらとフェラの音が気になってしまいました。なぜここまで献身的にするんだと思うくらい。
    お互いの性器を舐め合うなんて事、私がした事もない事をミキは進んでしていたと思います。
    全てが終わった後にケンヤから連絡はなかったので、回数だとか他の情報は一切ありませんでした。ただ、少なくとも携帯の向こう側でミキは二度はイッていたと思います。

    その後一週間程何もなく、ケンヤからの連絡もありませんでした。
    私の方はというと、あの事件からミキとはセックスしていませんでした。ケンヤとしている最中は異常な程興奮するのですが、私も少し意固地になっているところがあり、ミキが自分から誘ってくるまでは絶対にこちらから誘わないと決心していたからです。
    しかしレスのまま一ヶ月が過ぎようとしていても一向にミキから誘ってくる気配はありませんでした。こんなに間が空くのも始めての事でした。
    ケンヤとのセックスで充分満足できたから私のペニスは必要ないのか、と嫉妬で狂いそうになりながら考えていました。
    いい加減、私の欲求不満も爆発しそうになり、勇気を出してミキに単刀直入に聞いてみました。
    「俺たち、最近ずっとしてないよね…?」
    「ん…そうね…でもタクも疲れてんでしょ?」
    全くいつも通りの表情で答えた内容がこれです…
    私は居てもたってもいられず、翌日仕事中にケンヤに電話しました。
    「ケンヤさん、最近連絡ないですね?どうかしたんですか?」
    「えっ?別に何もないよ。どしたの?」
    「いや、実は最近ずっとレスなんですよ…もう溜まっちゃって…」
    「え?そうなの?なんで?」
    私はフェラの件を言いそうになりましたが、グッと堪えました。
    「なかなかお互い忙しくて(笑)また激しく興奮したいなぁ」
    「…それって、また抱けって事かい?」
    「ん…ケンヤさんが良ければ」
    また心とは裏腹の事を言ってしまいました。本当はもうミキと縁を切って欲しいくらいの心境だったのですが、目先の欲望を優先させたのです。
    「分かった…」
    その一言だけで電話が切れ、数分後に電話が来ました。
    「ミキちゃんと連絡とれたらメールするよ。でもタクちゃん、大丈夫?」
    「何がですか?」
    「いや、なんかさ、余りに普通にそんな事言うもんだからさ。ちょっと麻痺しちゃってないかなって、ね」
    私は助け舟をケンヤに出されたような気がしました。正直なところ、少しホッとしました…
    「麻痺ですか…そろそろ潮時ですかね…」
    「そうかもよ。ミキちゃんだって意思のある人間なんだから。俺が言うのもおかしいけどね」
    「じゃあ、今回で最後にしますか?…」
    「そうだね…正直俺も半分麻痺しそうだったからね…」
    「じゃあ最後、キッチリミキを抱いてあげて下さい」
    「分かったよ…ちゃんとミキちゃんリセットして返すからね」
    リセット…と言う言葉の意味が分かりませんでした。既に起こってしまった事実は消えるはずもないのに…まさかミキを記憶喪失させる?なんて考えたりしていました。今思うと本当に馬鹿な私です。
    そして最後の寝取られとなりましたが、ここから大きく三人の運命が動き出します。

    週末の午後からミキは出かけていきました。
    私は気持ちよく送り出す気分になれずにいましたが、そんな気持ちは顔に現れていたのでしょう。ミキは不安げに私の顔を覗き込む様にきました。
    「タク、どしたの?具合悪い?」
    「…いや、別に…」
    「何か、元気ないよ…」
    「………」
    下から覗き込む様にしていたミキはスッと背筋を伸ばし、やや伏せ目がちにしながらいいました。
    「私…行かない方がいい?」
    「え?」
    「だってそんな寂しそうな顔するんだもん…」
    私はミキにまで助け舟を出された様な気がしました。
    ケンヤには今回が最後と言いましたが、何故かミキを見ているとこのまま出ていったら戻ってこないかも…そんな女々しい気分になりました。
    「うん…行かないで欲しい…」
    「………」
    少しの沈黙が苦しくて、私は無理に明るくしながら続けました。
    「やっぱ、休日にミキがいないと俺寂しいな(笑)」
    「………」
    「なぁ、また今度にできない?今日は俺とデートしようよ。ほら、映画最近見にいってないしさ」
    「………」
    私の空元気な声だけが虚しく部屋に響いてました。ミキは思いつめるようにやや下方の一点を見つめたまま黙っています。
    私は「行くのやめる。一日タクと一緒にいる」という言葉を期待していました。
    しかし沈黙の後、ミキが言った言葉は違いました。
    「ゴメンね…」
    期待しながらも半分諦めていた私ですが、私の目を真っ直ぐに見つめながら言うミキを見て、並々ならぬ決意みたいなものを感じました。
    思えばここ一ヶ月、ミキの方からこれだけ目を合わせられた事は無かったかもしれません。ミキは恐らく私に対しての罪悪感からいつも視線を微妙に逸らしていましたから。
    やっぱりか…そう思いながらミキの瞳をただ見つめる事しかできません。金縛りにあったように体はおろか、言葉すら出なくなっていました。
    じっと私を見つめるミキの大きな瞳にうっすらと涙が浮かんできた時です。
    「あははは、タク無理言わないでよ!もう約束しちゃった事だし!皆楽しみにしてるしさ!」
    無理矢理笑顔を作ってミキは出ていきました。
    私はドアをただ見つめていました。ミキは行ってしまった…ケンヤに抱かれる為に私に嘘をついて。私の願いを振り切って…
    私よりケンヤを取ったのです。

    我に帰った私は、次第に言いようのない恐怖感に支配されていきました。もう二度とミキは帰ってこないのかも知れない、そう感じ、気付いたらケンヤに電話していました。
    私は半分パニックになりながらも、必至だったと思います。
    「ケンヤさん?今ミキが出て行っちゃいました!」
    「あれタクちゃん?どうしたの慌てて?」
    「ミキが出て行ったんですって!」
    「出て行ったって…だって今日これからでしょ?」
    「…だけど…知ってますよ、そんな事…」
    「タクちゃん、何かあった?変だよ?何パニクってんの?」
    「ミキと会ったらすぐ帰してください」
    「えっ?なに急に?」
    「だから!すぐミキを帰せって!」
    「………」
    一呼吸置いてケンヤは穏やかに言いました。
    「タクちゃん、それはダメだよ。今日は帰さないよ」
    「どうしてですか#8264;」
    「何があったか知らないけど、約束しただろ?俺は何度も確認したはずだよ?それでも良いって言ったのはタクちゃんだよ?」
    「気が変わったんです!」
    「…タクちゃん…勝手すぎるよ。俺だって色々忙しい中で今日のスケジュール開けたんだから。俺だっていろんな事情がある中で、今まで君の性欲を満たす為に、それ中心の毎日を過ごしてきたんだよ?」
    「…でも、ミキはケンヤさんを好きになり始めています。俺よりもケンヤさんを選んだんです」
    「タクちゃん、俺達大人だよな?今更やめてくれよ。そんな危険性がある事はちょっと冷静に考えればあり得る事だろ?まさかそんな事も考えずに今までミキちゃんにあんな事させてたのかい?大体、タクちゃんはミキちゃんをつなぎ止めようと努力したのかい?ただ寝取られに興奮して自分自身の性欲だけを満足させてただけだろ?」
    私は言い返す事が出来ませんでした。ケンヤの言う通りです。
    「もしもだよ?もし今までの事をミキちゃんが知ったらどう思う?これまでの行動に妻に対する愛情は微塵も感じられないよ?」
    「…まさか、ミキに言うつもりですか?」
    私は心臓が凍りつきそうでした。そして、始めて後悔しました。これまでの行為がどれ程危険な事なのかをやっと認識したのです。
    「そんな事はしないよ。でもね、タクちゃんが仕掛けたこの事で、俺自身も予想できなかったくらいにミキちゃんは変わったと思う。それは俺も感じていたよ」
    「…ミキが…変わった…」
    「とにかく、今日はミキちゃんを返す事はできない。それだけだ」
    そう言って一方的に電話が切れました。
    薄暗い部屋の中で、私は情けない事に涙を流していました。何よりも大切な人を失うかもしれない、後悔してもし切れない思いで、鬱な気分に押し潰されそうになっていました。
    私はケンヤとミキに何度も電話しましたが、電源を切られていました。八方塞がりの状態、私はただケンヤからのいつもの連絡を待つしかありませんでした。
    そして約一時間後、ケンヤからの電話が入りました。

    ミキが出かけて僅か一時間後です、ケンヤからの電話は。
    いくら何でも早過ぎる、と思いつつ、恐る恐る電話を取りました。
    携帯を耳に押し付けました。
    「タクちゃん…俺だけど」
    「………」
    「約束は約束だから、随時携帯で報告するよ…」
    「……ミキは?…」
    「今シャワー」
    ミキがケンヤに抱かれる為にシャワーを浴びている…生々しい情景が目に浮かび、私は心が張り裂けそうでした。
    「もう出てきそうだから切るよ」
    一方的に電話が切れた後、写メが届きました。
    ベッドの下にミキの服が無造作に脱ぎ捨てられている現場の写メでした。さっきまで身に付けていた黒のミニスカートもはっきり確認出来ました…
    几帳面なミキは普段から服を脱ぎ散らかすような事は絶対にしないのに…
    しかも今回の写メには、自身の存在を誇示するかのように、ケンヤのペニスが一部写っていました。
    ケンヤのそれは、脱ぎ散らかされたミキの服に向けて恐ろしいまでにそそり立っていました。
    大きさはそれ程でもないように見えましたが、ほぼ真上を向いており、グロテスクに赤黒く光っているようにも見えました。
    これをミキは口に含んでいくのか…これがミキのあそこに挿入されるのか…そう考えるだけで意識を失いそうになるくらい、正直なところ…興奮してしまいました。

    それから数十分後、再び電話が鳴った。受話器の向こうから聞こえてくるのは、シーツの擦れる様な音。二人の声は何も聞こえない。
    暫くモゾモゾするような音が続いていたが、いきなりミキの声が聞こえた。
    「あっ…そこ、ダメだって…もう…ダメ…いや…」
    「………」
    「ダメダメダメっ!…ああああっ…ちょっと…あん…やだ…」
    「…はは、可愛いよ…」
    そして、抑えていた声を一気に開放するようにミキが喘ぎ出した。
    「あぁぁぁっ!いやぁぁぁ…ん、ん、凄い……」
    「ミキちゃん、もう入れる?ん?入れる?」
    「あっ、ダメ…いやぁぁん…」
    「どうする?入れて欲しくないの?」
    微かにグッチャグッチャという粘り気のある音が聞こえた。
    「…いらない…いらないし…あ、あぁぁっ!」
    「じゃ、やーめた」
    「……イ…ジワル…」
    消えそうな声で不満気に言うミキ。
    「…タクだったら絶対そんな意地悪言わないのに…」
    「そりゃタクちゃんはミキちゃんの事愛してるからでしょ?すぐ気持ちよくさせてやりたいんでしょ?」
    「…そう…よ…私だって…」
    「えっ?なに?聞こえないよ?」
    「私だってタクの事、世界で一番愛いしてますよ〜だ!」
    「はいはい、良かったね〜」
    「もう…本当イジワル…マジムカつく…」
    凄く馴れ馴れしい会話だと思った。少なくとも、それまでの二回とは比べ物にならないくらい、ミキの態度は変わったと思った。ケンヤが言っていた「変わった」というのはこの事だったのか…?
    「あっ!イキナリ…そこ…いやぁぁ…」
    「ミキちゃん、どうなの?入れなくて本当にいいの?」
    「ズルい…ズルいよぉ、先生……」
    「入れて欲しいなら、あれしてよ」
    「……」
    それにしても一瞬、ミキがケンヤの事を「先生」と呼んでいたのは何故だろう…プレイの一つなのだろうか。
    あのミキがそんなセックスプレイを演じるなんて信じられなかった。
    ケンヤから「あれ」を促され、二人は体制を変えていたのか、ガサゴソと動く音がした。
    「ねぇ先生…あの、お口でするから、入れてくれるの?」
    「そうだよ。なんで?」
    「そうじゃなくて…えーっとさ…」
    「何だよ、はっきり言いなよ」
    「もういい…」
    「気持ち悪いなぁ(笑)何だよって」
    だだをこねるミキと、聞き出そうとするケンヤ。押し問答が続いた後、私は耳を疑った。
    「だからぁ、さっき言ったじゃん、その、タクはさ、私の事愛してるから……すぐ入れてくれるって……先生はどうなのかなって…」
    「あぁ、そんな事か…勿論、愛してるよ」
    「…本当?…」
    「うん、本当」
    ミキは何も言わず、その代わりジュッジュッという、フェラ特有の音が聞こえ始めた。それもいきなりかなりのハイペース。
    「うわ〜ミキちゃん、いきなり凄すぎ…」
    時折ミキの「んぐっ」という明らかに何かを口に咥えながら苦しそうにする声が聞こたり、ブブブッという思い切り吸い上げるような下品な音がした。
    「ああ、気持ちいい〜、ほんと上手くなったよ…」
    「…うれ…ひい…」
    「タクちゃんも喜んでるでしよ?こんなに可愛い子がこんなに上手になっちゃって」
    「……」
    何度も言うが私はミキに咥えられた事がない。それ以前に先日は拒否されたも同然だった。
    「ああ、ミキ、ヤバイわ…出そうだよ…」
    「……」
    無言のまま、卑猥な音を携帯は鮮明に拾っていました。
    「マジ出るって…ミキ、ああ…いいんだな?出しちゃうよ?出すって事は、分かってるよな!」
    ケンヤの呻き声が聞こえ、一気に静まり返った。
    「…ん、うふん…薄いかも…」
    「ああー、死ぬかと思ったぁ〜ちょっと最近出し過ぎかもね?(笑)」
    「…もう…バカ…」
    どう否定的に考えても口内射精の後、飲み干しているのは明らかだった。
    そして携帯は切れた。
    薄暗い部屋の中で茫然自失、しかし、次第に鼓動が収まるに連れ、何となく釈然としない事に気付きました。
    ミキがケンヤを「先生」と、ケンヤはミキを呼び捨てにしていた事、そして少なくとも聞いた限りではミキは躊躇なくフェラ、精子を飲んでいた事、の二つです。
    僅か二回しか会っていないのに、ミキはまるでケンヤの掌の上で踊らされているようでした。
    これが寝取られプロのケンヤの実力なのでしょうか。
    私が知っているミキのあの小さな可愛い唇は、私とキスをする為だけにあったはず。柔らかくて温かくて、その感触だけでも私は幸せを感じる事が出来ました。
    でも今はあのガチガチに勃起したケンヤの醜いペニスを一杯に頬張り、百戦錬磨のケンヤをフェラだけでイかせる為だけに使っていたのです。

    嫉妬で鬱状態のところに再びケンヤからメールが届きました。
    今度は短い動画が添付されていました。
    私ははやる気持ちを抑え、しかし慌てて中身を確認しました。
    薄暗い映像の中で、肌色が画面一杯にに広がり、大きく揺れ動いていました。ピントもイマイチでしたが、やがてそれは黒々としたミキの股間そのものをアップで写そうとしたものだと分かりました…
    余りに近すぎて画像がボヤけて酷かったのですが、ある時綺麗に対象を捉えました。
    ミキの股間の向こう側に見える、上下に動くミキの下顎…
    恐らく、互いの股間を舐め合っている最中で、下になるケンヤが撮った映像。
    ミキのあそこだけは近すぎる為ボヤけていましたが、お腹から胸にかけての綺麗なライン、重力のままに重そうに垂れる乳房、その先で懸命に上下するミキの顔がはっきり映し出されていました…卑猥過ぎて思わず息を呑んでしまう程です。
    二度三度と繰り返し見ていましたが、そのメールにメッセージも添えられていた事に気付きました。
    「この光景、俺は結構好きなんだよね。タクちゃんはどお?」
    癪に障るメッセージでした。私は今までこんな角度からミキを見た事はありません…
    もし私が同じ事をミキとしたならば、フェラされるまでもなく、視覚だけでもすぐに射精してしまうでしょう。ケンヤのように楽しむ余裕などないと思います。
    その日は事前にケンヤと揉めてしまったからか、少々私に対する挑発が過ぎるような気もしました。本当にミキが奪われるかもしれないという焦り、これまで味わった事のない嫉妬と興奮…
    そして携帯が鳴り、二度目の実況が始まりました。
    「…あっ…もう、全然小さくなってない…」
    「いつもの事でしょ」
    恋人同士のような囁き合いが続きました。
    セックス中の音声ではなく、暫くそんな二人の会話だけを聞かされ、最初はケンヤの意図が分かりませんでした。
    しかし、私と二人っきりの時とは違い、ミキは明らかにいつもよりリラックスして話している事に気付きました。下ネタを振るケンヤに対し、照れてはいるものの、楽しそうに返すミキ。私の時とは大違いです。
    ケンヤは本当にプロだと思いました。下ネタを織り交ぜた何気ない会話は、ミキの深層心理が垣間見えてくるような気がし、私は何とも言いようのない嫉妬心を感じ始めていました。
    それは単にミキの発言内容ばかりではなく、聞かれた事を素直に打ち明けてしまうのは、ケンヤへの揺るぎない信頼感があってこそ、という事実が私を狂いそうな程嫉妬させているのでした。
    軽い下ネタを含んだ会話は、徐々に私の予想しない方向へ動き出しました。
    「なんか今日まだ入れてないよね」
    「でも結構ぐったりかも…」
    「ミキちゃんイキ過ぎ(笑)そりゃ疲れるよ」
    「…だって気持ち良いし…」
    「俺としたかった?待ち遠しかった?」
    「いいや、全然」
    「何だよ〜、ムカつく事言うね〜(笑)」
    くすぐっているのか、ミキが大笑いしたり、ベッドの軋む音がしたり…じゃれ合っていたと
    思ったら急に静まり返り、ミキの一言。
    「ねぇ、キスして…」
    貪るような、湿り気を帯びたイヤラシイ音がずっと響いていました。時折聞こえるミキの切ない声が悩ましく、私のペニスは痛い程に勃起し続けています。
    最近付き合い始めた恋人同士のような、熱くて長いキスが終わった時、私は自分の手の中で射精していました。
    射精後の脱力感と鬱が体を支配しようとしていましたが、本当の鬱はここからでした。
    「…本当はね…早く抱いて欲しかった…」
    「そう…俺も抱きたかったよ…」
    「私ね…ちゃんと先生の言う事聞いてるんだよ」
    「え?」
    「タクとは、…ないの」
    「…え?」
    「タクとはずっとエッチしてないの」
    「………」
    「私最近ね、先生の顔思い出すだけで体が熱くなるの…こんな事今までなかったのに…」
    「あのさ…最近仕事の方はどうよ?」
    私とミキが暫くレス状態だったのは、ケンヤの指しがねだった事が分かりました。ケンヤは慌てて話題を変えようとしていましたが、もう遅い。
    すぐに通話は切れました。

    私は目の前が真っ暗になりました。ミキは既に身も心もケンヤに奪われてしまっていたという事です。
    すぐにケンヤの携帯に電話、しかし電源が切られています。ミキも同じ…
    私の連絡の届かないところで二人は抱き合い、舌を吸い合い、お互いの性器を舐め合い、そしてセックスをしている…
    知らず知らずの内にドアのガラスを蹴り割っていた私は、靴下から滲む血を見て冷静さを取り戻しました。
    この後ケンヤはどうするのか?ミキの発言は予想外のはず。
    慌てたケンヤはホテルを出たかもしれない、全力で私に謝罪の電話をかけてくるかもしれない…私は滅多に飲まないウイスキーを口にしながら、自分にとって都合の良い事ばかりを考えるようになっていました。今もうと現実逃避ですね。
    しかし、そんな馬鹿な私の予想は呆気なく覆されました。
    ケンヤからの電話です。
    いきなり、感極まる様なミキの声。
    「あっ、あっ、あぁぁぁぁぁっ!ダメッ、また、イクッ!」
    「……」
    「いやっ…そこ…ん…いいぃぃ、凄くいいよぉ!」
    「ああ、俺も、ああ、もうすぐ…」
    「一緒に…ねぇ?…一緒に、イこう?…」
    「おぉ、出る!あぁマジ出る!」
    私は携帯に向かって怒鳴り散らしていました。
    でも、二人はそんな私の声に気づくはずもなく、セックスに没頭…
    二人でクライマックスが近かったんでしょうから、無我夢中だったのでしょう。
    そして肉のぶつかり合う音の感覚が狭く、大きくなっていきました。
    「愛してるぅ!先生…!愛してるぅぅぅ!」
    「出るっ!出るっ!」
    「私も!…イクッ!…い、いやぁぁぁ!…イクイクイクッ!」
    静まり返りる二人、荒い呼吸だけが聞こえました。
    ミキは半分、泣いているような感じでした。それ程までに良いという事なのでしょうか…
    ケンヤに対して、怒りというよりも男としての敗北感、そして後悔にまみれた私は声をあげる事も忘れ、ただただ携帯に耳を押し付ける事しかできませんでした。
    落ち着きを取り戻して来た二人は二言三言交わした後、やっと終焉を告げました。
    「もう戻らんとな…」
    「うん……」
    名残惜しむようなミキの言葉の後、携帯は切れました。
    あんな激しいセックスの後でも冷静に携帯を操作するケンヤ。
    生まれつきの演出家なのかもしれません。全てが計算されているようでした。
    そして私は、ふと思いました。
    全てが仕組まれた事なのかもしれないと。仕組んだつもりが仕組まれた…つまり、ミキの発言は全てケンヤが無理矢理言わせたものに違いないと。
    ケンヤを愛してるだの、旦那にセックスさせていない等、全ては巧妙に仕組まれたケンヤの演出だったのだと。
    今思うと、そう自分を「思い込ませる」事で平静さを保っていたのだと思います。
    私の心は壊れかかっていました。

    最後の電話から三時間が経とうとしていましたが、ミキは帰って来ません。
    外は既に真っ暗、二人で最後の晩餐でもしてるんだろうな、と思いながら私はインスタントラーメンにお湯を注いでいました。
    自分が巻いた種とはいえ、あのおぞましく恐ろしい悪夢が今日で終わると思うと、そんなわびしさも余り気になりませんでした。
    なのに……
    ケンヤから電話が来ました。今ミキと別れたところか、今更律儀に電話かよ…と、半分鼻で笑いながら出ました。
    「あっ!気持ちいいぃぃ…あぁぁっ!ひっ!…」
    「またイクのか?ミキッ!またイクのか?」
    「イクッ………イクゥゥゥ!」
    私は額然としました。二人はまだホテルにいたのです。ずっと、ずっと、ずっとセックスしていたのです。
    何も考えられなくなりました。
    「ミキ、お前何度目だよ…」
    半分呆れるケンヤ。
    「わかんない…もう、何にもわかんないぃ…」
    すがる様に訴えるミキ。
    「でも本当に今日はお終いだな」
    「…先生、最後イッてないでしょ…」
    「うん…でももう何にも出ないよ」
    「うそ…だって、まだこんなに立ったまま…」
    「疲れマラ、だよ…ははは…」
    「……」
    二人は無言になると、フェラ特有のスライド音が聞こえ始めました。
    「気持ちいいけど…ミキ辛くない?」
    「ううん…大丈夫…」
    「あああ、マジ気持ちいいよ…玉はもういいよ、敏感になり過ぎかな、ちょっと痛い…」
    「…先生、いいよ、お口に出して。飲んであげる…」
    「ありがとう、でも飲み過ぎだよ(笑)」
    「先生が喜んでくれるなら、何でもしちゃう…」
    …ケンヤはすぐに射精したようです。そして、何度目か知りませんが、ミキは飲み干したのでしょう。
    私は心が折れそうでした。全てがどうでもよくなりました。
    その後ミキから「もう少しで帰りまーす。先に寝ててね」とメールが来ましたが、言われるまでもなく私はベッドに倒れこんでいました。
    ケンヤに問いただす気も失せ、全てが投げやりでした。
    そして、この結婚生活も終わりだと覚悟しました。

    翌日から、私は必要最低限以外はミキと口を利かなくなりました。
    丁度この頃から私はこのサイトに投稿を始めました。自分自身に起きている事を客観的に投稿する事で、少なからず冷静になる事ができたからです。
    現実の世界で誰かに相談出来る内容でもないですし、一人でふさぎ込んでいるとどんどん鬱になっていったので…
    時々レスポンスのあるこのサイトは唯一私の心の癒しにもなっていました。
    口を利かなくなって二日目、いよいよ不安になったのか、ミキは私の顔色を伺うように話しかけてきました。
    ここからが本当の修羅場、それは今も続いています。
    ですが、修羅場はこのサイトには似つかわしくないですね…
    一旦終了します。

    趣旨が違ってくるのでどうかな、と思ったのです。
    最後まで続けますね。
    暫くお待ちください。
    こんな事をして誰が幸せになるのか…最初から分かっていたような気がします。
    でも、歪んだ欲求に負けてしまったんです。私が悪いのです。
    しかし約一名、ここから幸せをつかみ取ろうとしている者がいます。
    今月末にひとつの答えが出ます。
    それまでに追いつくようにします。
    もう少しだけ、お待ちください。
    うまく整理ができません。
    少しですが、続きです。

    ろくに口を利かなかった二日間、私は気持ちを抑えるのが大変でした。猛烈な鬱と戦いながら、時にはミキを殴り倒したい衝動に囚われ、しかし根本の原因は私にある事を思い出し気持ちを押さえ込む…この繰り返しです。
    しかしそんな不自然な状態が続くわけがありません。ミキも何かを感じたのでしょう。蒼ざめた表情で二日目の夜、私に聞いてきました。
    「タク…どうしちゃったの?…」
    一気に込み上げる思い、私は必死に気持ちを押さえつけながら言いました。
    「どうしたって……お前が今考えてる事だよ…」
    ネクタイを中途半端に緩めてソファに座る私の目の前で、じっと立ちすくむミキの足が小刻みに震えていました。
    「ケンヤさんと仲良くしてんだろ…」
    大きな目で私を一瞬見つめ、すぐに視線を下に落として押し黙るミキ。
    そして、崩れ落ちるというよりは、力が抜けてヘナヘナと座り込んでしまいました。
    沈黙は僅か数秒だと思いますが、長く、長く私には感じられました。
    ポタポタと涙が床に落ち始め、ミキはかすれた声で小さく、
    「ごめんなさい…ごめんなさい…」と何度も繰り返していました。
    ミキはひたすら嗚咽を漏らし続けるだけ。私も言葉が見当たらず、ガックリとうなだれるミキを見つめるだけ。
    口を開いたのはミキでした。
    涙でグシャグシャの顔を上げ、はっきりと言いました。
    「ごめんなさい、私が全てを話さなきゃだよね…私達、夫婦だもんね…」
    ミキの口から「夫婦」という言葉が出た時、私は何故か悲しくなったのを覚えています。
    「気持ちを整理してちゃんと話します。だから…少しだけ時間を下さい」
    そう言ってミキは食卓の椅子に座り、考え込む様に下を向いていました。
    ガックリと肩を落とす後ろ姿が寂びしそうに震えていました。
    私は複雑でした。彼女を許せない気持ち、裏腹に彼女に謝りたい気持ち…
    私は先に風呂に入りました。ひょっとすると今頃ケンヤに連絡してるのかな…ボンヤリ考えながら上がると、ミキは台所で夕食の用意をしていました。
    全く食欲のない私は、ミキにそれを伝えました。
    その時のミキの悲しそうな顔は一生忘れないでしょう。

    私は先にベッドに入り、知らない内に眠ってしまいました。
    眠りが浅く、早朝目を覚ましてしまいましたが、隣で寝息を立てているミキを見て、なんだかホッとしたのを覚えています。
    始発もまだ動いていない時間に、一枚のメモを置いて家をでました。
    「焦らなくていい。落ち着いてからでいいので、ミキの正直な気持ちを聞かせて欲しい」と。
    昼休み、私はケンヤに電話しました。
    ミキから昨夜連絡があったか否かを確認する為ではなく、また、先日の事を非難するつもりでもなく、ただ「何となく」連絡を入れなければならない、と
    思ったからです。
    この時点で、私は自分自身を責める気持ちの方がかなり大きくなっていたと思います。
    電話に出たケンヤは、割合平然としていた私に少々驚いたようですが、私からするとケンヤの穏やかさの方が驚きでした。普段の「気のいい兄貴」然としたケンヤではなく、私よりもはるか年上の「大人」のケンヤでした。
    ゆったりと、低い声で話すケンヤは私は初めてでしたが、その落ち着いた様子が私にとっては息苦しく、これから起こる嵐の前触れのような気がして、恐ろしさすら感じていました。
    「ミキから連絡ありましたよね?」
    「連絡?あぁ、まぁね。それで俺もタクちゃんに連絡しようと思ってたんだけどね…」
    「謝罪でもする為ですか?」
    私はそんな事今更言うつもりではありませんでしたが、ケンヤの低い声を聞いている内に得体の知れない恐怖に苛まれ、自己防衛の為か、或いは強がりなのか、少々語気を荒げるようにして聞いてしまいました。
    「謝罪?…それはそうなんだけど、もっと大事な話もあってさ。どっちにしろ、男としてタクちゃんには謝罪はするつもりだよ…」
    そこからの話、私にとっては絶望的な事ばかりで、冷静さどころか気まで失ってしまいそうな程の内容でした。
    ケンヤは感情をあらわにする事なく、次のように担々と話し出しました。
    本当は箇条書きで纏めようと思ったのですが、正直うまく頭が働きません。纏めようと思えば思う程、私の中で収集がつかなくなります。読みづらいかもしれませんが、会話形式でご容赦下さい。

    「ミキちゃんにタクちゃんとセックスするなと言ったのは本当だ。悪かった。でも、ミキちゃんの気持ちを確かめたい気持ちがあった。半分冗談混じりだったんだけど…。でもミキちゃんが約一ヶ月間、本当にタクちゃんとしなかったと聞いた時、俺の意思は固まった。直前までは関係をリセットしてタクちゃんに返すつもりだったけど。これは本当だよ」
    「…直前までは、って…」
    「俺はミキちゃんにプロポーズするつもりだ。その為に事前にタクちゃんに仁義を切るつもりで今日、連絡しようと思ってた」
    「…何言ってんすか?頭、大丈夫ですか?…」
    私の声は恥ずかしい位にうわづっていたはずです。しかし、ケンヤは相変わらず落ち着いて話続けました。
    「タクちゃんは彼女を俺に会わせるのって、三回目だと思ってただろ?でもね、本当言うとね…タクちゃんとレスだった一ヶ月間、しょっちゅうミキちゃんと会っていたんだ。ご免な…」
    「………」
    「君との約束を破っていたんだ」
    「最悪だ…ミキが会いたいと?」
    「いいや、俺が強引に誘った。俺は営業だから日中は結構融通が効く。夕方から誘い出してたんだよ。勿論、ミキちゃん、タクちゃんに悪いって、いつも泣いてたよ」
    「それって、無理矢理じゃないですか?強姦じゃないですかっ?」
    「…無理矢理か……だけどね、選択肢はいつも彼女に預けてた。嫌がるのを無理矢理にとまでは思わないよ、俺だって。きついかもしれないけど、彼女の意思で待ち合わせ場所にミキは現れたんだから」
    「ミキはあんたに好意を持っているんですか?いつまでも結婚できないあんたに同情してただけだろ!」
    「それは俺の口からは言えない。でも、聞いてただろ?逐一携帯で聞かせたよね?それが全てだ」
    「たかが数回会っただけでミキは簡単に男を好きになるはずが無い。俺がミキの体に触れられないでいる時にあんたって奴は…どうせミキから聞いて二人で俺の事を笑ってたんだろ!」
    「そんな事は聞いていないよ。ミキちゃんがそんな事言う女じゃないのはタクちゃんが一番よく知ってるだろ?」
    「あんた、俺に隠れて何度会ってたんだ?」
    「一日置きかな…」
    「そんなに?…ふざけんなよ!嘘つきめ!」
    私は完全に自分を見失っていました。ケンヤが嘘つきに思えて、憎くて憎くて憎くて…
    「俺はミキが高一の頃から一緒なんだ。昨日今日会ったばかりのあんたにぶち壊せるわけないだろ!」
    「タクちゃん…違うんだ…」
    「あんたは嘘ばかり付いている。何が会うのは三回まで、だ!」
    「タクちゃん、違うんだよ、俺たちは違うんだ…昨日今日の仲じゃないんだ」
    「……?」
    「タクちゃんには言ってなかったけど、俺はバツイチなんだよ…昔、塾の講師をしていた時に、短いけど結婚していたんだ。その時に当時中三のミキちゃんと知り合ったんだ」
    私の知らない事実が明らかになっていきました。私は怒鳴る事も忘れ、ケンヤの話を聞いていました。
    「彼女が中三の時、俺は塾で彼女に数学を教えていた。彼女は本当に熱心な生徒でさ、苦手な数学も校内トップになる程までになってたよ…でもね、トップを取った日にさ…彼女に告白されたんだよ、好きでしたって。漫画みたいな話だけど、俺の事が好きだったから一生懸命勉強したんだってさ。でも俺は当時結婚してたしさ、ましてやいくら可愛くてもロリコンじゃなかったしね…」
    「………」
    「塾は高校まで続いたから、俺もそのまま高校生を教える事になった。彼女は中学までだったんだけど、高二の時にまた通い初めてきた。一年ぶりの再開だったけど、見違えたよ…こんなに変わるものかって。メチャクチャ可愛くなってたし、体も色っぽくなってたと言うか、完全に大人の女になっていた。俺はピンと来たよ、彼氏が出来たんだなって。案の定、俺の顔みるや否や、なんて言ったと思う?「素敵な彼氏が出来ました」だってさ…勿論タクちゃんの事なんだけどね。一年ぶりの再開で開口一番これかよって思ったけどさ。嫁には悪いと思ったけど、少し嫉妬したよ。」
    私は当時ミキが塾に通っていた事は知っていました。塾なんか行かなくても俺が家庭教師やってやる、と言っても「悪いよ」と言って遠慮していた事も思い出しました。今思うと、ケンヤが居たから、なんでしょうかね…
    「彼女が高二の冬、俺に相談して来た事があった。彼氏が浮気してるかもしれないって。ただの痴話喧嘩かなって、最初はふざけて対応してたんだけど、この頃からお父さんの病気が一層悪化してね、将来の進路の事もあったりして彼女の落ち込みようは酷かったんだ。こんな時に一番に支えてあげなきゃいけない彼氏って奴は何してるんだって、思えてきてね。それならば俺が支えてあげなきゃだめだって思ったんだよ。でも、他の娘に対して今までそんな事を思った事は一度も無かったのに、ミキだけは違った。どうしても守ってやりたかった。多分、いけない事だけど、彼女の事、好きになってたんだと思う。でね…そういう関係になっちゃったんだよ。講師としてあるまじき行為だと自覚してたけど、自分を抑えきれなかった」
    愕然しました。僅か高三で不倫をしていたのですから。
    そればかりか、私は浮気した事など一度もありません。恐らく、ミキの勘違いなんでしょう。
    しかし、ミキの辛い時に気付かなかったのは私の落ち度だったと思いますが…いくらなんでも…
    「二人の関係は春には終わったよ。それは彼女が塾を辞めたから。進学を諦めたんだよ。俺は寂しかったよ…彼女に会えなくなった事もそうだけど、彼女が夢を諦めた事の方が俺は辛かった。悪い事は重なるもんでさ、まあ自業自得なんだけど、ミキとの事が塾にバレて、当然嫁も知るところとなってさ、失恋、失業、離婚のトリプルパンチだよ…」
    何となく「嫌な予感」がする時ってありますよね。
    ミキとケンヤの寝取らせを始めた当初に感じた漠然とした違和感が何だったのか、この時ようやく分かりました。
    「ケンヤさん…同じ過ちをまた侵すんですか?」
    「俺は…ミキがそばに居てくれれば何もいらない。ただケジメはつけるつもりだ」
    「ケジメ?」
    「俺は会社を辞めてもいい。当然君には慰謝料も考えている」
    ケンヤの覚悟は本当のようでした。
    「…ミキは俺とは別れないはず。なぜそんな事ができる?ミキが貴方に好意を持っているという自信は一体どこからくるんですか?…」
    「自信なんか無いよ。ただ自分の感情に素直に行動するだけだよ…俺はね、彼女と今回再開した時、鳥肌が立ったよ。運命だと思った。だからこそ、タクちゃんからの寝取ってくれと言う頼みを拒んだんだ。絶対に戻れなくなると思ったからね…彼女の君に対する想いと同じ位の想いは俺に向けていてくれていると思う」
    「何を根拠にそんな事を!」
    「根拠はあるさ。俺達は何度も何度も愛し合った。メールのやり取りも数え切れないくらい残してある。俺はラブレターだと思っている」
    「笑わせるなよ、そんなわけないだろ」
    「俺は何も恐くない、ミキを失う事以外は。タクちゃん、何ならメールを見せてあげようか?」
    「そんな事…よくできるな…」
    「君が納得するのなら、見せてあげてもいいよ。でもね、これだけははっきり言っておく。俺はミキにプロポーズする。君がこの事で俺を訴えようとどうしようと、俺は全てを受け入れるつもりだ」
    「…分かったぞ、俺があんたにミキを寝取らせた事を言うつもりだな?セコイ奴だ…」
    「そんな事はしないよ。引き受けた以上俺も同罪だと思ってるし。ミキをハメた事には違いない」

    ***
    結婚が決まった時、彼女の両親が私達に対して、よく「立派な企業務め」「安定した会社」「女は男に好かれて結婚するのが一番幸せ」等言っていたのを思い出しました。当時は難関をくぐり抜けて今の会社に入れた事を誇りに思っていましたし、私達に対する祝福の言葉であると単純に嬉しく思っていました。
    私の浮気疑惑についてですが、私には全く心当たりがありません。もし仮に疑われていたとしたなら、ミキからその事を問い詰められたり咎められたりしていたとしても不思議ではないはず。
    でも、当時それらしき事は一切言われていません。ミキがケンヤに近づく為の口実として私の浮気をでっち上げたのであれば辻褄はあいますが…
    ケンヤ夫婦の離婚についても、ケンヤの奥さんは被害者ですから、相手(ミキ)に対し何らかのアクションがあるはずですよね…
    考え出すと頭がおかしくなりそうです。
    私はミキを愛しています。
    今まではこんな事を計画した私が一番悪いと思っていました。でも今は誰が悪い、という事ではなく、ミキは本当に私の事を愛しているから結婚したのかどうなのか…朝からこの事を考えてばかりいます。
    本当に好きなのはケンヤだけど、生活力が無いから渋々結婚相手としては私を選んだ…
    そんな事がまかり通る世の中ならば、
    私は誰を信じたら良いのでしょうか…
    ***

    その日の夜、自宅で二人でぎこちなく食事、ひと段落した時ミキが話しかけてきました。
    ケンヤとは中学時代から知り合いであった事等丁寧に話してくれました。私の浮気が誤解だった事も理解し、唖然として涙を流していました。
    そして、既にケンヤに連絡を入れてもう会わないと伝えたとも言っていました。
    ミキは、私が何故二人の浮気を突き止めたのか、理由を聞いてきませんでした。私に対し、とても質問できるような雰囲気ではなかったし、私に許しを乞うことで精一杯だったからでしょうか。
    「ケンヤさん、なんて言ってた?」
    「別れたく無いって…でもまず全てを旦那に話せとも言っていた…」
    「ミキはどうしたい?ケンヤさんの事が好きなのか?」
    「ケンヤさんには昔恋してた時が少しあったから…うまく言えないけど……でもタクの事が一番好き。心から愛している…図々しいけど、許してくれるのなら……」
    「…まずはケンヤさんにもう一度だけ連絡して完全に別れろ。後で俺からも言っておくから」
    「うん、分かった…許して、くれるの…?」
    「…それは分からない…ミキの気持ちが本当に俺に向いているのなら…いや、正直分からない……」
    私はそのまま風呂に入り、三十分後上がってみると、ミキは明らかに動揺した様子。他意はなかったようですが、私が入浴中にケンヤに電話して別れを告げたとの事。私もうかつでした。
    「お前、電話したのか?」
    「ご免なさい…私、慌てちゃって…」
    「…ケンヤは何て言ってた?」
    「…怒らないで聞いてね…」
    「…なんだよ…」
    「あのね…旦那と別れて俺と結婚してくれって……」
    「………ミキは?」
    「絶対無理だって言った…タクとは別れないって…」
    ケンヤの予告通り、プロポーズしてきたのです。ついに動き出しました。
    私はミキを風呂へ促し、ケンヤに電話しました。が、繋がりません。
    何度電話しても通話中でした。
    するとメールが一通届きました。ケンヤからです。
    添付ファイルが一つだけ。それはミキとケンヤのこれまでのメールが記されていました。
    ほぼ全てに目を通しました。
    ショックでした。
    ケンヤがラブレターだと言っていましたが、確かにそこにあったのは恋人同士のやり取りでした。
    私に対する懺悔の言葉も沢山ありましたが、その合間で信じられないような愛に溢れた言葉も囁きあっていたのです。
    「貴方に抱かれると、全てを忘れてしまう」
    「セックスに貪欲になっていくのが怖い…」
    「完全にブレーキ壊れちゃったかな…」
    「私って、本当は今の姿が本物かも」
    一番辛かったのは…
    「裸のまま抱き合って、どこまでも落ちていきたい…」
    「貴方の精を受けて、本当の喜びが分かったの…」
    そして、
    「誰よりも貴方を愛しています。貴方となら地獄に落ちても構わない」
    一方的にケンヤから送られたものなので、信憑性は分かりません。ただ、作り話をわざわざメールしてくるような人間でもありません。
    あまりにも強烈過ぎる内容に、私は生きている実感さえなくなりそうでした。

    人間とは不思議なもので、いや、私だけかもしれませんが、その直後に風呂から上がってきたミキを前に、異常なまでに興奮してしまいました。
    今思うと私は壊れかけていたのかもしれません。
    ミキをベッドに押し倒し、その大きな胸に顔を押し付けていました。
    ミキは最初こそ驚いていましたが、すぐに私を受け入れる覚悟をしていたようです。
    まだ充分に潤っていないあそこに私はペニスを無理矢理押し込んでいきました。
    苦痛に歪むミキの顔、私も引き裂かれるような痛みを我慢しながらゆっくりと動き始めました。
    徐々に潤い始めるミキ…こんな異常な状況なのに、私は久しぶりのセックスに酔いしれていました。
    暴力的なピストン運動でクライマックスを迎えようとした時、私はペニスを引き抜いてミキの顔を跨いてベニスを強引に口の中に咥えさせました。
    目を見開いて私を見つめるミキを無視して力の限り腰を振り、彼女の口の中に射精しました。
    気が遠くなるほどの快感が何十分も続いたような、今まで味わった事のない感覚でした。
    こんな暴力的なセックスは初めてでしたが……
    射精が終わった後もミキはペニスを離さず、しきりに舌で愛撫してくれていましたが、閉じた瞳からは涙が伝っていました。
    それを見て、私も何故か涙が溢れてきてしまいました…
    そのまま朝まで眠ってしまいましたが、翌日、私はついに全てを暴露する覚悟を決めました。

    ***
    ミキが最初に告白した時、当時のケンヤとの不倫関係についても洗いざらい話してくれましたよ。事前にケンヤが話した内容とほぽ同じでした。
    ですから、あの時点で隠し事はないと思います。
    今日一日全く仕事に身が入りませんでした。
    切り替えが出来なくなってきました…

    仕事が急に忙しくなり、奔走しています。
    仕事に追いかけらている時は全てを忘れられます。
    でも、なかなか報告が出来なくなってしまいました。
    皆さんのレスは本当に参考になりますし、冷静に物事を判断する唯一のキッカケでもあります。こういう事って身近に相談する相手もいないので…
    私は大切な妻を他人に寝取らせた最低の夫、叱咤や軽蔑があって当然だと思っています。
    こんな私に気を遣っていただかなくて結構です。言いたいことを私に遠慮なく浴びせてください。それが私の今後の人生の糧になっていくはずだと考えています。
    ***

    なかなか纏める時間が取れないのに、Xデーが近づいてきます。
    これまでの経緯を簡単に投稿します。

    初めてミキの口内に射精した次の日です。
    私の思い過ごしかもしれませんが、その日朝からミキは機嫌が良かったように思います。
    久しぶりに私とセックスしたからでしょうか?それが暴力的なものだったからでしょうか?
    しかし私はミキに全てを話しました。
    これでミキとは終わりになるかもしれない…覚悟はしていました。
    中途半端な状態では次に進めそうもありませんでしたし、仮にやり直すという選択肢を残すのであれば、お互いが全てを洗いざらい話す事が必須だと思ったからです。
    長い間連れ添った夫婦間に隠し事の一つや二つはあるのが当然、と言う人は沢山いますが、この先は分かりませんが今の私にはあり得ない考え方でした。

    洗い物を終えたミキを呼び、私の前に座らせました。
    私の顔色でただ事ではないと思ったのでしょう、ミキは座るや否や強張った表情になっていきました。
    そして、私は全てを話しました。
    ケンヤがセフレ達を他人に寝取らせていた事、
    ケンヤに感化され、ミキの寝取りをケンヤに依頼した事、
    逐一、ケンヤから報告があった事…
    簡単に纏めてしまうとたった三行になってしまいますが、本当に洗いざらい、全てを話しました。そして、最後に謝りました、悪いのは俺だと。
    ミキは取り乱す様な事はしませんでした。
    ミキは最初こそ血の気が引いた様に驚きの表情をしていましたが、話を眈々と進めて行く内に落ち着き始め、次第に私を見つめる大きな瞳からは涙が溢れていました。それを拭おうともせずに全てを聞いた後、大きなため息をついました。
    「二人で私をオモチャにしてたんだ…」
    視線をやや落とし、ほんの少しだけ笑みを浮かべながら言いました。
    私はただ黙って聞いているしかできませんでした。
    「男の人って…なんなの一体…」
    「なんか、もう、言葉が出ない…」
    ミキはフラフラと立ち上がると、「さて、買い物行かなきゃ!」と言って、スーパーの買い物袋を持って出掛けてしまいました。
    一人残された私は暫く動けないでいましたが、ふと我に帰り、言いようのない恐怖感に包まれました。
    もうミキは帰ってこないのでは?
    まさか、最悪…?
    私は大急ぎでミキを追いかけました。
    外へ出て駐車場に行くと、車の中に人影が見えました。
    ミキ…?
    近づいていくと、中で号泣するミキが見えました。
    私はどっと汗が出るのを感じ、安堵しました…
    ゆっくりと車に近づきながら、ふと思いました。
    この涙は誰の為?
    俺の為?ケンヤの為?
    ミキは近づいてくる私に気付くと、慌てて車を出して走り去っていきました。

    二時間ほど経ったでしょうか、ミキが手ぶらで帰ってくるなり私に言いました。
    「私、来月から実家から仕事に行く事に決めた。暫く一人にして」
    唐突な提案、でも、当たり前の事かもしれません。
    私は冷静に言いました。
    「分かった…俺からもお義母さんにお願いしとくよ」
    「それはいい。余計な事はしないで」
    「…分かった…」
    少し考えれば当たり前の事、私は冷静なふりをしていたのかもしれません。
    「いつ戻ってくるんだ?」
    「…分からないよ…一週間先なのか、一ヶ月なのか、一年なのか…帰ってこれないかもしれないし…」
    泣きはらした後の彼女の瞳はまるでガラス玉、既にここに心がない事ははっきりと分かりました。
    「一月の終わり、連絡くれないか?二月はミキの誕生日だろ?」
    「誕生日なんて……一月か…まぁ分かった…」
    ミキは携帯をテーブルに置きました。
    「それまでは連絡しないで。私の携帯置いてくけど、実家にも連絡しないで」
    彼女はそう言うと、バッグに身の回りの物を手際良く詰め込み、コートを羽織って玄関に向かった。
    慌てて追いかける私に彼女は振り向いて言いました。
    「私達、獣と同じね。自分の快楽の為なら相手の事なんかどうだっていいんだもんね」
    「………」
    「私ね、タクが考えている程いい娘じゃないのよ…さよなら」
    間もなく一月も終わります。

    ***

    流石に妊娠は無かったと思います。高校生ですから、万が一そんな事になったら大事ですよね。一応、私は当時付き合っていましたので、いくらなんでも分かると思います。
    ミキが携帯を置いていったのは、私は勿論ですがケンヤとも接触を絶つ為、その行為自体を私に知らしめる為だったと思います。
    ミキが出て行った日からケンヤから何度も電話、メールが届いています。
    逆に考えると、それまでも同程度二人はやり取りをしてたんだと思います。
    とにかく、ミキからの連絡を待ちます。
    必ず連絡があるはずです。
    ミキはそういう女です。

    妊娠?
    まさか、まさかですよ。
    精を受けるって……そういう事なんですか?
    そんな馬鹿な

    ケンヤからは何度か私に連絡はありました。あからさまにミキの事を聞きにくいのでしょうね、何か変わった事はないか、と聞いてきました。
    当然、「いつも通り」と言いましたよ。
    何度電話してメールしても音沙汰がないのですら、そりゃ焦りますよね。
    まあ、これも私を安心させる為のケンヤの演技だとしたら……なわけないでしょうね。

    私はミキに「自分が悪い」と言っています。
    間違ってもケンヤのせいにはしませんよ。
    ケンヤは私との約束を破っただけで、ある意味ミキとは無関係ですし。そこまで私も馬鹿ではありません。
    精神的苦痛…でも恐らくミキも同じだと思います。
    週末に決着が着くのか、31日なのか…いずれにしても向こうから何もなければこちらからアクション起こします。

    「何も無かった様に迎え入れる」は無理です。今回の事を「既成事実」として、お互いが受け入れていくしかないと思います。「乗り越える」という意味とも少し違うような気がします。
    ですから、今までような主従関係がはっきりした夫婦関係とは違ってくるかもしれませんね。

    今晩わ。
    結局、今日まで連絡はありませんでしたよ。
    もう寝ますね…。
    一月末は今日です。

    ケンヤからも連絡は無くなりました。
    今夜帰ってこなければミキの実家に連絡します。

    皆さん超能力者みたいですね。
    何故分かるのでしょうか?
    概ね当たってましたよ。
    意外と眈々としたミキの態度に修羅場になりきれない今の状況。
    今はとても投稿できる気分ではありません。

    ケンヤの所には行ってませんでしたよ。
    そうではなくて、彼女が高校の時、ケンヤの子供を身籠った事が分かったんですよ。
    本当に驚愕という言葉がびったりです。側にいながらそんな事に気付かなかった自分自身にも腹が立つし、今頃そんな事をカミングアウトする彼女にも怒りを感じました。完全に自分の事は棚にあげてましたけど、それが悪いかって感じ。

    第三者の意見は聞くもんですね。ミキに限って絶対にそんな事はない、あいつはそういう女じゃない、と今まで頑なに思ってました。
    当時は私よりもケンヤの事が好きだったとはっきり言いました。
    既婚者だから思いを封印する為に私に逃げたみたいですよ。
    で、今更「結婚してからはタクが一番大事」だってさ…だったら一番「好き」なのはケンヤなんだろ?って聞いたら口ごもりやがったよ。
    何か文章乱れてますね、すみません。
    でも書き込むのも面倒になってきた。
    馬鹿馬鹿しいかも。
    こんな時に俺は何やってんかのかと。

    すぐにレス頂き有難うございます。見てくれてる方がいると思うだけで泣けてきます…
    家事は全て完璧、いつも明るく、決して怒ったりしない、常に一歩下がって付いてきて夫を立てる…
    本当に温かみのある優しい女性だと思っていました。でも、ケンヤと「お互い墓場まで持って行こう」と約束したこの件で引け目があるからなのかと考えると…
    この六年間は偽りだったのでしょうか?
    ミキは絶対にそんな事はない、と言いますが、今更何を言われても信用できません。
    以前「タクが思ってる程良い娘じゃないよ」と言ったあの言葉は本当だったんだなって。
    ミキはこう言ってました。
    「タクとケンヤさんがした事は理解出来ないし、絶対許せないと思った。ズルいけど、今こそ昔の話をしなければと思った。私の全てをさらけ出そうと思った。」
    「タクとは別れたくない。でも貴方は私の過去を許せないだろうし、私も今回の事を忘れる事はできない。表面上上手く行ってもすぐに思い出してしまい、貴方を攻め、そして私は私自身の過去を悔やむことになるはず。そんな人生はいやでしょ?」
    「別れたくないという気持ちは本当。でも結婚生活を続け、貴方との子供を育てる自信が今の私にはない」
    「勿論ケンヤとも縁を切る」
    ミキは離婚届を用意してきました。
    私はどうしたいのか…
    私も分かりません。
    信用出来ないと言いつつも、でも心のどこかで信用したい、という気持ちもあるみたいです。
    誰にでも人に知られたくない過去の一つや二つはあると思いますが、私の器が小さい為か、ミキを許せそうにありません。何よりもケンヤとの子供を堕したという事実が重過ぎます。

    確かにまだ充分話し合ってはいないかもしれませんね。
    もう少し冷静になってもう一度、話し合ってみます。
    今後の事、そして今現在のケンヤに対する気持ちを。
    31日の件があった後、すぐに幼馴染には相談しました。ここまで来ると私の性癖云々恥ずかしがっている場合ではないので。
    彼は本当に良いやつでね…
    私を叱り付けては再構築の方法を熟考してくれています。
    「こういう事はまず男が悪い、という前提で考えろや!」が口癖でして。
    私は自分自身の責任を痛感していますよ。
    でもね、彼女にとって一番大事なのが私であろうと、一番好きなのはケンヤだという疑惑がある限り、素直になれんのですよ。ひょっとすると私は二人に馬鹿にされ、笑われていたのかもって考えると…
    今夜話します。

    今帰宅途中の電車の中です。
    話し合いは深夜及びそうです。
    皆さんの意見、深いですね…
    いろいろな答えの出し方があるのですね。ここに投稿して本当に良かったと思います。
    冷静になって、じっくり話し合います。
    恋愛の対象として私はミキの一番になれないかもしれません。それを現実として受け入れられるかどうかは分かりませんが、前向きに話し合います。

    こんにちは。
    私の報告もそろそろ終わりが近づいてきたようです。
    ミキと話しました。とことん話し合いました。修羅場でしたよ。
    ショックな事も多かったですけど、ミキは思っていた事は全部話してくれましたよ……良くも悪くも私達の関係をリセットするに相応しい話し合いでした。

    リアルで今書いてます。
    仕事の合間なので飛び飛びで間が空くかもしれませんが、気長に見てくれれば助かります。
    学生時代から今に至るまでの彼女の思いを全て聞きました。
    ショックだった事から話します。
    ケンヤとは中学の時、講師と生徒という関係で知り合っていますが、ミキにとっては初恋の人だと言ってました。
    当時は寝ても覚めてもケンヤの事しか考えられない、好きで好きでたまらなかったと言ってました。
    この年代の女の子なら普通だろうなとは思ったのですが、ケンヤを想う思いが余りに強過ぎて、切なさで涙が出る事もしょっちゅうだったと。
    例えば、イケメンのケンヤを慕う女子は沢山いたそうですが、その中にいた小学校時代からの親友ともケンヤの事で揉め、その事で縁が切れる事をなんとも思わない程、強い想いを持っていたようです。
    ミキは、このような強い想いをケンヤに対して持っていたという事を眈々と語っていました…私にとって聞くに耐えない、本当に辛い話でしたが、そこまでの思いを持っている相手にわざわざ寝取らせた私って…責任転嫁ですが、そんな運命を呪いたかったです。
    ミキは高校に入って私と知り合いますが、決してイケメンではないものの、紳士然とした態度にどことなくケンヤの影を見たと言っていました。
    つまり、私は妻子いるケンヤの代わりだったようです。
    私と付き合うキッカケはこんな感じなのですが、ファーストキス等、彼女の「初めて」を全て私に捧げるうちに、いつしか本気で私の事を好きになっていったと言っていました。ここの所についてはミキは力をいれて私に訴えていました。
    しかしある日、私が女性と二人っきりで楽しそうに歩いているのを見かけたとの事。代官山の華やかな小路を歩くふたりの姿は、女子高生には眩しく、遠い世界の様に思えたと言っていました。取り残されたかの様な寂寥感と共に、ケンヤの顔が浮かんだようです。
    「先生ならこんな事しない…」
    何度も言いますが、私にやましい事は全くありません。誤解でしかありません。

    休みの二日間、Pに向かう事ができませんでした。
    朝から合間に書き留めたので投稿します。
    既に答は出ているので一気に結論を書いても、とは思ったのですが、今更それだと納得されないか方もいるかと思い、先日の続きから話します。よろしければもう少しだけお付き合いください。
    ダラダラしてしまうかもしれないですけど。

    ミキが私と女性の姿を見かけた後からですが、家族の病気や進路の事、しかも一番頼りにしていた私が他の女の子と仲良くしているのを見て絶望、思わずケンヤに会いにいってしまったようです。
    だからと言って何故ケンヤに…と思いましたが、ここが彼女の心の弱さかな、とも思ったり、高校生はこんなもんか、と思ったり…
    でも確実に言えるのは、この時点でまだケンヤの事が好きだった、という事でしょうね…
    塾を終えて車に乗り込む所に駆け寄り、有無を言わさずに助手席に飛び乗り、そして驚くケンヤに抱きついて泣いたそうです。ケンヤはそんなミキに理由を聞く事もなく、ただひたすら肩を抱いてくれていた様です。
    やっと落ち着きを取り戻しかけた時、ケンヤの股間が勃起していた事に気付いたそうです…なんでこんな時にって。
    でも、混乱していたミキは、その状況を自分の都合の良いように解釈し始め、こんな自分でも頼りにしてくれる人がいた、と思ったそうです。
    そして、渋るケンヤに構わず勃起したペニスを取り出し、口に含んだそうです…勿論、初めてのフェラだったと言ってました。
    そうなれば男は止まるはずがありません。そのまま車の中でケンヤに何度も抱かれたそうです。避妊もせずに…
    それからは週に二〜三度、セックスするようになりました。

    もうそうなると私に浮気の真偽を確かめる事もできず、懺悔の気持ちと、バレないように腐心することで精一杯だったようです。ケンヤとの関係を終わらせなければならない、と頭では分かっていたようですが…
    ケンヤのセックスは、いつもの穏やかなケンヤからは想像できない程激しかったようです。
    ミキは言いづらそうにしていましたが、ここまで知ってしまって聞かずにいられる程私の心は強くありません。少しづつ、ミキは話し始めました。
    …ケンヤはフェラが好きらしく、必ずさせられていたようです。長い時は30分以上も、そして必ず口に出され、飲まされることもあったそうです。しかし、ケンヤのセックスは一度射精してからが本番、フェラの何倍も時間をかけて愛撫するらしく、ミキは初めてイク事を覚えました。挿入してからも激しく、車の中でする事が多かったそうですが、狭い後部座席でありとあらゆる体位で愛されたとの事。
    私ともセックスはしていましたが、私とではイッた事は無かったと言っていました。男としての敗北感を感じてしまいましたが、ミキが言うにはケンヤのペニスは私よりも幾分か小さく、どんなに乱暴に動かれても痛くなる事は無かったと言っていました。私とのセックスは、時には苦痛になる程痛みを感じる事もあったという事らしいですが…
    ケンヤとのセックスでは毎回イッていたようですが、「それは気持ちが入っていた事も関係しているのでは?」との私の問いかけに、「わかんないけど…そうかもね…」と答えたミキ。辛かったですね、めちゃくちゃ。

    そして間もなく妊娠が発覚、結局最初のセックスの時の子供。
    父の病気、進学問題、私に対する罪悪感、ミキは現実逃避するかのように、子供を生む決心を一度はしたと言っていました。
    しかし、狼狽えるケンヤ、そして病状が益々悪化する父…そうこうしている内にもお腹の子はどんどん成長していきます。
    体育の授業もお腹の子を気遣って意識的に休むようにしていたとの事。
    どんどん追い詰められて、押し潰されそうになって…そんな子供の様子に親が気付かないわけがありません。
    母から一言、「誰の子なの?」
    そして全てを告白、母は最後まで優しくミキに接してくれていたようですが、ケジメはケジメ、ケンヤの塾に報告、ケンヤに結婚の意思がない事を確認、慰謝料と今後一切ミキと接触しない旨の念書を書かせたそうです。
    そんな事があったのに何も気付かない私は一体…悔やんでも悔やみ切れません。同時に、私がミキにとって相談するに値しない男だったという事を突きつけられているような気がしました。ミキは絶対にそんな事はない、と言っていましたが。
    この話を聞いた時は自分の鈍感さに呆れました。私がミキの変化に気付いていれば、妊娠は避けられなかったとしても今の状況も変わっていたのでは?

    暫くミキの体調は回復しなかったそうです。
    母からは、私の事を愛しているのであればすぐに全てを話さなければならない、と言われたそうですが…
    彼女は言えなかった。タクには新しい女の人がいる、こんな事を告白したら完全に捨てられて本当に一人ぼっちになってしまうと考えたようです。
    私が後にミキにプロポーズし、婚約した時に母は言ったそうです。「あんな事があったのに、全てを受け止めてくれるタクさんの為に全てを捧げて一生支えてあげなさい」と。
    そこで初めて母に「タクには言っていない」という事を伝えた時、今まで見た事もない恐ろしい形相で、生まれて初めて母に横っ面を思いっきり、三度も叩かれたと言っていました。
    「これまでのあんたを見ていても、タクさんの気持ちを今の今まで一度だって考えた事があるとは思えない。あまりにも勝手過ぎる。人の人生を何だと思っているんだ」
    この言葉は一生忘れられないと言っていました。
    その後、婚約破棄の話も出たそうですが…
    この辺りについては、私はミキの母親を責めるつもりはありません。子供の味方になってあげられるのが自分しかいない、と思ったら、親なら当然の事だと思います。

    あれから十日近く経とうとしています。
    日が経つと細かな会話とか怪しくなってきますね。忘れない内に投稿したいといつも思っているのですが、なかなか時間が…
    こないだの続きですが、その時、どうしてもミキに聞きたかった事がありました。
    「その時、ケンヤの事はどう思っていた?俺の事は?」
    「卑怯かもしれないけど、色んな事があってやっぱり私にはタクしかいないと思った。ケンヤの事は、その時には忘れたい過去の想い出の一つになっていた」
    「…つまり、俺とは大恋愛の末結ばれたって事ではないんだね…。お父さんの病気、高校生で妊娠、進学を諦めた事、色々考えると……俺との結婚は消去法に近い選択肢だったような気がするよ…」
    「違う!私は貴方の事が大好きだった。初恋はケンヤさんかもしれないけど、タクと一緒にいるだけで、ケンヤさんの事を少しづつ忘れていった…私が勝手に勘違いして浅はかな行動を取ったばかりに…」
    「俺はミキと知り合ってからはミキの事しか考えられなかった。脇目も振らずにミキだけを見ていた…もしケンヤが独身だったら君は俺よりもあいつを選んだはずだ」
    「…違うよ、そんな事ない…初恋の人というだけだから……私、そんな中途半端な気持ちでタクとの結婚を決めたわけじゃない」
    涙が頬を伝っていきました。
    「私ね…誤解されるかもしれないけど、今回こういう事があって少し良かったと思ってる。タクと結婚してから毎日が本当に楽しくて…タクに酷い嘘を付いているという事をどんどん忘れていった…それが恐くて…私、このまま幸せになって本当にいいのかなって。凄い不安で不安で仕方なくて…」
    ミキが言った「今回の事」、この一言で私は我に帰りました。
    私は一方的にミキを責めていますが、そもそもは私が仕組んだ事が発端ですから。
    私は言葉を失いました。何を喋って良いか分からなくなってしまいました。
    暫くの沈黙に耐えられなくなったミキが言いました。
    「どうしたの?…ごめんね、本当にゴメンなさい…」
    「いや、そうじゃなくてさ…」
    「……?」
    「ミキはさ、全部話してくれたんだよな…俺は話してないよな…」
    「……」
    「改めて言うよ、ゴメンな…ミキをオモチャにしていた事は事実だから…」
    私はミキの目を見ながら誠意を持って謝罪しました。一瞬キョトンとしていましたが、クスッと笑ったかと思うと、再び大粒の涙が溢れていました。
    「タク…私が他の男の人とエッチしてるの見て、興奮した?」
    「う…ん…」
    「それは、私だから?」
    「まあ、そうだね…」
    ミキは「そっか」と言った後、暫く考えていました。
    「私の事、大切に思ってくれている?」
    「勿論だよ。だからこそ、そんな大切な人が他人に抱かれてるのって…うまく言えないけど俺は変態かもね…自分の性癖だと思ってたんだけど、実際興奮もしたけど辛かった」
    「男の人って、いやタクって変態だよね……私、結構傷付いたんだよ。本当に恥ずかしいと思ったし」
    彼女は涙目でしたが、務めて笑顔で続けました。
    「私がこんなんだから本気で怒れなかった。罰が当たったんだと思っていた。でもね、同時に全部リセットする最後のチャンスを神様がくれたのかな、なんてずっと考えてた。随分都合が良い話だよね」
    ミキは慣れた手つきでコーヒーを入れると私の前に正座して言いました。
    「一人でずっと考えていた事を言うね。これが私の本当に正直な気持ち。もう意地はるのはやめる」
    そう言うと、ミキは一度軽く深呼吸しました。
    「私はタクと別れたくありません。タクさえ良ければ私をずっとそばに置いて欲しい。貴方が無理というのなら…こないだ渡した離婚届に印を押します」
    正直言うと、この言葉を聞いて私は嬉しかったです。私もまだミキに対して愛情を持っていたのでしょう。しかし、冷静になればなる程、ケンヤの子供を堕ろした事実が心に重い、本当に重い影を落とします。この事がなければ、私はやり直すつもりでしたが…
    私は暫く今の生活を続けてみようと思います。ここでのレスにもありましたが、今すぐに結論を出すのではなく、今まで通りの生活が出来なくなった時に離婚という選択肢を考える事にしました。中途半端かもしれませんが、惚れた私の負けですかね(笑)
    ただ、やり直す事になったどしても、この世に生まれ出る事のなかった子供の供養を、私も一生掛けて背負う覚悟が必要だと思でています。
    この日の事をミキから報告を受けたのか、翌日ミキの母が自宅に来ました。ケンヤの事もあるヮ#28775;すが、全て一応ケリは付きました。
    ケンヤについて、少しだけ#35332;っておくと、私がどうこう言にても耳を貸さなかったのが、ミキの次の一言で全てを諦めたようです。
    J「貴方も子供を亡くした罪を一生背負って欲ぷい」

    簡単に言うとケンヤとのセックスが良かったという事だと思います。
    ケンヤを一目見た時は過去の想い出が蘇り、辛かったそうでが、それ以#19994;に私に嘘#12690;つき続けているという罪悪感が再び心の中を大きく支配していったそうです。
    悪循環ですが、それから逃れる為にまたケンヤの優しさに甘えてしまう…そんな感じの事#12442;言ってましたね。まあ本当にケンヤは紳士#30341;で優しいですから…
    過去の辛い想い出以上に私に対する罪悪感の方が大きかったという事です。
    で、普段優しツケンヤのセックスは過激だったみたいなんで、本当に気持ちよかったようです。している最中は全てを忘れられるくらいだったそうです。ばからのめり込んだのかもしれません。「女」の#24679;なんでしょうニね…
    ケンヤからのメールの話はしていないので分かりませんが、セックスの虜になると、女って本意ではなくてもそんな事を言ったナするんじゃないでしょうか?答えになってませんね…
    セックスについては、「タクは優し過ぎるから…そこが良いところなんだよね」と、微妙な発言があったので、あの後何度かミキヒ抱いた時に意識して過激な事をしてうヾす。
    私もどこか遠慮気味なとこネはあったんで、思う存分、変態丸出しで文字通り真の裸の付き呈つをしています。お互い、開放されたとごうか、ハッキリ言って最高にエロいミキには驚きましたけど…
    この辺りの部分、ぱょっと生々し過ぎて皆さん引くだろうなへ思い、書いてませんでした。
    ちょっと取り留めのない文になってますね…

    結局「結論が出ていないんですから。
    先延ばしですよね。M
    シンプルに考えて、私が寝取らせなんかしなければ、恐らくミキは浮気する事は一生なかったと思います。
    自分の性欺を満たす為だけに仕組んだ今回の事でミキの過去が明ドかになりまたたが々子供を堕ろしたという事実がなけれぴの話ですが、私は彼女の過去を短る必要ワ#29025;かったと思います。私にだって知られたくない過去くらいありますし。
    どこかに書いてあった言葉です。
    「人はやり直しができる。でもそれは前に進む事であり、過去を消すという事ではない」
    私は、二人で一生掛けて償おうと決心できたのでミキとやり直してみようと思いました。
    ミキは馬鹿な女かもしませんが、もう一度だけ、支えてみようと思います。

    元に戻れるかどうなのか分からないから「先延ばし」なんです。
    将来、ケンヤの事をネタに明るくエッチでもできる様になれれば、とは思いますけど…難しいでしょうね。別の形で夫婦の絆を再確認するしかないとは思っています。
    セックスの生々しいところ、書いちゃっていいんでしょうかね…
    引いちゃいそうで…(笑)
    私の決断が正しかったと言える日がくる事を願っています。
    三連休は二人で私の実家に行く予定です。
    ゆっくりしながら、あの「行為」の話を考えてみます。引かないでくださいね…
    『ケンヤは好き。でも、本当にずっと一緒に居たいのはタク。』
    これって、きついですよね…
    今度晒しますが、再出発してから何度かセックスしていますが、彼女がイク時に、「ごめんなさい…」と言っていた事がありました。しながら俺に謝るなんて、ちょっと変な感じだと思ってましたけど、一回じゃないんですよね。
    まさか、とは思いますけど…

    やはり、そう簡単に物事運ぶはずがないようです。
    ミキとの行為について途中まで纏めたところで色々とあり、投げ出してしまっていました。
    エロい話を最後に書いてここを卒業するつもりが、なんだかね…
    途中で投げ出したりしませんが、ちょっと今は難しいかも、です…
    ご想像の通り、ケンヤですよ。

    ケンヤの事は改めて話します。ミキも必死です…

    さて二週間程前ですが、私は彼女に内緒でカメラを仕掛け、自分達の行為を撮影しました。ここで話す為、客観的にミキを見てみたかったのですが、後で見て本当にエロいミキを再認識しました。
    臨場感のあるエロビデオを見ている心境でしたので、小説風に纏めてみました。

    ベッドの中でモゾモゾとうごめく二人、男が布団をイラつきながら蹴飛ばすと、ミキの脚を大きく広げ、そこに顔を埋めてゆく男。
    ミキは両手で顔を覆いながら両足をカエルの様に折りたたみ、男の口による愛部を必死に我慢していた。
    暫くするとミキは腰をガクガクと痙攣させ、大きくブリッジさせてイってしまったようだ。
    男は顔を上げ、無言でミキの胸を跨いだ。男の大きく、黒々としたペニスがお腹につきそうな程いやらしく勃起している様子がはっきりと見えた。
    ミキは軽く顔を起こして口を開け、男はそこにペニスを押し入れていく…そしてゆっくりと前後する男の尻を両手で抱えるミキ。
    男は天を仰ぎながら唸り声を上げると、ミキの口からペニスを引き抜いた。
    ミキは糸を引く涎を手で拭いながら男に微笑みかける。
    「タクのって、やっぱ大き過ぎ…口に全部入らないよ」
    男はミキに笑いかけながら両足を肩に掛けて、手でベニスをミキの穴にあてがうと、ゆっくりと挿れていった。
    「あっ、ゆっくり…ゆっくり挿れてね…」
    眉間にシワを寄せながら、押し寄せる快感なのか、痛みなのか、何かを我慢するかのように訴えるミキ。
    男は少しづつ腰を進め、その長大なペニスの半分を挿れたところで抜き始め、そしてまた挿れていく。三分程そうやって小刻みに、ゆっくりとしたピストンをした後、「全部挿れるよ。息を吐き出して。呼吸を合わせて」と言ってから、ググッと奥まで腰を進めていった。
    「んあっ!だ、だめ…お願い…」
    男の顔を両手で挟みながら目を閉じて苦しさに耐える様にするミキ。
    男はそんなミキの苦痛に歪む顔を見ながら、密着感を確認するように前後左右に微妙に腰を揺らしていた。
    「あっ、そこっ…ん、あぁぁぁぁ、いや、奥、奥が…すご…だ、だめ…」
    一瞬、凄く大きな声をあげて、僅か数分でイってしまっていた。
    男はそんなミキをまだ気遣うようにして、暫くゆっくりと抽送を繰り返していた。
    「大丈夫…好きに動いても…いいよ…」
    男の大きなペニスに馴染んだのか、ミキは今にも泣き出しそうな表情で囁いた。
    男は抱えていた両足を下ろすと、無言のまま正常位で腰を振り始めた。
    太く長いペニスが限界までストロークする様がはっきりと映し出されていた。こんなに長いモノを全て呑み込むミキのあそこは大丈夫なのだろうか?子宮を突き破り、腸まで届きそうな程、激しいピストン運動を叩き込み始める男。
    「あっ、あああああ!…あ、ぐ、んんん…」
    大きく、断続的に喘ぐミキ。隣の部屋まで聞こえそうな程大きな声だ。
    男はダイナミックなストロークから、ミキのGスポット付近を下から突き上げるように細かく腰を動かした。
    ミキは頭の横のシーツをギュッと握りしめ、大きく仰け反って苦しそうに声を絞り出していた。
    男が両手でミキの乳首を摘まんだ瞬間、背中を仰け反らせて逆さにした顔を枕に埋もれさせながら、身体中を痙攣させていた。
    男はミキが果てるのを確認した後、繋がったまま覆いかぶさり、ミキの乱れた髪の毛を直していた。
    ミキはボーッとした様子で男の首に手を回し、「おかしくなりそう…」と言いながら舌を伸ばしていた。男はそれに答え、ミキの頭を固く抱きながらディープキス、そして腰を大きく動かした始めた。奥を貫くようなストロークの大きなピストン運動だ。
    貪り合う唇からなのか、股間からなのか、ジュボボッという湿り気のある音がはっきりとマイクに拾われる程、二人は濃密に一体となっていた。
    男はイキそうになり、動きを辞めて唇を離した。
    至近距離で見つめ会いながらクスッと笑うミキ。
    「奥、ヤバイくらい、いい…」
    そう言うミキの頭を撫でながら、四つん這いになる様に促す男。
    ミキのお尻を鷲掴みにしてバックから犯し始めた。
    男が動きを止めて、軽くミキのお尻を叩くと、驚いた事にミキは腰をしならせる様に動かし始めた。丁度ウチワで仰ぐ様な腰のくねらせ方、ベニスを膣で扱く様な卑猥な動きだった。
    「やば…出そう…」
    「わ、私も…また…」
    クネクネと腰をバウンドさせながら、振り向いて乞うように男を見つめるミキの瞳は潤んでいた。
    男は覆いかぶさってミキの唇に荒々しく吸い付きながら能動的に腰を激しく動かし始めた。
    堪らずうつ伏せに潰れるミキ。
    構わず、滅茶苦茶に腰を打ち付けて、中に射精し始める男。
    男は枕元のティッシュを数枚取ると、ベニスを穴から引き抜きながら、膣から逆流してくる精液を拭き取っていた。ミキは身体を痙攣させながら動かない。部屋には二人の荒い呼吸音だけが響いていた。
    隣で仰向けになる男に話しかけるミキ。
    「超良かった…変になっちゃうかと思っちゃった」
    男は心の中で聞いていた。
    「ケンヤとどっちが気持ち良かったんだ?」と。
    二十分程休んだだろうか、再び二人は肌を重ね始めた。今度はミキが積極的に男に仕掛けていた。
    仰向けになる男のペニスを咥え、いやらしく上下させ始めていた。
    ベニスが半勃ちになったところで男を四つん這いにし、お尻に顔をピッタリと押し付け、肛門への愛撫を始めた。同時に右手で男の睾丸から竿にかけて、何度もゆっくりと往復させていた。
    まさに馬の様に勃起させてから、騎乗位で腰を振り始めるミキ。最初は浅く小刻みに、そして次第に深く大きく上下させ始めた。
    「あぁぁぁ!…また、イっちゃう、イっちゃう」
    髪を振り乱し、一心不乱に腰を動かすミキ。男が胸を下から揉み上げた瞬間、「ヒッ…んあ、い、イクッ、イクッ!イクイクイクイクッー!」と悲鳴に近い声を上げながらイキ始め、男の上にドサッと崩れ落ちた。
    暫く男はミキの身体を抱きしめ、頭を撫でていた。
    「俺、まだイってないんだけど」
    「もう…無理かも…動けない」
    男は腰が抜けた様に脱力したいるミキの顔を両手で抱えてキスをした。ミキは唸る様な、苦しそうな、それでいて快感に打ちひしがれるような声を出していた。男は下から腰を突き上げ始めた。そして程なく、二度目の精液をミキの膣の奥深いところで射精していた。興奮し過ぎていた為か、一度目よりかなり早く果ててしまっていたようだ。
    暫くしてからやっとミキは目を覚まし、先程とは逆に、ティッシュを取り出すと自分で股間に当てながらズルんと抜いていた。自分であそこを拭きながら、男のペニスはティッシュを使わずに自らの口で掃除したいた。

    こんな感じです。一切誇張していません。
    お互いがお互いの事を、「こんなにエロいとは思わなかった」と言っています。
    ミキは間違いなくケンヤに教えられたんでしょう。私からは聞けませんが。
    これだけ濃いセックスをするようになったので、物凄く疲れます。出来れば三日に一度くらいだとまだ良いと思うのですが、矛盾していますが、毎日でもしたくなる程、気持ち良いのです。
    新婚さんって、皆こんな感じなのか?と思ってたりして…油断してましたね。

    そんな呑気な事を考えている間、ケンヤは覚悟を持って行動に出てきました。
    彼はミキの実家に行ったそうです。義母から連絡がありました。
    改めてにプロポーズするという事と、ミキを幸せに出来るのはタクではない、自分であるという事を、その二つを言う為に現れたそうです。義母は
    追い返したそうですが、「人生を掛けて、命をかけて幸せにする」というケンヤの眼差しは恐い程であったと言ってました。
    その後、まだミキにケンヤからの連絡はありません。が、ミキは明らかに動揺しています。

    隠れて会っている、ということは無いです。
    ただ、かなり動揺しています。
    今更ですが、ケンヤへの決別の言葉が悪かったのかもしれないと思っています。一生をミキと過ごす事で子供に対する罪滅ぼしを、と考えたのかもしれません。ミキには、「ケンヤに対して気持ち自体残っていない」と言わせるべきだったかと…
    ストーカー、とは言い過ぎかもしれませんが、確かにちょっと注意しなければならない人物になってきたような気はしますね。

    私が途中やる気なくした理由は、今回のミキの態度にあります。
    彼女は相当動揺していますが、こう言ってたんです。
    「あの人、弱いところあるから…」
    「誰かが支えてあげないとダメになっちゃうかも…」
    自分達の心配する前にあいつの心配かよ!って事ですよ。
    ミキには「奴を支えるのはお前じゃないだろ?」と言いましたが、その事は勿論理解してました。当たり前よ、とも言ってました。
    でもね、今の私達の境遇、立場を考えれば、あいつの心配をしてる場合じゃないだろって感じです。
    彼女に言いました。
    あんな事は言って欲しくなかった。
    まだケンヤに想いが残ってると思わざるを得ない。
    心配で仕方ない。
    迷いがあるならケンヤの処に行けばいい。こんな辛い気持ちにビクつく毎日なら、お前がいない方がマシだ。
    ミキは涙目で私の話にうなづいていましたけど…その涙の意味は何なんでしょうね…疑ってしまいます。疑いたくないのに。
    やはり一度信頼がなくなると、なかなか難しいのかもですね。

    馬鹿な質問して良いですか?
    女って、セックスで繋ぎ止めておく事って出来ますか?

    厳しい意見が多いですね。
    私もちょっと言い過ぎだったと思います。
    あれからミキは「絶対にケンヤとは会わない」「タクから離れない」と言っています。私は彼女の本心だと信じています。

    先程ケンヤにあってきました。
    いきなり会社に現れた私に少々驚いてましたが、それも最初だけ。憎い程冷静に私の話を聞いていました。
    私が言ったのは三つ。
    ミキの実家に押しかけ、私達二人のみならず周りの親族までも巻き込んで掻き回すのは常軌を逸している。
    ミキは貴方には絶対に会わない、そして私とは別れないと言っている。
    これ以上私達や周りの人間を巻き込むようなら、出るとこに出る。
    ケンヤは私の話を黙って聞いてから、ため息を一つ、そしてゆっくり話し始めました。
    「以前も言ったけど、僕は何も恐くない。警察だって恐くない。裁判がなんだ?僕はミキさえ居ればそれだけで良い」
    「タクちゃん、勘違いしてるよ。そんな事で俺がミキを諦めると思ってたの?僕は君と違って全てを捨ててもいいんだよ、ミキの為なら」
    ケンヤの目は穏やかに澄んでいました。
    それだけを言ってケンヤはコーヒーのレシートを持ってレジへ向かいました。そして帰り際に一言、ケンヤを追い掛ける私に向って言いました。
    「ミキちゃんの気持ちを未だに分かっていないみたいだね、タクちゃんは」
    ミキの全てを分かっているつもりなのか?
    ふざけんじゃねえよ

    ミキが実家から戻ってきた時、ケンヤと決別させる時に三人で会う事を提案しましたが、ミキが拒否。私が同席する、という事にではなく、ケンヤにミキが会いたくないという理由からです。
    顔を見たくない程嫌っていたのか、顔をみると決心が鈍るからなのか…それは分かりませんが、ケンヤを納得させる為、改めてミキに三人での話し合いを提案してみます。

    では今度の休み、三人で会いましょう。はっきりと決別させてやりますよ。ケンヤに思い知らせてやりますよ。
    奴が何を言おうと諦めさせます。
    私だって全てを捨てる覚悟くらいある。

    三人での面談は当初からの私の希望、だからミキを説得します。勿論、ミキがやっぱり会いたくないというのなら無理強いはしませんが。
    ですがミキ自身もいい加減完全に決着を付けなければと思っているようです。恐らく週末にでも会う事になると思います。
    こんな掲示板、と言いますけど、ここから得られるモノは小さくはありませんよ。
    皆他人事ですから、目先の事で盲目になりがちな私にとって、冷静なアドバイスをしてくれているのだと思います。(以前お話ししたかもしれませんが、極々親しい知人だけには相談はしています)
    他の掲示板でもそうですが、例えば浮気疑惑なんかでも、完全に証拠を掴むまで仮面夫婦を続けろ、みたいなアドバイスが一般的ですよね。それが相手達を制裁する為には最善の方法だという事は、他人事として見ていられた当時の私でもそう思いました。
    自分を押し殺して愛想笑いをしながら打算で相手を追い詰めて行く、相手に最大の制裁を加えるにはこれが一番だとは分かっていますよ。
    しかし状況は違いますが、自分が当事者となった今回、後先考えず本能のまま行動したいという欲望が大きく心を支配してゆくのです。なりふり構わず、例えですが、ぶん殴るなりの直接制裁を加えられればどんなにスッキリするだろうか、とも考えるのです。このような行動を起こしても、恐らく私は後悔しないと思います。
    「大人の対応」で相手を追い詰めても、私の場合、男としてそれで良かったのか?とそれこそ後悔しそうな気がします。
    それがガキだというのなら、私はガキのままでも良いと思っていますよ。
    この掲示板で相談していなければ、とっくに直接行動していたかもしれません(笑)
    私にとって、たかが「こんな掲示板」ではありません。

    生意気な口調で反論した事など無かったと思いますよ。よく見てください。そういう印象で受け取られてしまったという事かな?
    さて、私が第三者なら皆さんと同じ事を言ってたかもしれません。当事者になると…なかなか複雑なうえに感情的な事もあり…
    私も文才が無いので思ってることが上手く表現できないもどかしさはあります。
    また、ここで話していない事もたくさんあります。
    私とミキと、二人さえ上手く行けばそれでいいのです。ただ、ミキがこれからもケンヤを忘れられないのなら、その時は私は諦めます。
    なんか話が長くなり過ぎましたね。私は、もう本当にここを離れた方が良いのかもしれませんね。ちょぅとグダグダですね…

    結論が出ました。
    大半の皆さんが想像していた内容にほぼ近いものです。私自身まだ落ち着いていないので、詳細はご容赦下さい。
    土曜日三人で、そして昨日ミキと二人で話し合って、私達は別居する事にしました。
    再構築を図る為の前向きな別居とでもいいますか…まあそんな感じです。

    頼んでもいないのですからわざわざ来なくても良いですよ。貴方達に指図される覚えもないですし。貴方達のような人がたくさんいる某大型掲示板がお似合いですよ。そこで仮想世界の中で息巻いてくれれば現実世界での鬱憤も晴れるでしょう?
    すみません、柄にもなく熱くなってしまいました(笑)
    ただ、少し長くなってしまったのかなとも思います。実際は僅か数ヶ月前に端を発した事なので、そう簡単には結論が出るわけもないかとも思いますけど、報告の頻度が高過ぎたのしょうかね。
    私は皆さんの意見を私なりに熟慮し、一方で感情的な思いも大事にしながら行動してきたつもりです。
    勿論、あの時こうしてれば…との思いはありますが、後悔はしていません。
    彼女は実家に戻るのではなく、アパートを借りると言っています。その為に、正社員の仕事も探しています。
    今後は変化のあった時のみ、報告します。
    くれぐれも、見たい方だけ来て下さい(笑)

    お久しぶりです。
    ちょっとした進展はありましたが、また別の機会に。
    「結婚二年目」という題名はもう辞めにします。

    出典:他の男とセックスしている妻
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