【友達と】美少女【エッチ】 オナネタ専用エッチな体験談

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    【友達と】美少女【エッチ】


    祐二はいつものように家から電車で2時間ほど離れた所にある電気街をぶらついている。
     近所のスーパーマーケットで安売りしていたトレーナーに、洗いざらしのGパンをはき、迷彩色を施したディパックを肩に掛け、心持ち俯き加減に歩いている。スニーカーは有名スポーツメーカーのデザインのパクリ品だ。
     ふと立ち止まり傍らの磨き込まれたショーウインドウを覗けば自分の不様な姿が写し出されている。
     高校生の癖に中年の親父の様に出っ張った腹、ぼさぼさで中途半端に長い髪の毛、黒縁で厚いレンズの嵌め込まれた眼鏡。さほど身長が無いのに猫背なものだから、余計にチビでデブに見える。ウエストにあわせるとGパンの裾が盛大に長く、店で裾上げを頼むと店員に笑われる。そんな祐二にとっての若さの証明は頬やおでこに花盛りのニキビ位な物だろう。
     人当たりが良く、快活でスポーツマンの兄が家庭の主役であり、実際そんな事は無いのだが、祐二は両親からも無視されていると思い込んでいる。学業では優秀と言える成績ではあるが、如何せん根暗で肥満気味で無口と来ては、友人を作る事すらまま成らない。そして、少年自身も友達が居ない事で特に寂しい思いはしていなかった。そんな祐二だから、早くからバーチャルの世界に興味を持ち、この電気街に出没する様に成っている。小遣いやバイト代を注ぎ込み、自作のマシンを造り上げ、電脳世界に埋没する根暗なデブ、それが祐二だった。
     自分の容姿や性格に、極端な劣等感を持つ祐二だから、現実社会の女の子よりも2次元の美少女に心引かれて、俗に言うエロゲーにもはまり込んでいる。また、SMにも興味を示し、根が凝り性な少年は緊縛写真集やSMの手引き書などを読み込み、知識だけは貯えていた。この電気街のゲームショップで、新しいエロゲーを買い求めた祐二は、愛用品である迷彩色のディパックを肩に掛け地下に降りて馴染みの本屋に顔を出す。
     新書が入るのは遅いし品揃えも誉められたものでは無いが、比較的に空いているのが嬉しい書店だ。今日も店番の親父がレジで居眠りをしている。すぐ側に大型書店があるから、たいていのお客はそちらに流れてしまうのだろう。そして、この店のもう一つの売りがエロ本の陳列場所だった。少し奥まった所に無造作に積み上げられたエロ本の数々は、不粋なビニール袋になど入れられてはいなかったから。ゆっくりと中身を吟味した上で買う事が出来たのだ。少年は例によって胸をときめかせながらエロ本コーナーへ向かった。
     背の高い書架を曲がると先客がいた、しかも、なんと女だ!
     祐二は気恥ずかしく成り、回れ右をすると、一般書の方に戻ってしまう。さほど広くも無い店だが、客は祐二と、その女だけみたいだから、少年は女がエロ本コーナーから離れるまで待つことにする。しかし、彼の思惑とは裏腹に、女がそこを離れる気配は無い。これが先客が男ならば、多少気まずい思いはしても、堂々と隣に行って並んで本を物色したであろうが、相手が女では気後れしてしまう。しかし、どんな女がエロ本を立ち読みしているのだろうか?
     興味を持った祐二はそれとなく女の方を窺い、つぎの瞬間、心臓が止まる程の衝撃を受けた。
    (まさか… 西宮… 西宮美香!)
     目の前で食い入る様に手にした緊縛写真集を見つめる美少女は、彼が通う県立高校の同級生で、マドンナ扱いされている西宮美香なのだ。
     遠く離れた電脳街で、まさかクラスの男子の、いや学校中の男子の憧れの的である美少女の信じられない姿に出会し、祐二は慌ててしまい後ずさり、踵を書架にぶつけて物音を立ててしまった。
     驚いた美少女が顔を跳ね上げ、写真集を手にしたままで祐二を凝視する。青ざめて当惑した表情だが、それでも美香は美しい。祐二は目を反らす事が出来ずに見つめてしまう。
     彼女は数秒間は青ざめたままで固まり、信じられない物にでも出会した様な目付きで少年を見つめていたが、やがてゆっくりと写真集を平台に戻すと、何事も無かった様に祐二の方に歩み寄る。息を飲み、姿勢を正した少年の脇を、まるで祐二が目に入らない様な風情で美少女が通り過ぎて書店の出口に向かう。颯爽とした後ろ姿を祐二は、ただ見つめる事しか出来なかった。結局、その日、祐二は美香が手に取り熱中していた緊縛写真集を買い求め、家路についた。

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     電気街での衝撃的な出合いから4日が過ぎている、クラスメートの美香は、相変わらず多くの取り巻きに囲まれて華やかな学園生活を送っていた。彼女は少年をまったく無視していたから、祐二はあの時の出来事が、自分の妄想では無かったかと疑う程だった。ひょっとして、自分の密かな願望が美少女の幻を、あの場所に立たせていたのでは無かろうか?
     そう考えてさえいたのだ。祐二も成績は優秀な方だが、美香はその上を行く才媛だ。彼女は入学以来、レベルが高い進学校でトップの座を守り続けている。この地方の旧家に生まれた彼女だが、父親は有名大学の教授であり母親は教育評論家として活躍する傍らで、地方局のテレビ番組のコメンテーターも務めている。また、学業以外ではテニス部に所属して、春のインタ−杯予選では個人戦3位を記録して、学校から表彰されている。クラスの中でも一際目立ち、注目されているのが当たり前の美少女が美香なのだ。そんな彼女が電脳街の地下のうらぶれた書店でSM写真集を立ち読みするとは… 祐二は、自分の頭がおかしく成って妄想を見たのではないかと疑うのも無理は無い、それほどあの情景は異常な事態だった。
     友人や取り巻きの多い美香だから、根暗でオタク呼ばわりされている自分が2人きりで話しをすることなど、到底おぼつかない。
     だから真相を確かめる事は不可能に思える。もし、自分が問いかけた内容が第三者に漏れたら、彼女のファンクラブや、思いを寄せる男子から、不埒な言い掛かりを付けたと詰られて、袋叩きにされるだろう。
     強烈な印象を与えた出来事だったが、だから祐二は誰にも、あの事を話すつもりは無い。
     その日の体育は祐二の苦手な球技だった。動きのトロく背も高く無い彼にはバスケットは憎むべきスポーツでしか無い。何故、勉学を教えるべき学校でこんな事をさせられるのか、少年は不満でいっぱいだ。したがって、彼は体育の教官に頭痛を訴え、首尾良く不得意なもので時間を浪費する事態を免れる。保険室へ行くと偽り体育館を抜け出し、足早に図書準備室に向かう。そんな猫背の少年の後ろ姿を見つめる、一人の少女の目があった事を祐二は知る由も無い。
     準備室に辿り着くと当然周囲は授業中だから誰もいない。用心の為に左右を見回してから室内に滑り込み、中から施錠する。1時間の自由を得た祐二は書架にある本の中から、読みかけている「我が闘争」を取り出し、しおりを挟んだページを開き読み始める。ほんの数ページ読んだ時に、準備室の扉がガタつき少年を驚かせた、授業中にいったい誰が?
     祐二は息を止めて様子を窺う。
    「ねえ、中にいるんでしょ、開けてよ」
    「だれだ?」
    「西宮よ、西宮美香」
     祐二は耳を疑う、確か美香たち女子生徒は同じ体育館で創作ダンスの授業を受けているはずだ。一部の男子生徒はバスケを放り出して、女生徒達の踊りの鑑賞を決め込んでいた。
    「はやく開けて、誰か来たらどうするのよ!」
     切迫した口調に驚き、祐二は急いで施錠を解き引き戸をあける。そこには、あの日とどうように美少女が怒ったような顔つきで立っていた。彼女は礼も言わずにズカズカと準備室に入り込む。
    「何時までドアを開けておくつもりなの、サボリがばれたく無かったら、さっさと閉めなさいよ。」
     いきなりの美少女登場に呆気に取られていた祐二だが、彼女指摘を受けると慌てて扉を閉める。
    「ほら、ちゃんとカギも掛けて、誰か入って来たらどうするつもり? 彼方みたいな男と授業をサボって2人きりで会っていたと知れたら、皆に面白可笑しく騒ぎ立てられるだけじゃない、お互いに不愉快な思いをするわよ!」
     促されるままに祐二は施錠する、これで、この部屋には他の誰も入ってこれない、少年は学校で1、2を争う美少女と2人きりなのだ。そう思っただけで祐二の心拍数は跳ね上がる。物心付いたときから、女の子と2人きりで親しく話す機会は、おそらく初めてのことだろう。そんな少年の動悸を気にする事無く、美香は室内を見回して書架に並んだ蔵書の背表紙を眺めている。
    「な、何しに来たんだ?」
     女の子と話し慣れない祐二は、照れ隠しの為か必要以上にぶっきらぼうに話し掛ける。
    「あなたと一緒よ、サボりに来たの。体育館でダンスなんて付き合っていられないものね。退屈だし、男子達は変な目で見るし、やってられないわよ、馬鹿馬鹿しい!」
     日ごろの彼女からは考えられない様な台詞が、形の整ったピンク色の唇から吐き出され、祐二は面喰らう。何時もの美香は一分の隙もない、お嬢様言葉で話しているのだ。だから今の様な伝法な言葉使いはとても新鮮で、思わず祐二は黙り込む。
     しかし、サボるのは分かるが、何故、彼女はわざわざ自分のあとを追いかけて来たのだろうか?
     心当たりは妄想と思い込んでいた、あの電気街の地下の本屋の1件だけだ。
    「だいたい、何だって、あんな滑稽なダンスを女子だけが踊らなければいけないのさ? バスケの方が、まだましじやない。くっだらないからパスよ、パス!」
     会話は交わすものの美香は祐二を見ようとせず、目線は並べられた本の題名を追いかけている。その整った横顔は、まるでモデルかアイドルを思わせる。くるりと巻上がった長い睫の下で見開かれた生気溢れる瞳は、夢見るような風情を醸し出している。つんと生意気そうに持ち上がる鼻が鋭すぎる顎のラインを上手く中和して、冷たさを感じさせない。
     黒めがちの瞳は見つめられれば吸い込まれてしまいそうに成るだろう。窓からの日ざしで金色に光る産毛は、祐二にとってあまりにも眩しすぎる。
    「ねえ、あんた… なんであんなところに居たの?」
     相変わらず書架に並ぶ本の背表紙を目で追いながら、美香が問い掛ける。
    「あんなところって…、まさか…」
     祐二は驚くと同時に、やはりあの時の光景が妄想などでは無かった事を確信する、たしかに地下の書店にいたのは、目の前の天使だったのだ。
    「誰かと… 一緒だったの?」
     小太りな少年などは歯牙にも掛けない雰囲気を漂わせながら美少女の詰問は続く。
    「あ、いや… 俺一人で行ったんだ、あそこは俺の縄張りだからな、月に2~3度は顔を出す。でも、あんたが、もう来るなって言うなら、行かないよ。」
    「それ、どう言う意味よ!」
     少女は振り返ると、幾分前屈みに成り腰に両手を置いて祐二を睨み付ける。いきなり真正面から美少女に凄まれ、祐二は心臓が暴れ出すのを感じながら言葉を詰らせる。
    「ど、どういう意味って… その… 」
    「はっきり言いなさいよ、男でしょ!」
     理不尽な言い掛かりに近いセリフだが、祐二の耳には少女の声が心地よく響く。
    「べつに、俺は… なんだよ、何を怒っているんだよ?」
     学園のアイドルに祭り上げられる美少女の言い掛かりに、祐二は当惑してしまう。美香は数秒間、小太りのクラスメイトを睨み続けた後に不意に視線を反らすと、いら立ちを示す様に腕組みをする。
    「べつに、あなたが、どこで何をしていても、私には関係無いわ、好きにすればいいのよ。それから、アンタって呼ぶのはやめてちょうだい。私には西宮美香って言う名前があるんだからね、わかった?」
    「ああ、わかったよ、西宮さん。でも、俺にだって岡本祐二って、名前があるんだぜ。」
     勢いに飲まれまいと虚勢をはって、祐二は少し声を張り上げて言い返す。すると美香は少年を見据えて不敵な笑顔を見せる。そう、それは彼女が通常クラスメイトに見せる微笑みとは遠く離れた嘲笑とも思える笑い顔である。
    「なんで、私とあの本屋で会った事をクラスで吹聴しなかったのさぁ?」
     周囲から注目される事をあたりまえに生きて来た美少女が少年に問い掛ける。祐二は、彼女が自分を追いかけて、この図書準備室へ押しかけて来た理由を理解した。何時もクラスの話題の中心にいる美香のスキャンダルとも言える光景を目撃した祐二が、何故それを秘密にしているのか、疑問を問い質す為なのだ。祐二は素直に自分の考えを述べる。
    「俺みたいなパーソナリティの奴が、西宮さんのあの行動を暴露したところで、下らない妄想や虚言と思われるのが落ちさ。君が悲し気な顔で話しを否定すれば、たちまち俺は野卑な嘘つきオタク野郎と断罪されて、お姫様の名誉を守る使命に燃えた騎士達に袋叩きにされるだろう。そんな目に合されるのは御免被る、だから西宮さんも何も気にかける必要は無いよ、俺は誰にも喋らない。」
     無口の根暗男と思い込んでいた祐二が、いがいに饒舌ぶりを見せたものだから、美香は少し驚くと同時に、事態を正確に洞察した目の前の少年の思考に、少しだけ感心している。
     確かに、もしも噂が流れた時には根も葉も無い流言に侮辱された哀れなヒロインを演じて、根暗オタクの言葉を封じる存念だったのだ。
    「あんた… いえ、祐二だったね… 祐二は冴えないデブだけれど馬鹿じゃ無いみたい。」
    「学園の女王さまに、お誉めに与り光栄だね。とにかく、あの出来事が俺の口から漏れる事は無いよ、だから気にする事も無いさ。」
     自嘲気味に薄笑いを浮かべる小太りの少年の説明を聞いた美香は、まだ完全には納得できない様で、再び疑問を口にする。
    「でも、べつに祐二が見たって言わなくても… そうねぇ、噂を流す事くらいは考えなかったの?」
    「あのなぁ… 噂ってやつは、ある程度の信憑性が必要だろうが、ひょっとしたらって思えるから、皆で面白可笑しく尾ひれを付けて広まるのさ。その点、君みたいな美少女が、電気街の地下の本屋でエロ本を立ち読みしていた… なんて言う話しは信憑性ゼロだよ。この目で見た俺だって、今日、こうして君と話さなければ、自分が欲求不満で妄想を見たのかもしれないと疑っていたくらいだからな。」
     少年の考へを問い質す為の会見と分かり、祐二は少し落ち着いた。思えば高校に入って、これほど長く異性と話した事は無かったから、急激に照れくささが込み上げて、美少女から目を逸らす。

     不意に視線を反らして、あらぬ方向をに顔を向けた少年の行動の意味を、美香は知り尽くしている。余り親しく無いクラスメイトの男子や、時折部活で言葉を交わす下級生の男子達は、皆、照れてしまい、目の前の祐二と同じ様な行動を取るのだ。
     生まれた時より周囲から可愛らしい美しさを賛美され続けて来た美少女にとって、同年代の男子生徒の思惑を察する事などは稚技にも等しい。この成り行きならば彼の口から事実が漏れる事はまず考えられない、美香は会見の目的を達していたが、目の前の小太りの少年に興味を抱き、彼の隠れ家である図書準備室に居座っている。
    「祐二はあそこに何しに行ったの?」
    「何しにって、本屋に豆腐を買いに行く奴はいないだろう… 」
     秘密を共有する立場に成り、祐二の口調も砕け、多少の馴れ馴れしさ含む。
    「ふ~ん、あんた、そう言う口のききかたも出来るんだね。」
    「気に触ったらゴメンな、俺は元来こういう奴なんだ。」
     本当の所、祐二にとっては今は夢の様な一時なのだ、目の前に学園中の男子が親しく言葉を交わしたいと熱望する美香がいて、彼女は今は周囲に根暗オタクと蔑まれる自分だけを見てくれている、しかも、この瞬間に少年は美少女と2人だけの秘密を共有ているのだ。
     だから、もっと洒落た口調で小意気な会話を楽しみたいと思いはするが、もともとネガティブな思考の持ち主だけに、彼女を喜ばせる様な話しのネタを持ち合わせていない。こんなチャンスはおそらくこの先に2度とは無いだろうから、もっと何か楽しい話をしたいのだが、異性と話した経験の少ない少年はまともに彼女の顔を見る事すらできないでいる。強烈な照れくささも手伝い、彼はぶっきらぼうな話し方しか出来ない自分が情けなく思える。自己嫌悪の波に揉まれ自分の殻に引き蘢りつつある少年には、目の前の美少女の瞳に妖しい光が宿ることなど気付く由も無い。
    「それで、何か買ったの?」
     美香のさり気ない一言が2人の未来を決める。
    「ああ、西宮さんが見ていた写真集をね。」
     色々な思いが錯綜して混乱していた少年は、彼女が消してしまいと考えているであろう事実を暴露するように、わざと嫌みを込めた口調で緊縄写真集を購入した事を告げる。
     一瞬美少女の顔が強張るのを感じて、祐二の胸にも痛みが走る。
    (ふっ… 何を考えているんだ、美香が俺と話しをするのは、あの光景の目撃者だからに過ぎないんだぜ。秘密が守られると分かれば、もうこの先こんな風に2人だけで話しをする機会なんて絶対にあり得ない。おそらく明日には俺の存在なんて眼中から消えている。それなら、せめて嫌な奴としてでも美香の心の片隅に記憶を留めておいて欲しいじゃないか!)
     劣等感の塊である少年の自意識が悲鳴を上げて訴える。
    「ふ~ん、買ったんだ… あれ… 」
     祐二は強烈な後悔の念に襲われていた。こんな事を口走るべきでは無かった。そうすればひょっとして、挨拶程度は交わせる友人位には成れたかも知れない。しかし、別の自分が自嘲的な笑みを浮かべて、これで美香が自分を簡単に忘れ去る事は無く、悪い印象をしばらくの間は持ち続ける事に少しだけ満足しているのを感じる。
     小太りの根暗少年と学園の女王は向かい合ったまま姑くの間、お互いに自分の思考に沈み込み沈黙する。
    「ねえ、祐二、あなた週末は暇?」
    「な、何だよいきなり?」
     突然に脈略の無い問い掛けに祐二は慌てる。
    「あなた、何か書く物をもっていないの?」
    「え? ああ、体育用のジャージだからな、俺は何も持ってはいないけれど、筆記用具ならば、そこの図書館カウンターに幾らでもあるぞ。」
     美香は少年の指差すカウンターを見て、そちらに歩み寄る。机の上に俯き、図書カードの裏側に備え付けのボールペンで何事かを書き込んでいるのだろう。
     祐二はまじかで美少女の後ろ姿を見る事に成り、前屈みになった事で美香のヒップラインがジャージにクッキリと浮き出る、少年はその眩しい位にエロチックな光景に見入ってしまう。
    「これで、よしっと。はい祐二、これ上げる。」
     いきなり振り返った美少女が、何かを書き付けた薄緑色の図書カードを差し出す。
    「何だよこれ?」
     少年は訝し気に手渡されたカードを開くと、住所らしき番地名と携帯電話の番号が書き記されているではないか。ポーカーフェイスを装うが、祐二の心拍数は、またまた跳ね上がる。
    「日曜日のお昼くらいにそこに来て、住所だけで分からなかったら駅から電話をちょうだい。あの写真集を忘れないで持ってくるのよ、いいこと!」
     それだけ捲し立てると満足げに頷き、美少女は踵を返して廊下に通じる扉に向かう。
    「お、おい、ちょっと、待てよ! に、西宮さん、おいったら!」
     祐二は慌てて手にした図書カードから視線を上げて、立ち去りかける美少女を見る。
    「あ、それから、その携帯の番号は、誰にも教えた事が無いんだからね、うざったいから他の人に教えちゃダメよ。それじゃ、日曜日に、待っているからね。」
     施錠を解き扉を開けた美少女は扉を開けるて振り返り、自分の言いたい事だけを話すと、風の様にその場を離れて廊下に消えた。閉まる扉を呆然と見ながら、少年は、その場に立ち尽くしてしまう。
     週末までの2日間、祐二は首を傾げながら過ごしていた。図書準備室での密会からこちら、美香の生活態度には変化は見られない。昼休みや放課後には何時もの様に多くの取り巻きを引き連れて、上品な会話を交わし、清楚な笑顔を絶やさない。教室内では他の大部分の男子生徒と同様に祐二の事も無視している。
     もしも胸のポケットに折り畳まれた薄い緑色の図書館カードが無かったら、あの準備室での出来事も、悪性の妄想に思えていただろう。家に帰ってポケットからカードを取り出し、整った美しい文字をしげしげと眺めながら、なぜ自分が美香に呼ばれたか考え込んでしまう。
     写真集が欲しいだけならば、わざわざ家に呼び出したりはしないだろう。ひょっとして、何かの罠かもしれない、意気揚々と着飾って乗り込むと、そこには彼女を崇拝する取り巻きの連中が待ち構えていて、調子に乗って現れた少年を皆で彼を笑い者にする悪趣味な戯れでは無かろうか?
    と、までも想像を逞しくしてしまっていた。
    結局祐二は週末の昼少し前にメモに記載された駅の改札を出ていた。どんな企みがあろうとも、元々クラスで孤立している彼には大して害は無い、根暗なオタクとの評価にマヌケが加わるぐらいなものだ。学園の女王からの誘いは、そんな些細であやふやな心配事で断わるには、あまりにも惜しい。そんな理屈で自分を納得させて祐二は駅を後にする。
     地図で調べた住所は駅から徒歩で20分程度の距離だろう、残念ながら近くを路線バスは走っていない。大きな不安と小さな期待を胸に、少年は手土産代わりの写真集を入れた迷彩柄のディパックを肩に掛けて歩き始める。
     辿り着いた先は驚く様な豪邸だった、まるでテレビの時代劇に登場しそうな重厚な門構えは、歴史を感じさせるが、手入れは十分に行き届いている。まるで重要文化財のようであり個人と邸宅とは思えない大きな門だが表札には確かに西宮と記されている。左右を見渡すと、どちらにもかなり長く白壁が続いていて、この屋敷の敷地の広大さを思い知らされる。この辺りは県下でも有数の高級住宅地として知られているが、彼女の家ほどの豪邸は、他には見当たらない。
     時代掛かった瓦屋根の門に圧倒されてしまった祐二は、しばらくそこに立ちすくみ様子を窺う。ようやく気を取り直して大きな木製の扉を押してみるがビクともしない。辺りを見回すと、右手にある潜り戸の脇に、門とは強烈な違和感を持つクリーム色のインターホンを見つけて、プラスティックのボタンを指で押し込む。数秒の日に鈴を転がす様な甘い声で返事が帰って来た。
    「は~い、どなた?」
    「あ、あの、俺、いや僕は、岡本と言います、その西宮さんのクラスの知り合いで…」
    「ああ、祐二ね。待っていて、いま潜り戸の方のロックを外すから、そこから入って母屋まできてちょうだい。」
     彼女の言葉の終わらぬ内に潜り戸の裏で耳障りな機械音がする、試しに押してみると小さな潜り戸は何の抵抗も無く内側に開く。指示通りに少年は頭を下げて豪邸の敷地内に入る。すると驚いた事に潜り戸の扉が勝手に閉まり、再び機械音を立ててロックされたのだ。
     しかし、少年はそんな些細な事に構ってはいられない、目の前に広がる豪邸のと、見事に整備された庭園に度胆を抜かされてしまっていたのだ。正面に有る母屋の向かって左側には、素晴らしい日本庭園が広がっている。白壁の外はどこにでもある少し高級な住宅地であったが、内側には別世界が広がっていたのだ。少年は中学校の修学旅行で出かけた京都で見た幾つかの高名な寺の庭先を思い出してしまう。完璧に手入れされた庭園に祐二は見蕩れてしまっていた。
    「祐二! 何をつっ立っているの?」
     開け放たれた間口の広い玄関の上がり待ちで、迎えに出て来た美香が少年の名を呼ぶ。問い掛けられた声の主を探して左右を見渡し邸宅の玄関に家主を待たせていたことに気付いた祐二は、あわてて敷石の上を駆け抜けて、美少女の元に馳せ参じる。純和風の豪邸に相応しい、堂々とした玄関の構えにも祐二は圧倒されてしまう。しかし、それよりも遥かに少年にインパクトを与えたのが、目の前の美少女の姿だった。
     全体に黒っぽい和風の玄関先に、大輪の花を思わせる蛍光オレンジのワンピースを身に纏った天使が、少しむくれた表情を浮かべながら両手を腰において立ちはだかっている。豪邸や日本庭園が与えたショックは、玄関に立つ彼女を目にした事で祐二の頭からた叩き出される。
     学園での彼女は規則に従っていて、他の女生徒のようにスカートの丈を縮めたり腰を絞り込むような改良(?)は行なっていなかったから、その美貌と相俟って清楚な雰囲気が常に周囲を圧倒しているが、目の前の少女は驚く位に大胆に肌を露出しているのだ。両方の肩から細い紐で吊り下げられたオレンジ色のワンピースは、裾丈が目のやり場に困る程に短く、健康的な太股がギリギリまでむき出しにされている。同様に露にされた首筋から肩へのなだらかなラインが艶かしく、身体の線がくっきりと浮き出る大胆なワンピース姿の美少女に思わず見蕩れてしまう。多少待たされてふて腐れていた美香も、自分の装いが目の前の少年に、彼女が思った通りの効果を与えていることに満足して、十分に機嫌を直す。
    「いらっしゃい、祐二、さあ、入ってちょうだい。」
     彼が上がるのも待たずに美少女は奥に引き返してしまう。慌てて祐二はスニーカーを脱ぎ捨て、彼女の後を追いかける。庭に面した長い廊下を少年は驚きの表情を浮かべたまま、美少女のあとに続き進む。
     (なんて広い家なんだ、おいおい、庭の中にお稲荷様までいらっしゃる、あれ、あの奥にあるのは、土蔵かい? こりゃあ、ますます江戸時代だぜ。それにしても凄い庭園だな、あの石灯篭の脇の池には、当然1匹ウン十万円の鯉がウジャウジャと泳いでいるんだろうな)
     西宮家の財力に圧倒された少年は、言葉も無く導かれるまま邸宅の奥に招き入れられる。
    「冷たいものを持って来てあげるから、ちょっと待っていてね。」
     進められた座布団の厚みにさえ驚く祐二を尻目に美香が部屋を後にする。通された和室も屋敷の構えに負けない豪華な代物である。20帖近くの広さを持ち、襖には見事な装飾が施されているが、絵心の無い少年には、ただ立派な部屋と言うイメージが浮かぶだけだ。床の間に飾られた青磁の陶器や掛け軸の価値も見当がつかない。待つ程も無く美少女が戻って来た。
    「はい、これ。」
     手渡されたのは、良く冷えた缶コーラであり、少年は立派な和室とコーラの強烈な違和感に思わず苦笑を浮かべる。
    「何? 何か文句あるの?」
     彼の苦笑の意味を取り違えたのか、美香の言葉に険が隠る。
    「いや、別に文句なんてないさ、ありがたくちょうだいするよ。」
     祐二は慌ててトップをプッシュして、冷たい炭酸飲料を咽に流し込む。美香も同様に持って来たオレンジジュースの缶に口を付けている。
    「凄い家だなぁ…」
    「そうね…」
     美少女は、あまり会話には乗り気で無い様だ、祐二はしかたなく、もう一度豪華な和室をゆっくりと眺める。
    「ねえ…」
     美香の呼び掛けに、少年は視線を彼女に戻す。
    「持ってきたんでしょ、勿体つけてないで、さっさと出しなさいよ。」
     美少女の催促に少年は、再び辺りを見回して逡巡する。
    「おい、まずいよ。誰か家族の人が来たらどうするつもりなんだ?」
    「平気よ、誰も居ないもの。」
     美少女は面白そうに笑いながら平然と答える。
    「いないって?」
    「だって、ここは私の家じゃないもの…」

    当惑を深める少年を納得させる為に美香は言葉をつなぐ。
    「ここはパパの実家なのよ、小学生の時までは私もここで暮らしていたけれどね。ママが仕事を初めたのを切っ掛けに転居したの、何年か前までお爺様が暮らしていたわ。でもお爺様が亡くなられてからは空家になったの。私とママはもっと交通の便の良い所のマンションで暮らしているし、パパは週末には私達のマンションに帰ってくるけれど、それ以外は大学の近くのマンションで生活しているわ。だから、ここは現在空家なのよ。」
    「でも、こんなに綺麗に、掃除も行き届いて…」
    「アンタ、知らないの? 最近はプロのお掃除屋さんがいるの! 屋敷の外回りは週に2回、家の中は2日に1回づつ、お掃除会社の人が入って磨き上げてくれるのよ。パパは大学を定年退職したら、ここに戻って来たいみたいで、処分していないの。でも私もママも大反対、こんな不便な所に越してくるのは真っ平よ、もっとも、パパは定年後も非常勤の名誉教授として大学に残るみたいだから、何年先の話しだかわからないけどね。」
    「なるほどね、それで、こんなにでかい家なのに人の気配が無いのか。」
    「今日はハウスクリーニングも来ない日だから、この家には私達しかいないの。わかったら、さっさとお土産を見せてちょうだい。」
    てっきり自宅に招かれたと思い上がっていた祐二は、多少落胆したものの、美少女の家族に挨拶せずに済むことが、彼を気楽にしてくれてもいた。彼は安心すると書店の包み紙に入ったままの写真集を取り出し美香に手渡す。
    「あれ?アンタ、まだ見ていないの?」
    「見たよ、でも、むき出しで持ち歩く訳にも行かないさ。」
    「くすくす… そうね、そうよね…」
    写真集を手にした美少女は意外な行動に出る、何とその場で袋から取り出すと、紫檀のテーブルの上に広げて眺め始めたのだ。まるで、その場に少年が居ない様な振る舞いに祐二は自尊心を傷付けられる思いをする。
    (まあ、男として認められていないんだろうな、じゃなきゃ俺の目の前で緊縛写真集なんて見られる訳はないさ)
    食い入る様に赤い長襦袢姿の女の柔肌に荒綱が食い込む淫らな写真を見る美少女の事を、祐二は呆れながら眺めている。
    (お! これは?)
    夢中で写真集を見る美香は身体を屈めているから、ワンピースの胸元が地球の重力に引かれて大きく口を開けているのだ。思ったよりも遥かに豊かな胸元を見せつけられ、艶かしい光景に少年は息を飲む。
    「ねえ!」
    邪な眼差しを見咎められたのかと、祐二は首を竦ませるが美少女の問い掛けは違う意味を持っていた。
    「この写真集をちょうだいよ。」
    「え?」
    「いいでしょう。これ、欲しいの。」
    呆気に取られて祐二は美少女を見つめる。
    「なによ、なにか都合でもわるいの? アンタなら幾らでも似た様な写真集を買えるでしよう、いいじゃない!」
    「いや、俺はかまわないけれど… 西宮さんが困るだろう?」
    「何で私が困るのよ?」
    訝し気に美少女が口をとがらす。
    「家に持って帰るわけには行かないから、おそらくこの屋敷の何処かに隠すんだろうけれど、万が一家人に見つかれば、誰の物だって騒動になるし、モノがモノだけに掃除業者に見つかれば、西宮の家の名誉にドロを塗る事にも成りかねない。お袋さんはテレビにも出ている有名人だから困るだろう。」
    「業者の連中に見つかる所に隠す様な間抜けじゃ無いわ、万が一、家の誰かに見つけられてもお爺様の趣味って事で片付けるわよ。」
    勝ち誇った様に美少女が答える。
    「この手の本にだって、発行年度は書いてあるんだぜ、これは新作だから今年発行された緊縛写真集だ。事が露見した時に。まさか爺さんが幽霊に成って本屋でこいつを買って、この屋敷の何処かに隠したと言い張るつまりかい?」
    「あ、そうか…」
    些か落胆した様子の美少女が急に気の毒に成り祐二は言葉を続ける。
    「だから、そういった最悪の事も考えて、絶対見つからないような場所に隠せば良いのさ、万が一見つかったら、性根を据えてとぼける事だよ。誰も西宮さんを疑りはしないだろうからね。」
    祐二の言葉に力を得たのか、美少女の表情に笑みが戻る。
    「アンタ、やっぱりただのデブじゃ無いわね、けっこう悪知恵が回るじゃないのよ。」
    「なんだよそれ?」
    「馬鹿ねぇ、誉めてあげているんじゃない。」
    そう言うと、再び美香は写真集に目を戻す。おいてきぼりを喰らった少年は所在無さげに室内を見回す。
    「ねえ、祐二」
    暫くの間写真集に視線を落としていた美香が、顔を上げて呼び掛ける。
    「何だよ?」
    「アンタって、本当に度胸の無い男ね。こんな大きな屋敷で私と2人きりなのよ。おまけに私はこんなピラピラはワンピース姿なのにさ、手も握ろうとしないなんて、普通じゃないわよ。ひょっとして、アンタはホモなの?」
    美少女の唇から撃ち出される毒を含んだ身勝手な言葉に、祐二は頭に血を昇らせる。
    「お前、俺を誘惑しているのかよ?」
    「あははは… アンタ自分が誘惑されるような男だと思っているの? すごい思い上がりだね。でも、ホモって言われて腹をたてたんだから同性愛の嗜好は無いみたいね。」
    あからさまな挑発行為なのだが、悲しいかな場慣れしていない少年は、ただ、からかわれているとしか受け取れない。
    「俺、帰るぜ。また他の写真集が欲しく成ったら声をかけてくれ、在庫が豊富ってわけでもないけれど、その手の本も何冊かは有るからな…」
    挑発されて興奮した祐二は、その奇妙な緊張感に耐えられずに席を立つ。本当はもっと、この不可思議な美少女との会話を楽しみたいのだが、彼女の小悪魔的な妖しい雰囲気に呑み込まれ、何やら良からぬ予感に不安を覚えてしまった。オタクを気取る少年には強烈な自尊心があり、うかうかと挑発に乗って手痛いしっぺ返しを喰らう事を無意識に恐れているのだ。
    「恵里子にバレたの! 」
    土蔵の地下の秘密のスペースに辿り着くなり、美香の形の良い唇から憤怒の隠
    った言葉が吐き出された。
    「恵里子… さん? 誰だい、その人」
    普段は使われていないお屋敷で合流したときから、恋人の御機嫌が斜だった理
    由を明かされて佑二は当然の疑問を持った。
    「恵里子さんて… 「さん」付けして呼ぶ必要はなし! 恵里子って呼び捨て
     か、頭に馬鹿を付けてウルトラバカ恵里子で上等! 根性曲がりの性悪女に
     「さん付け」なんて、もったいない! 」
    怒りで眦を吊り上げながら美香は長椅子にヴイトンのバッグを放り出す。どん
    なに激しく憤っていても端正な横顔は美しく、綺麗な子は何をしていても、や
    っぱり綺麗なんだなと、佑二は場違いな感想を持って恋人を眺めていた。
    「恵里子は私の父方の従姉妹よ」
    ようやく恵里子嬢なる謎の女性の正体を知らされた佑二は、新しく勃発した問
    題がやっかいに成る予感に苛まれた。彼の悪だくみにより、かろうじて丸く治
    める事には成功したが、以前に教育実習生として彼と美香の前にあらわれた美
    貌のレズビアンの舞子もまた、美香の親族のひとりだった。
    佑二の一計にまんまとはまった同性愛主義の教育実習生は、今では男の良さを
    再認識して新しい恋人と人生を謳歌している。だが、すこしばかり薬が効き過
    ぎたのか? 月に1~2度はふらりとお屋敷に現れて、憤る美香を手玉にとり
    つつ佑二も交えた3人でのプレイを楽しむ性豪の者と化していた。
    「えっと、その恵里子さんに、何がバレたっていうんだい?」
    「だから、アタシとアンタの関係よ! 」
    もしもそれが本当ならば由々しき問題だ。日頃な使われていないお屋敷の土蔵
    で、高校生同士としては些かどころか大いに問題のある行為に溺れている事を
    、第三者に露見した時の騒動を思うと佑二は頭が痛くなって来た。
    「それで、その… どこまで知られたのか、分かるかい? 」
    「見られちゃったのよ、二人で一緒の所を! 」
    美香は忌々しそうに言いながら、右手の拳を振り上げる。
    「ほら、先週に日曜日の夕方、この屋敷を2人で一緒に出ちゃったじゃない。
     あの時に不覚にも、性悪馬鹿女に見られたの」
    確かに先週の日曜日は、お昼前から密会を楽しんだ記憶がある。まだ二人が知
    り合ったばかり頃は、周囲に関係が露見する事を恐れて神経質なほど警戒して
    いた。お屋敷を出るときも、少し前ならば当然時間差をつけていたのだが、付
    き合いが1年近くになっている今日では、もうそこまで警戒する必要を感じな
    くなっていた。
    美香も佑二もお互いの家から、この密会場所のお屋敷まで相当に離れているの
    で、間違っても知り合いに出会す心配はいらない。それでも、さすがに二人一
    緒に公共の交通機関で移動する事は憚られたので、裕福な家庭のお嬢様として
    育てられて小遣いに不自由の無い美香は大通りに出てタクシーを拾い帰宅の途
    に付き、一方の佑二は10分ほど歩いた先のバス停から、バスと電車を乗り継
    いで自宅のある団地へと戻っていた。
    だから、仮にそれが油断だとしても、二人が一緒にいるのは、お屋敷の大門の
    脇の潜り戸を出たほんの一瞬の事なので、その場を見られたと言う美香の主張
    に疑問を感じて少年は首を傾げていた。
    「でも、なんで恵里子さん… いや、恵里子は、偶然と言っても、そんな場面
     を見れたのかなぁ? 」
    「あの馬鹿女ったら、この近所へ用事があって出掛けて来て、ついでだから本
     家のお屋敷を見物するつもりでやって来たって言っていたわ。まったく、余
     計の事を思い付くんだもの、性悪女のくせに! 」
     
    なるほど、最近では珍しい広大なお屋敷だから、親戚の者であれば近所に立ち
    寄った折には外観だけでも眺めて帰る気にも成るだろう。不運だったのは、た
    またまタイミングが合ってしまい、美香と二人で出てきた所を美香の従姉妹の
    女の子に目撃されてしまったことだ。
    「たまたま門から一緒に出て来ただけで、勉強を一緒にしていた学校の友人だ
     と誤魔化せないかな? 」
    「恵里子はね、根性がまがっていて性悪で守銭奴で嫌味な馬鹿女だけれど、頭
     は悪くないのよ。あの女、嬉しそうに電話して来て『昼間と言っても日曜日
     に他に誰もいないハズのお屋敷で、美香ちゃんは男と二人で何をしていたの
     かな~? 』って、カマ掛けてきたの。当然とぼけたけれども、あの子『ふ
     ~ん、後ろぐらいところが無いならば、美香ちゃんのお母さまに、このお話
     をしても全然OKよね? ねえねえ美香ちゃんのお母さま、美香ちゃんが、
     あのお屋敷に日曜日の真っ昼間っから男を引っぱり込んでいるんだけれど、
     どう思われます? うふふ… な~~んてね、テレビでも評判の教育評論家
     の偉そうな母さまが、どんな顔するかしら』って、ほざきやがったわ!」
    おそらくその従姉妹は美香に前から何か含むところがあったのだろう。二人が
    一緒に屋敷の門から出てきたシーンを目撃しただけで、そこまでのストーリー
    を練り上げる頭の回転の良さに佑二は内心で舌を捲いた。そんな恋人の思いを
    他所に、美香の憤怒は膨らむばかりだ。
    「あいつ『これで美香ちゃんは、アタシのパシリ決定ね。これからは何でもハ
     イハイと、アタシの言うことを利かなくちゃ。もしも、今までみたいに生意
     気な口をきいたら、アタシ美香ちゃんのお母さまに、ポロっと、お屋敷での
     密会の事、喋っちゃうかもね~~。うふふ… 今度会うのが楽しみよ』って
     、脅かすの。アッタマに来て、電話をガチャ切りしちゃったんだけれど、こ
     れってかなりマズいよねぇ… 」
    お屋敷の一角にある土蔵の地下でのアブノーマルで濃密な肉の交わりまでは知
    られていなのが幸いだが、もしも恵里子がべらべらと美香のお屋敷での事を密
    告されたら、これからの二人の秘密の逢瀬が難しくなる事も予想された。
    (さて、どうしたものかな? )
    秘密のお楽しみを邪魔されたくない若者は、恋人から目を逸らすと脳味噌をフ
    ル回転させて事態の打開策を模索する。
    「おい、佑二! 」
    「へっ? 」
    不機嫌な恋人に、いきなり両手で頬を捕まえられて、力ずくで正面を向かされ
    た若者は問題解決の為の思考を中断させられて面喰らう。
    「あんた、今、恵里子の事を考えていたんでしょう? 」
    「ああ、うん、色々とね… 」
    「不潔! 破廉恥! このチン◯ン大魔王! 女ならば、誰だっていいの? 」
    話が想像の斜上を突っ走る飛躍を見せたから、佑二は返す言葉が急には出て来
    ない。
    「いや、考えていたと言っても、それは二人の事が恵里子さんにバレた… 」
    「ふん、ど~~だか? 恵里子は性悪女だけれど、美人だものね。舞姉ばかりじ
     ゃなくて、馬鹿恵里子までモノにするつもりじゃ無いの? まったく、アンタ
     って男は、本当に邪悪よね」
    会ったことどころか、これまでに一度も見たことすら無く、つい数分前までは、
    その存在すら知らなかった、もうひとりの従姉妹にまで嫉妬の炎を燃やす美少女
    を見て、佑二は胸の中で小さく溜息を漏らす。だが、ここ1年足らずの付き合い
    で、美香の思考論理体系を大まかには理解している若者は、唖然とした気持ちを
    表に少しも現す事も無く、黙って憤慨のおさまらぬ彼女を抱き寄せる。
     
    「あん、なによ、もう… 」
    二人の濃密な関係の狭間に元レズの舞子が割り込んで来てからと言うもの、美香
    は佑二との間に他の女の影が忍び寄る事に敏感であり、しかも極めて攻撃的にな
    っていた。元々、舞子とは仲の悪く無い従姉妹であり、年も比較的離れている上
    に男との肉の交わりの良さを確かめてからは、ちゃっかりとお金持ちの新しい恋
    人まで確保していたので、年上の従姉妹が時折自分を含めて佑二にちょっかいを
    出す事を容認している。
    たった4年であっても、思春期真っ盛りの美香では大人の色香を身に纏った女子
    大生の舞子を向うに回して戦うのは分が悪い。おまけに佑二によって急速に女と
    して開発が進む身体は、舞子を含めて3人で楽しむ濃密で淫媚なプレイを受け入
    れて楽しんでさえいた。それに気心の知れた舞子とコンビを組んで佑二の精を搾
    り取っておけば、もう他の女に手を出す余裕も無いだろうと言う計算もあるのだ。
    学校では多くの賛美者に囲まれ女王様兼アイドル扱いの美少女なのだが、周囲の
    高い評価ほどには自分に自信を持てぬ美香の精一杯の悪だくみでもあった。
    「女房妬くほど、亭主は持てず」の格言など知る由も無い思春期で感情が不安定
    な美少女にとって、目下の最大の悩みは佑二が他の女に目移りしないかどうか? 
    なのである。二人だけの逢瀬ではアブノーマルなプレイを平然とこなし被虐の悦
    びを彼女の骨の髄まで刻み込む御主人様との別離など、今の美香には考えられず
    、通学する学園の全ての女生徒にすら潜在的な敵意を抱いていた。
    美香にとって佑二の外見的なマイナス面など考慮の端にすら引っ掛からない。さ
    ほど身長が高いわけでも、とりたてて足が長いわけでも、笑顔が爽やかなわけで
    も無く、最近は節制に努めている様だが、これまでの飽食の結果膨らんだ下っ腹
    が急にスリムに成るわけも無いし、アブノーマルな肉の交わりの際に邪魔になる
    ので眼鏡をコンタクトに改めたことで多少は緩和されたものの、いわゆるヲタク
    の香りの燻る佑二にとって美香は掛け替えの無い恋人なのだが、恋する少女特有
    の視界教唆症候群に罹った美香だから、佑二が何の気なしに視線の先に捉えられ
    た女は瞬時に全部敵認定が下される。
    自分から相談を持ちかけたにも関わらず、愛おしい男の思考が忌々しい同じ年の
    従姉妹に集中すると美香の理性は瞬時に吹っ飛んだ。他愛も無いことで感情を暴
    発させる恋人の扱いには、すっかりと慣れた佑二は、瞳に憤怒の炎を揺らめかせ
    る美少女抱き締めると有無も言わせず唇を重ねる。ほんの少し申し訳程度に抗っ
    て見せた少女だが、彼の舌先が前歯を押し退けて差し入れられると、抵抗をやめ
    るだけでは無く自ら積極的に舌を絡めて来る。
    (我ながら美香の扱いに慣れて来たなぁ… )
    付き合い始めて最初の頃は美少女の理不尽極まりない憤激に曝されるとオロオロ
    していた佑二だが、それが彼女独特の屈折した甘えであり愛情の表現だと悟ると
    、おのずと最良の対応も見えて来た。静かに瞳を閉じて愛人の少年と舌を絡め合
    う濃密なキスに溺れる美香の美しさは格別であり、最近の佑二は薄く目を見開き
    観察する楽しみをおぼえている。
    長い睫は小刻みに震え、情熱的なくちづけに夢中に成る美香の頬は見る間に上気
    し紅く成る。こんなにまで近寄って、学園のアイドルと持ち上げられた美少女を
    一人占めする感動は、たとえどんなに言葉を費やしてもけして美香にはわかって
    もらえまい。
    言葉の端々に彼の浮気を疑う台詞が混ざる美少女の根拠のない無益な嫉妬が可笑
    しくて、彼女に対する愛おしさは増すばかりだ。仄かに漂う美少女の愛用のシャ
    ンプーの香しさを思いっきり吸い込めば、若さ故に滾る股間を御し得ない。くち
    づけを交わす美少女のお気に入りのオレンジ色のワンピースの胸元に手を置きま
    さぐれば、嫌がるどころか彼女は発展途上ながらも十分にボリュームを感じさせ
    る乳房をぐいぐいと彼の掌に逆に押し付けてくる始末だ。
    「あふぅ… 決めた。恵里子の事は佑二に任せる」
    舌を絡め唾液を啜り合う濃密なキスを終えると、目元を興奮で赤らめた美少女が
    上擦った声で宣告した。
    「任せるって… ? 」
    「任せると言ったら、任せるの、アンタの方で適当に処理してね。まあ、ちょっ
     とくらいならばアタシも手伝ってあげるから感謝しなさい」
    全面的に下駄を預けられたのを信頼の証と受け取り喜ぶべきなのか? それとも
    厄介な問題を押し付けられたと嘆く方が良いのか、複雑な思いを胸に抱き当惑す
    る少年の心情など気にかける事も無く、美香は学校でのボンクラな賛美者たちに
    は絶対に見せない淫蕩な笑みを浮かべて見せるのだ。
    「でも、まあ、大した事じゃ無いけれども、それなりに働いてもらうのだから、
     御褒美くらいはあげなきゃね」
    しなやかで性悪な猫を思い起こさせる魅惑的な笑みを浮かべながら、美香は愛人
    のまえにしゃがみ込む。手慣れた様子で目の前のジーパンのチャックを下げると
    、十分な硬度を保った肉棒が露にされた。
    「うふふ… もうこんなに固くして、本当に佑二はスケベよね」
    これからの行為に期待を膨らませて瞳を爛々と輝かせた美香は、躊躇う事も無く
    あっさりと愛人の少年の男根を口に含み舌を這わせる。もう何度も体験はしてい
    るが、それでも自分の一物が美少女の柔らかで温かい喉咽粘膜に包まれると佑二
    は余りの心地よさに呻き声を抑えられない。
    「くぅぅ… 」
    少年の苦悶とも歓喜とも取れる声を耳にすれば、美香の口での愛撫にもいっそう
    熱が隠ると言うものだ。不意に頬を窄めて強烈に吸い上げたかと思えば、一転し
    て唇と舌を使い肉茎を玩弄する巧みな性技は、とても17才の少女とは思えぬ手
    練ぶりだった。
    しかし、一旦マゾのスイッチが入れば、美香にとっての最大の関心事は如何にす
    れば恋人を悦ばせることが出来るかの一点に絞られる。細くしなやかな指を肉棒
    の根元に巻き付けて擦り上げる傍らで、唇を使い唾液まみれの亀頭を更に執拗に
    舐り回す愛撫の前では、佑二が御主人様としての体面を保つのは難しい。男に尽
    くすフェラチォは被虐心を疼かせることもあり、美香の口での愛撫は急速に巧み
    さを増している。若い牡の悲しさでどんな時にも刺激には素直に反応して鋼鉄の
    硬度を誇ってしまう肉棒にじゃれ付く美香の舌はほんの少しも休むことを知らな
    い。
    鈴口に滲む我慢汁を舐めとったかと思えば亀頭の鰓の後ろにもぐりこみしゃぶり
    回す。顔を横に向けて勃起の青筋の浮かぶ側面に丹念に唾液を擦り付けた次の瞬
    間には、指で心持ち剛直を持ち上げて裏筋を舐ってみせるのだ。愛おしい少年に
    対する奉仕で自らの興奮も高めて行く美香の口での愛撫は、限界を悟った佑二が
    、やや強引に美少女の顔を自分の股間から引き剥がすまで続けられた。
     
    「もう、いい、美香、立って、それで後ろを向いてくれ」
    「なによ、服を着たままで犯る気なの? ほんとに佑二ったらケダモノなんだ
     から」
    悪態を吐きながらも美香は素直に立ち上がる、オレンジのワンピースの裾を両
    手で手繰りあげた美少女は、スルスルと白のショーツを自分の手で降ろし脱ぎ
    捨てた。
    「ほら、犯りなさいよ! ケダモノ佑二」
    愛しいサディストの要望に応じて、土蔵の秘密の地下室の白壁に手を付いた美
    少女は、窮屈な姿勢で振り向き欲情の炎を燃やす瞳で佑二を見つめる。罵りの
    言葉を口にはするが、積極的な振るまいからも彼女の激情の暴走具合は知れて
    いた。おそらくそうだろうと当りを付けつつ、佑二は彼女の元に歩み寄りスカ
    ートをまくりあげた。そして、まっ白な尻の双丘の狭間に掌を差し伸べる。
    「あっ… 」
    思った通り可憐な美少女の秘所は呆れる程の潤いを見せており、彼の指先が淫
    裂の表面をなぞっただけで掌まで愛液が伝い落ちて来る始末だった。日頃の学
    園生活では常にクラスの中心的なポジションにあり、多くの信奉者から一挙手
    一投足を注目され賛美され、裏では密かに彼女の処女を守る会が発足している
    美少女が、実家の土蔵の地下の秘密の小部屋で男に身を任せて、直接に触れら
    れる愛撫を加えられる前にも関わらず股間をぐっしょりと濡らしているとは、
    佑二以外のクラスメイトは夢にも思っていないだろう。
     
    美香が処女である事を疑う事も無く、同じクラスばかりでは無く学年を横断し
    て聖処女を守る事を目標とした闇の組織は、美香のボーイフレンドと成り彼女
    の恋心をくすぐりそうな不逞の輩をピックアップして、その動向を監視する愚
    挙に到ったとも聞く。もちろんクラスの中でも目立たず、根暗なオタク野郎と
    認定された佑二には、聖処女を汚す可能性は皆無と見なされ、何の監視も干渉
    も行われてはいない。本当の敵がクラスの中でノホホンとしている事も知らず
    に、学園内では複数の勢力が美香の処女を守るべく神経戦や情報戦を繰り広げ
    ているらしい。
    (もう少し慎重に付き合わないと、恵里子さんの場合もそうだけれど、学園内
     の美香の処女を守る会の連中に、もしも真相がバレたら大騒動に成るからな
     ぁ… )
    美少女の尻に差し向けた手を動かし、中指だけを泥濘と化した蜜壷に浅く埋め
    てソフトなタッチでの愛撫を繰り返しながら、佑二は今後の事について悩みを
    深めて行く。
    「ねえ、佑二… もう… ねえったら! 」
    爆発寸前の欲情を抱え込み焦れる女体を嘲笑うように、軽い刺激しか与えてく
    れぬ恋人を恨めしそうに睨みながら、美香は両手を目の前の壁に付いたまま太
    股を少し開いて尻を彼に向かって持ち上げる。学園の男子の九割九分九厘まで
    が美少女と認める美香に、こんな媚態を見せつけられれば、ふつうの少年であ
    ればとっくに白く柔らかな尻にしがみつき、性行為に及んでいるだろう。
    しかし、美香ばかりでは無く、彼女の美しい従姉妹の舞子とも爛れた関係を続
    けている佑二だからこそ、挿入したい気持ちをグッと堪えて、更に愛おしい奴
    隷少女への指嬲に力を込めた。
    「あっ… だめぇぇ… もう、マジ、ヤバイよぉぉ… 」
    日頃は賛美者たちの輪の中で優美に微笑み、間違ってもお嬢様的は発言を踏み
    外す事の無い美香だが、自分の弱点を知り尽くした若者の愛撫の前では深まる
    脳乱を抑える事が出来ない。何度も背筋を電撃のような快美が駆け上がり、脳
    髄の一番深い部分で炸裂する。中指1本でのソフトな愛撫にも関わらず、溢れ
    出した愛液は筋を作り太股の内側を伝い落ちて、すでに膝にまで達しているの
    だ。情けない喘ぎ声しか漏らさなくなった美少女の有り様に満足した佑二は、
    ようやくマゾ的な嗜好を露にした愛する乙女の尻へと取り付く。
    「ちょうだい… はやく、ねえ、ユウジ… 」
    もう力が上手く入らないのか? 膝をガクガクと震わせながら美香は涙目で恋
    人に訴える。この状態にまで持ち込めば、もう目の前の美少女は彼の思うがま
    まだ。目の前の壁に手を付き、かろうじて身を支えている少女の尻を掴むと、
    佑二は多少高さを調節して、右手で剛直を操り濡れた肉裂に先端を持って来た
    。瞼を閉じて長い睫を震わせながら衝撃の瞬間を待ちわびる美香の期待を裏切
    る事なく、少年は熱く滾る蜜壷へと己の雄根を突入させた。
    「ひやぁぁぁぁぁぁぁぁ… 」
    指嬲りで十二分に潤っていた肉壷は無理無く愛おしい男の剛直を受け入れて行
    く。焦らされた女体はようやく欲情を満たしてくれる雄物を呑み込むと、幾重
    にも折り重なった肉の襞が、もう二度と失うまいと挿入された男根を押し包み
    まとわり付く。
    「だめ… イク… あぁぁぁぁぁ… 」
    予期していた通りに愛する男の一物が根元まで突き刺さり、子宮を押し潰すよ
    うな圧力を感じた瞬間に美香は今日最初の絶頂への階段を一目散に駆け上がっ
    た。
    「美香、まだ入れたばかりだぜ、もうイッちゃったの? 」
    目の前に白壁に爪を立て震えの止まらぬ身体を持て余しながら、美香は虚ろな
    瞳でコクリと頷く。尻を佑二に占拠されたままの美少女の肉体の爛熟ぶりは目
    覚ましく、最近では最初の強烈な一撃だけでも安易にアクメに到達してしまう。
    「ゴメン、でも、まだ平気だから… もっと、もっといじめて」
    自分だけでは無くて、従姉妹の舞子が加わった3Pの時でも無類のタフさを見
    せる佑二の絶倫さは骨身に滲みて分かっているから、最初の絶頂の余韻に魂を
    飛ばす事も無く、美香はこれからの行為に思いを巡らせて気を引き締めた。
    「わかったよ、美香」
    マゾの血が沸騰したのか? すっかりと従順になった美少女の尻を捕まえたま
    ま、佑二は再度、律動に取りかかる。
    「ひっ… ひぃぃぃぃぃ… すごい、ユウジ、あっ… あひぃ… 」
    一度軽く昇りつめてしまった女体は呆れるほど簡単に燃え上がってしまう。服
    を身に付けたまま、ショーツだけを脱ぎ去り愛おしい支配者に尻を預けること
    で得られる快感は峻烈であり、彼女の意識は何度もホワイトアウトを繰り返し
    ていた。
     
    目の前の光景が歪み滲んだ次の瞬間、眩い閃光が網膜を焼き付くし意識が漆黒
    の闇に転げ落ちて行く。しかし、彼女は悶絶することすら許されない。これが
    限界、これ以上の刺激はないと思い意識を刈り取られるのだが、そんな哀れな
    美少女を現世に引き摺り戻すのは更に大きな快楽だった。霞んだハズの意識が
    電撃的な快美で一気に覚醒を強いられると、後の彼女は悦楽環状の流れの中で
    、ただ魂にまで快楽を彫り込まれる哀れな肉人形と化していた。
    (よし、美香もノッてきたな! )
    意識を途切れさせながらも、彼女は積極的に尻をうねらせ貪欲に快楽を貪り始
    める。もう論理的な思考などぶっ飛び、蜜壷を踏み荒らす男根から生まれる狂
    気の愉悦だけに支配された美香は、恥じらいなど忘れて淫汁を溢れさせた。愛
    おしい少年の一物を口で愛撫した行為は、彼女自身も大いに昂らせている。そ
    して、待ちかねた雄根の侵入により爆発的に燃え上がった欲情は、とても抑え
    きれるものでは無く、彼女は桃源郷へ通じる昇り坂を一気に駆け上がった。
    「だ… め… ゆうじ、ゆうじ、ゆうじぃぃぃ… 」
    コントロール不能な欲情の暴走に嘖まれて、美香は背中を逆アーチ状に反らせ
    ながら何度も痙攣を繰り返す。悶絶に到る直前の妖しくも峻烈な蜜壷の蠢動に
    耐えかねて、佑二も彼女の中に精を迸らせた。
     
    「と、言うわけなんですよ」
    小洒落たカフェテリアの一角で、佑二は声をひそめつつ悩みの概要を伝え終えた。
    昼食時を少し外れた事から、お客の入りは3割程度であり彼等の周囲の席も空い
    ている。少年の相談を聞き終えた美女は紅茶のカップを唇に寄せてヴィンテージ
    ・ダージリンの薫りを楽しみながらひと口含んだ。
    「こまっているのかな~? 佑二? 」
    「ええ。大いに困っていますよ、舞子さん」
    その台詞とは裏腹に余り困った様子を見せぬ少年を前にして、舞子は残念そうに
    微笑んだ。
    「うそ、困ってなんて、いないでしょう? 」
    「そんな事はありませんよ、舞子さんの御協力を頂けないと、多少面倒な事にな
     りますからね」
    ある程度の裏の事情を見通している佑二の顔を、彼女は軽く睨んだ。その整った
    顔だちからは、従姉妹である美香の面影が伝わってくる。いまだ開花の途中で、
    ともすれば危うくも妖しい魅力を見せる美香にくらべて、盛りを迎えた女子大生
    の舞子は、道行く男達が振り返らずにはいられない大人の色香を手に入れている
    。このカフェに入った瞬間から、否応無しに男性客の視線を集め注目される存在
    となっていたので、佑二の相談事は必然的に小声だった。
    「でも、いいのかなぁ? 美香の弱味って、アタシにとっても美味しいところじ
     ゃなくて? 」
    「あなたは、そうは考えないですよね。だって、舞子さんにとって、とっても楽
     で、しかも美香に大きな恩を売れるチャンスが目の前に転がっているのですか
     ら… 」
    成熟した色香を漂わせる美女を見つめながら、佑二は己の想像が正しかった事を
    確信して不敵に微笑んだ。
    「あ~あ、面白くないなぁ、ホントにアンタって頭が良く回る子だわ。そうよ、
     恵里子はアタシのお手付きの子、いまでもたまに可愛がってあげているの」
    「やっぱり、そうですか」
    予想が当った事に満足しながら佑二は小さく安堵の溜息を漏らす。
    「でも、なんで分かっちゃうのかなぁ? 」
    舞子は不思議そうに従姉妹の恋人であり、自分にとっては愛人の少年を見つめた。
    「どうしてって… 僕はまだ恵里子さんにお会いしたことはありませんが、美香
     の言葉ではけっこうな美人だそうですよね。そして、今回の件で恵美子さんは
     、僕と美香の関係を知り、想像力を膨らませて美香を脅して来ました」
    物事が思い通りに進むであろう手応えを感じて、やや気持ちが落ち着いた少年は
    冷めかけたコーヒーで乾いた咽を潤す。
    「恵里子さんは、言うなればジョーカーを握った身なのに、切り札を最初から曝
     け出す過ちを犯していますよね。ストレートに美香に事実を語り脅しを仕掛け
     るなんで、愚の骨頂でしょう? 」
    「そうね、これが佑二ならばジョーカーを握った暁には、かるく5~6個はもっ
     と攻撃力があって陰険な作戦を思い付くでしょうからね。ええ、そう、恵里子
     は馬鹿よ」
    忌々しそうに舞子が頷く。
    「美香も認める綺麗な従姉妹でありプライドも高く、それでいて若干思慮の足り
     ないとくれば、舞子さんにとって「美味しい従姉妹」だと考えるのは当然です
     。そして教育実習をチャンスとして美香までも毒牙に掛けた舞子さんであれば
     、美香に比べて組み易いと思われる恵里子さんを放置しておくハズも無いと考
     えた次第です」
    少年の思考の道筋を明かされた舞子は、やれやれと首を振り美貌を曇らせる。
    「アナタがもう少し年上ならば、絶対に美香を蹴落として略奪してやるのに。ホ
     ント、残念よ」
    「冗談としても光栄です、舞子さん」
    元はガチガチのレズビアン至上主義だった舞子の褒め言葉に頬を緩めて、佑二は
    カップの底に僅かに残っていたコーヒーを飲み干した。
    「それじゃ、行きましょう」
    有無も言わさずに伝票を手にとった舞子は微笑み立ち上がる。
    「えっ? 行くって、何処へですか?」
    「あら、佑二くん。まさか、あなたはこんなカフェで、可哀想な恵里子をあんな
     目やこんな目に合わせる相談をするつもり? 」
    たしかに美香に敵意を抱く少女を堕とす相談をするのは、彼女が学ぶ大学にほど
    近いカフェは不向きであろう。しかも、男性客の注目を一身に集める舞子の存在
    感は抜群で、内緒話を行うには限界があった。勘定を持つ事を主張する少年を笑
    顔でいなした美女はさっさと支払いを済ませると、恐縮する佑二を引き連れて付
    近の立体駐車場へ向かった。
    「これって、ポルシェですよね? 」
    「そうよ、でも残念ながらワタシの車じゃないの。ほら、今、付き合っているI
     T会社の社長の御曹子が、いつでも使ってくれって鍵を渡してくれているのよ」
    ハンドルの横にあるパドルシフトを軽快に操作しながら、舞子はポルシェを歓楽
    街へと走らせた。しっかりとした目的地がある様子の舞子の運転なので、佑二は
    余計な口を挟むことなくドイツ製の高性能のスポーツカーのナビシートの居心地
    を楽しんだ。やがてポルシェはネオン溢れる歓楽街の端にある、なんの変哲も無
    いビルの地下駐車場に滑り込んだ。車から降りた舞子は少年を促してエレベータ
    ーホールに足を踏み入れた。
    「あの、舞子さん、ここは? 」
    「うふふ、すぐに分かるから、もう少し我慢してね」
    彼等二人以外には、まったく人の気配の感じぬホールで合点の行かぬ表情を見せ
    る少年を見て、舞子は淫蕩な笑みを浮かべていた。軽やかな到着音と共に、目の
    前の扉が開いたから、年上の美女に促されるまま佑二は狭い昇降機の中へと乗り
    込んだ。エレベーターは何処にも停まる事なく最上階へと駆け上がる。
     
    扉が開くと、そこは何の変哲も無い雑居ビルのワンフロアの様相で、無人の受け
    付けのカウンターの上には幾つかの会社名が無造作に張り付けられた内線電話器
    がポツンと置かれているだけだ。しかし、舞子は人気のない受け付けカウンター
    を無視して、右から3番目のドアを開けると、そのまま中へと消えてしまう。多
    少は面喰らいながらも佑二は、置いて行かれれても困るから足早に彼女のあとを
    追い掛ける。
     
    大して広くも無い部屋の片隅にはスチール製の事務机が置かれていて、壁際の机
    の上には旧式なブラウン管モニター型のコンピューターが鎮座している。舞子の
    手にはいつの間に取り出したのか? 一枚のカードが握られていた。彼女はコン
    ピューターでは無く、ブラウン管モニターの脇に偽装されていたスリットにカー
    ドを差し込む。すると、部屋の奥にあった両開き型のドアが、するすると音も無
    く自動で左右に開かれたではないか! 驚く佑二を横目に舞子は開かれた扉の向
    かって歩き始めた。
    「いらっしゃいませ、朱雀さま」
    それまでの殺風景さとはうって変わって豪奢な内装の施された空間の正面には、
    大理石で組まれたカウンターがあり、中には中年の品の良い男性が笑顔を見せて
    佇んでいた。
    「こんにちわ、マスター。またお世話になるわね」
    「オーダー通りに104号室を準備しております」
    規模こそ小さいが都内でも超一流のホテルのエントランスにも引けを取らぬ豪華
    絢爛な内装に圧倒されて、佑二はあんぐりと口を開けたまま周囲を何度も見回し
    た。なんの変哲も無い雑居ビルの上層階に、まさかこんなものが隠されていると
    は思わない少年の驚きを、マスターと呼ばれた中年男性は面白そうに眺めている。
    「今夜はまた、ずいぶんと御若いお伴の方ですね」
    「ええ、でも私の知るかぎりでは最高のサディストなの」
    ざっくばらんにとんでもない会話を交わす二人のことを佑二は呆れて交互に見つ
    めた。
    「それで104号室を御所望なのですね」
    マスターは納得顔で頷いた。
    「ええ、そう言う事。さあ、行きましょう、佑二」
    部屋がどこか分かっている彼女は先に立ち、左手の奥に通じる廊下を目指して歩
    き始めた。状況がイマイチ呑み込めぬ少年は、とりあえずマスターと呼ばれた男
    に軽く会釈してから、舞子の後を追い掛ける。
    「舞子さん、ここって? 何ですか? 」
    「そうねぇ、ちょっとだけ高級な会員制のラブホテルと考えれば、まあ、間違い
     はないわね」
    御上品とは言えないネオンを煌々とさせ、幹線道路沿いに乱立していると言うイ
    メージが強いラブホテルと、この場所とのギャップに苦しみながら、彼は美女の
    後ろに続いて歩いて行く。
     
    「ここよ」
    最初にこのフロアに入った時と同様に部屋の扉の前に立った舞子は、右側の壁に
    あるインターホンの下のスリットにカードを差し込んだ。カチャっと言う音で施
    錠が解かれた事を知った美女は、金鍍金も眩いドアノブを掴み飾りドアを押し開
    く。
    (うわぁ! こりゃ、また… )
    美女に続いて部屋の中に足を踏み入れた佑二は、さっきとは別の意味で唖然とな
    り思わず辺を見回した。部屋の左奥には猛獣が暴れても平気なように思えるがっ
    しりとした檻が設えられているし、檻の脇の壁には黄金鍍金の十字架が埋め込ま
    れていた。
    その十字架が単なる悪趣味な装飾で無い証明は、両手と両足、そして首と腰の部
    分に哀れな獲物を拘束するための皮製のベルトが用意されているのだ。しかも、
    他の調度がピカピカに磨き上げられているのに、十字架から垂れ下がった皮ベル
    トだけは、汗か他の体液か判別の難しい滲みが浮き出ていた。そこから右に首を
    振れば、硝子張りで中が丸見えのトイレと風呂が目に飛び込んでくる。
    風呂の洗い場やトイレの便器近くには幾つもの鉄の鎖が天井から垂れ下がり、風
    呂のシャワーの脇にも黄金鍍金の十字架が設置されているのだ。また、部屋の中
    央に置かれた巨大なベッドも尋常では無く、風呂と同じように天井から鎖が幾つ
    も垂れていて、先端は皮のベルトが装着されている。
    また、ベッドの四隅にからも銀色に輝く鎖が伸びていて、もしも獲物を大の字に
    拘束したいと思えば、簡単に希望をかなえられる仕組みとなっていた。しかし、
    もっとも佑二の目を引き付けたのは部屋の左側に鎮座している、一見すると産婦
    人科で使われる診療台を模した拘束具だった。
    大きく股を開いた姿勢で両方の脚を固定できる器具が診療台ともっとも異なる点
    は、そこに寝そべった女性の両手両足、そして腰まで縛り付ける事が可能な皮ベ
    ルトの存在だ。いったん股を開き拘束された女性は身動きひとつ取れぬまま、獣
    に貪り喰われて凌辱の限りを尽くされる事に成るであろう。
    「どう? 気に入って、佑二? 」
    「吃驚しましたよ、本当にね」
    もう一度辺を見回してから少年は呆れたように溜息を漏らした。
    「うふふ、ここは会員制のラブホテルなの。ほら、その手の趣味を持つ紳士淑女
     達は、欲望を発散させるのが、とっても難しいじゃない。美香の実家の土蔵の
     地下みたいな設備を個人で整えるのは難しいし、万が一にも自宅や別荘にそん
     な設備をもっていることが世間に知れたら困る立場の人は意外に多いのよ」
    眩い照明を照り返して金色に鈍く光る十字架を撫でながら、舞子は目を輝かせる。
    「そんな紳士や淑女たちをターゲットにしたのが、この会員制の高級ラブホテル
     って言うわけ。噂では何人かのSM好きの好色な大金持ちが手を組んで運営し
     ているらしいけれど、そんなのどうでも良い事だわ。私達にはありがたい設備
     でしょ」
    「それで朱雀なんて徒名で呼ばれているのですか? 」
    受け付けで小耳に挟んだ会話の謎が解けたから、佑二は満足げに頷く。
    「ええ、ここを利用するお客は、それなりに社会的な地位の高い人が多いので、
     全員が本名では無くて、ニックネームで呼び合うのよ。身分に関してはカード
     が証明してくれるから問題は無いみたい」
    黄金鍍金の十字架を摩りながら、舞子は欲情を隠そうともしていない。
    「でも、恵里子さんに関する問題を話し合うには、些か剣呑な場所じゃありませ
     んか?」
    わざと恍ける佑二を見つめる美女の目が和み、真っ赤なルージュが艶かしい唇の
    端がキュっと持ち上がる。
    「だって、恵里子の件なんて、佑二の頭の中でとっくに作戦は出来ているのでし
     ょ? 別に私を話し合う事なんて何にもないじゃない。それよりも、アナタと
     美香の安泰の為に、多少なりとも骨を折るのだから、前もって少しばかりの御
     褒美を貰うのは当然だわ」
    これから、この特殊な部屋で繰り広げられるハズの行為への期待から、瞳を爛々
    と輝かせた美女はイヤリングに続いてネックレスを外すと、次いで薄い黄色のブ
    ラウスのボタンも手早く外して行く。
    (やれやれ、勘の鋭い美香にバレないようにしないと、何を言われるかわからな
     いからなぁ… )
    ミニスカートを降ろしたあとでパンストを丸めながら脱ぐ美女を目の前にして、
    佑二も覚悟を決めた。
     
    「実はこの前ここに、IT企業の御曹子を連れ込んだのよ。でも駄目だった、アイ
     ツったら顔を引き攣らせてドン引きなのよ。それでも軽いSMプレイの真似事を
     ヤルにはヤッタけれど、結局最後は正常位でふつうのセックスだもの。苛々した
     わ~」
    金持ちの御曹子は舞子に首っ丈で、彼女の歓心を得る為ならば金に糸目を付ける事
    は無い素直で正直なボンボンに対して舞子も憎からず思う気持ちはあるのだが、如
    何せん、セックスに対する貪欲さにかける御曹子の相手は、彼女を大いに苛立たせ
    ている。その欲情の狭間を埋めるのが、愛人だと強弁する佑二とのプレイだった。
    「美香ちゃん抜きなんて、久しぶりね。御褒美の前渡しなんだから、たっぷりと楽
     しませてもらうわよ」
    瞬く間に全裸と成った美女は佑二の前に跪き、Gパンのベルトを外しにかかる。も
    どかしげに彼のズボンとトランクスを引き摺り降ろした舞子は、まだ勢いの無い男
    根を捕まえると厳しい視線を若い愛人に向けた。
    「なによ、人のヌードを見ているのに、この有り様は無いでしょ? まったく、失
     礼な奴よね」
    しかし、怒りの言葉がポーズに過ぎないことは、真っ赤なルージュが艶っぽい美女
    の唇が勃起途上の男根を含んだことで証明されている。舌を絡めて刺激を与えれば
    見る見るうちに口の中で硬度を増して行く雄物の感触は、早くも舞子を陶然とさせ
    ていた。久々にマゾの血を滾らせる美女は、わざと咳き込むくらいまで雄大な一物
    を深く含み、頬を窄めて吸い上げた。
    (ああ、これ、これよ… この固さ、このカリの高さ、この大きさ、まったく美香
     に一人占めなんてさせないんだから)
    一旦亀頭近くまで唾液塗れの男根を吐き出した美女は、唇を巧みに使い張り出した
    傘のカリの部分をやわやわと刺激する。佑二の年齢の少年であれば、おそらくこの
    程度のフェラチオでも、あっと言うまに噴き上げてしまうだろう。
    しかし、昂る舞子と同じ様にマゾの血を滾らせ持て余す美少女との濃密な肉交に慣
    れた佑二は身震いするような快美を、表向きは平然と受け流して年上の美女に好き
    な様に振舞わせている。そんな佑二の素っ気無い態度を頼もしく思いながら、舞子
    は増々口での奉仕にのめり込んだ。
    「もうフェラは十分ですから、立って下さい舞子さん」
    久々に愛人の噴き出す精液の嚥下を望んでいた美女は最初はイヤイヤと首を横に振
    るが、再度佑二に促されると、それ以上抗う事は無かった。
    「さあ、その台の上に乗って下さい」
    婦人科の診療台擬を指差す年下の愛人の命令に、こんどは舞子も素直に従う。彼の
    手をかりて窪んだ座席に尻を落ち着けると、次いで佑二は両方の脚をベルトで所定
    の場所に拘束した。これで仰向けのまま股を閉じるに閉じられなくなった美女はさ
    すがに羞恥で頬を赤く染めているが、そんな美しい愛人の恥じらいを楽しみながら
    、佑二は両手に続いて細い腰までもベルトを使って固定した。
    「さすがに、これは恥ずかしいわ」
    「まだまだ、だって、ほら、この下にあるハンドルを回すと… 」
    台座の下に取り付けられたハンドルを勢い良く佑二が回すと、彼女の両方の脚を固
    定していた金属の部品がギシギシと音を立てて左右に別れて行くではないか。黒く
    塗られた金属製の器具に固定された両脚は、彼女の意志をまったく無視して左右に
    大きく引きはだけられてしまう。
    「いやぁぁ… だめよ、見ないで、ああ、恥ずかしい… 」
    嫌がって顔を左右に振りながら悲鳴を上げる美しい獲物を前にすると、さすがの佑
    二も胸の高まりを抑え切れない。
    (よし、よい機会だ、試してみるか)
    彼はいったん淫らな器具に固定した全裸の美女から離れると、さまざまな責め具が
    納められた飾り棚に歩み寄る。硝子装飾も美しい飾り棚の扉を開けて彼が目を付け
    たのは乗馬用に皮製のしなやかな鞭だった。ヒュンと鋭い風切り音を耳にした舞子
    は、拘束された不自由な体勢で無理して身を起こす。
    「まさか、そんなモノを使うつもりなの? 嫌よ、やめて痛いのは嫌! 」
    怯える瞳を向ける美女の目の前で、佑二は2度3度とスナップを使い、鞭の感触を
    確かめた。
    (美香の実家の土蔵の地下においてあった鞭とサイズは一緒だけれど、こっちの方
     が少し軽いかな? その点さえ気をつければ扱に問題は無いだろう)
    いつの日にか恋人の美少女にも用いる事を想定して、密かに鞭使いの修練を重ねて
    きた佑二の手捌きは優美にして残酷だから、拘束された哀れな獲物は、鞭が鋭く振
    るわれる度に耳を突く風切り音に怯えを募らせた。
    「やめて、佑二、おねがい、鞭はいや、鞭は… きゃぁぁぁぁぁ… 」
    彼女の足元に戻ってきた残酷なサディストは、美女の哀願など無視して、なんとい
    きなり大きく開かれた股めがけて、皮製の乗馬鞭を振るったのだ。その先端は彼女
    のクリトリスを正確に捉えていた。敏感な陰核にたいする無情な一撃は、舞子を瞬
    時に脳乱に陥れた。
     
    (うん、うまく行った)
    日頃の練習の成果があり彼の操る鞭の先端は、目標に定めた肉芽に触れるか触れな
    いか微妙な動きを見せたのだが、ほんの少し触れたのであろう、舞子は拘束された
    裸身を大きく揺らして悲鳴を張り上げた。しかし、軽微な打撃が与えるのが苦痛の
    みでは無い事は、暴虐に曝されたクリトリスの下で咲き誇る肉の花弁から、愛液が
    溢れて滴り落ちたことで証明されている。
    「どうですか? 鞭の味は? 」
    衝撃が大きかったのか? 舞子は虚ろな瞳を彼に向けると、首を力無く横に振るば
    かりだ。ショックから立ち直れない美女の股間に佑二は指を這わせて、ヌルヌルに
    なった肉の裂け目を優しく愛撫する。
    「あっ… あぁぁぁ… 」
    生まれて初めてのむち打ち体験から正常な思考がぶっ飛んだ美女は、一転してほど
    こされた優しい愛撫に反応して蕩けそうな声を上げた。このまま指での愛撫が続く
    ものと期待する美女の油断を見透かしたように、佑二は手を引っ込めると、再びス
    ナップを利かせて鞭を振るう。
    「ひぃぃぃぃぃぃぃぃ… 」
    やはり触れるか触れないか程度の軽い打撃なのだが、それでも愛撫によって勃起し
    た肉芽に正確に打ち込まれた鞭での衝撃は、婦人科の診察台を模した恥ずかしい器
    具に拘束中の舞子を号泣させる。こうして2度3度と指嬲りの合間にクリトリスを
    狙っての鞭打ちを繰り返すと、舞子の肉芽はさすがに赤く腫れ上がり、恥毛の下で
    パックリと口を開いた肉の裂け目からは、呆れる程に大量の淫汁が溢れ出して滴り
    落ちて床をぐっしょりと濡らす始末だ。
    「なんでも、します。言う事を聞きますから、もう、鞭は… 鞭だけは許してぇぇ
     ぇ… 」
    「鞭は嫌いですか? 舞子さん?」
    涙と涎で化粧の剥げかかった美女の顔を覗き込みながら、佑二は彼女の目の前で鞭
    の先端を上下させた。
    「鞭はだめ、頭がヘンになるの。これ以上、鞭打ちを続けられたら、わたし、本当
     に気が狂うかもしれない」
    「へえ… それじゃ、たとえばこんな風にされたら? 」
    それまでは、わざと力を込めずに刺激を与える事だけに主眼を置いて鞭を振るって
    いた少年は、始めて、ほんの少しだけ強い打撃を赤く染まった肉芽に繰り出した。
    「ひぃ… 」
    なんども繰り返された暴虐の末の強打だったから、その衝撃は凄まじく、舞子は拘
    束された診察台擬の上で裸身を大きく痙攣させた末に、そのまま悶絶してしまった。
     
     
    大人二人ならば十分な広さの風呂の浴槽の縁に腰掛けた佑二の股間には、むち打ち
    を喰らって魂まで痺れさせられた美女が顔を埋めている。ようやく拘束から解き放
    たれた舞子は快感の余韻に酔い痴れながら、愛おしいサディストの雄物に対する口
    での奉仕に勤しんでいた。
    「どうだった? 鞭を使われた感想は? 」
    微笑みを浮かべて問い質す年下のサディストの質問に、彼女は素直に返事をする。
    「駄目です、あれは、危険すぎます。もしも、あのまま鞭打ちを続けられたら、舞
     子は本当に気が狂ってしまったかもしれません。あんな恥ずかしいところを打ち
     据えられたら、なにも考えられないのです」
    経験の無い深い脳乱に見舞われた美女は、拘束された上で成された鞭打ちに本能的
    な怯えを感じていた。あまりに峻烈な刺激の連続は、それが苦痛なのか快美なのか
    の判断もあやふやに成り意識は散り散りに弾け飛ぶ。これまでに体験した事の無い
    感覚に溺れた美女は、改めて女の性の強欲さに驚き、見知らぬ世界へ通じる扉をこ
    じ開けてくれた佑二に感謝の念を抱きながら再び口での愛撫に取りかかった。
     
     
     
     
    「お姉様、実はお姉様だけにお知らせしたい、とびっきりの大・大・大ニュースが
     あるんです」
    待ち合わせの喫茶店に喜色満面の笑みを浮かべながら飛び込んで来た少女は、ウエ
    イトレスが注文を承り席を離れるのを今や遅しと待ちかねた風情で、身体を前に倒
    して小声で語りかけて来た。このところはIT企業の社長の御曹子とのデートや、
    その御曹子とのもの足りぬセックスの埋め合わせた為に、土蔵の地下で美香と佑二
    が繰り広げる肉遊戯に乱入したりと忙しかったことから、会いたいとの連絡を受け
    ても放置しがちだった少女は、久々の舞子からの呼び出しに有頂天だ。そして案の
    定、胸の中に秘密を仕舞い切れずにいるらしい。
    「まあ、落ち着きなさいよ、恵里子ちゃん。お水でも飲んで、一息吐きなさい」
    「でも、このお話を聞いたら、きっと舞子お姉様だって驚きますわよ」
    目の前の少女にとっては仰天の新事実かも知れないが、前もって佑二から事の成り
    行きを聞かされていた舞子は、息せき切って目撃談を語るレズの相手の興奮が可笑
    しくて、笑いを堪えるのに苦労していた。
    「あの2人、怪しいですわ。絶対になにかあると思います。だって、日曜日の昼間
     に誰も住んでいないお屋敷に、二人だけで居たなんて絶対に変ですわ」
    「相手の男はどんな奴だった? 」
    「それが、なんだか印象にも残らない平凡な… そうそう、デブでしたわよ。まあ
     、美香にはお似合いの冴えない男だったような気がします」
    佑二の事を腐された時に舞子の眼差しに瞬間的に怒りが走るが、憎き従姉妹の秘密
    を握ったことで有頂天の恵里子は気付く事なく話し続ける。
    「お屋敷を出たあとの二人は、わざわざ別の方角に歩いて行ってしまいましたが、
     あれも良く考えれば偽装工作ですわ。ええ、絶対にあの二人、お屋敷の中で、う
     ふふふ… お姉様は、どう思われます? 」
    「もちろん、あなたの考えている通りでしょうね。なにしろ、あのお屋敷の土蔵の
     地下にはねぇ… ほら、あんな設備が… 」
    自分の意見を肯定して貰った歓びも束の間、お屋敷の中の土蔵の件をもちだされた
    恵里子は怪訝そうな顔で年上の美女を見つめた。
    「あの、土蔵って、なんの事ですの舞子お姉様」
    「あら、恵里子は知らないの? まあ、子供に話すような事では無いわよね。でも
     美香ちゃんは知っていたに」
    同じ年の従姉妹をライバル視して、なにかと食って掛かっては強烈なしっぺ返しを
    喰らい続けて来た恵里子だから、彼女の知らないお屋敷の秘密を年上の舞子と美香
    が共有している事実は許しがたいのであろう、それまでの上機嫌は吹き飛び、怒り
    に震えて青ざめて行く。
    「教えて下さいお姉様、あのお屋敷の土蔵の地下には、いったい何があるのですか? 」
    「知りたい? 恵里子ちゃん? でも、あなたには、まだ早いんじゃないかしら? 」
    心から愛おしく思う年上の美女から、よりによって不倶戴天の敵と見定めた美香よ
    りも軽んじられたと感じた少女は身を乗り出して、つかみ掛からん風情で舞子に詰
    め寄る。
    「舞子お姉様、美香が知っていてワタクシには教えられない秘密って、なんの事な
     の? 二人で私を馬鹿にするなんて! ひどい! 」
    気品溢れる年上の美女の前で、日頃は使い慣れぬお嬢様言葉を苦労して操っていた
    恵里子だが、興奮の余り、ついつい台詞も乱雑化した。
    「別に恵里子を仲間はずれにしたわけじゃ無いわよ。知っている人は知っている、
     知らない人は知らない、ただ、それだけの事なのに… 美香は知っていて、恵里
     子は知らないだけの事だわ」
    敬愛してやまない年上の美女から子供扱いされたと思い込んだ恵里子の眦は吊り上
    がり、ピンクのルージュで彩られた唇は屈辱の深さを現すように細かく震えている。
    「いったい、あのお屋敷の土蔵に、何があるのですか? 教えて下さい、舞子お姉
     様! 」
    「それが、こんな場所でお話するような事じゃ無くてよ、恵里子。もしもその気が
     あるならば、これからお屋敷に行って、自分の目で確かめるといいわ。もちろん
     私も一緒に行ってあげる。ねえ、どうする? 」
    これまでの煽りの効果には確信があるが、それでも作戦の第一関門を迎えたことで
    舞子は緊張を隠す為に微笑んだ。
    「ええ、お姉様、ぜひお屋敷へ連れて行って下さい」
    (さすが、佑二ね。会った事も無い小娘の心理なんて、あっさり読み切っちゃうん
     だもの)
    黒幕の目論みがまんまとはまった事を心の中でほくそ笑みながら、舞子は素知らぬ
    ふりを貫きあさはかな従姉妹を地獄の一丁目へと誘った。
     
    「こちら側から、お屋敷に入るのは初めてですわ」
    目立たぬように設えられた裏門から無人の屋敷に入った恵里子は、もの珍しげに辺
    を見回しながら、なんの不信感も抱く事なく年上の美しい従姉妹のあとに従って行
    く。もしも、偶然にまた美香と正体不明の男と出会したらとも考えたが、舞子が一
    緒にいれば安心だし、それこそ敬愛する年上の美女と二人で美香達の破廉恥な現場
    を押さえて、これまでの屈辱を晴らすチャンスだと心の中で舌舐めずりする始末だ
    った。舞子の案内に従い手入れの行き届いた日本庭園を回り込み、彼女は噂の土蔵
    の前まで辿り着いた。
    「さあ、到着よ」
    セカンドバックの中から時代を感じさせる大きな鉄製の鍵を取り出した舞子は、手
    慣れた様子で重厚な扉の施錠を解く。すこし深く考える習慣があれば、まず舞子が
    何故、こんなにも本家のお屋敷の事情に詳しいのか? そして秘密の隠された土蔵
    の鍵まで持っているのか? おかしいと思う点は数多いだろう。
    しかし、年上の美しい従姉妹に心酔する恵里子は、まさか彼女が自分を陥れる事は
    無いと迂闊にも信じきっていた。だから、舞子が壁際のタンスに隠されたからくり
    のスイッチを操作して、土蔵の奥に設けられた地下階段の秘密の入り口を開いて見
    せた時にも、なんの疑念を抱くことも無く、ただ驚いて目を見開くばかりだった。
    「こっちよ、降りていらっしゃい」
    最初に佑二が招かれた時には、裸電球が垂れ下がって侘びしさすら感じた地下への
    通路だが、マメなサディストが少し手を入れたおかげで、今では蛍光灯の明かりも
    眩しく、細く急な階段を踏み外す心配は無くなっている。
    「お姉様、ここは、いったい何なのですか? 」
    「百分は一見にしかず、とにかく降りて来なさいよ」
    さっさと狭い階段を降りて行く舞子の後ろを、少女は心配そうな表情で付いて行く
    。この期に及んでもまだ恵里子の年上の従姉妹に対する信頼は絶大なのだが、想像
    を大きく上回る土蔵の地下の異様な雰囲気が彼女の不安を膨らませていた。
    「ほら、こっちの扉を開けてごらんなさい、中には面白いものが一杯なんだから」
    促されるままに合板製のどす黒い引き戸を開けると、中の光景を一瞥した少女は入
    り口で立ち竦む。
    「お姉様、これって… 」
    「面白いでしょ、本家のお屋敷の土蔵の地下に、本格的なSMプレイを楽しむ秘密
     の場所があるなんて、誰も想像しないもの」
    天井から釣り下がる銀鍍金製の拘束用の鎖や、皮のベルトがいたるところに巻き付
    けられたスチール製のベッド、多くの男性器を象った淫具が所狭しと並べられた棚
    等、ここがいったい何の為に秘密にされているのか、一目瞭然の地下室に足を踏み
    入れた恵里子は、目を爛々と輝かせて尊敬する年上の美女を振り返った。
    「間違いありませんわ! 美香の奴、こんな場所に男を引っぱり込んで… ああ、
     いやらしい」
    天敵とまで思い定めていた生意気な同年の美しい従姉妹の決定的な弱味を握ったと
    信じた恵里子は太々しい勝利者の微笑みを浮かべながら、秘密の地下室の中を物色
    する。棚に並べられた数種類のバイブをしげしげと眺めたり、天井から垂れている
    銀色の鎖をジャラジャラと音を立てて弄ぶ姿は自信に溢れていて、憎っき従姉妹を
    、どんな風に懲らしめようか思案していた。
    (うふふふふ… これであの子もお終いね。散々にいたぶって奴隷扱いしたあとで
     、あの厳しそうなお母さまに、この場所へ男を引き込んでいた事実をバラしてあ
     げるわ)
    心の中で勝利の凱歌に浸る少女の背後に、舞子は静かに歩み寄る。
    「ねえ、ここを美香ちゃん達だけに占有されるのは面白くないわよね」
    背後から抱きすくめられて耳もとで甘く囁かれた恵里子は、ゾクっと細みの身体を
    震わせる。
    「あん、お姉様ったら… 」
    (そうよね、こんな楽しい場所を美香たちだけに独占させるなんて許せない。確か
     にあの子は本家のお嬢様だけれども、だからと言って、何もかもがあの高慢ちき
     な馬鹿女のモノってわけじゃ無いわ)
    これまで何をやっても勝てなかった美しい従姉妹への嫉妬心を滾らせて来た恵里子
    は、逆転勝利を確信した奢りから年上の美女の誘いの台詞に素直に頷く。
    「それじゃ、服を脱ぎましょう。たっぷりと可愛がってあげるわね、エリちゃん」
    「はい、お姉様」
    秘密の地下室の淫蕩な雰囲気に当てられた少女は、舞子に促されると素直に身に付
    けたものを脱ぎ始めた。率先して舞子が全裸を曝したことから、僅かに逡巡を見せ
    たものの恵里子もショーツとブラを脱ぎ捨てる。
    「ほら、エリちゃん、こっちにいらっしゃい」
    佑二の命名した「責め馬」と呼ばれる長椅子は、マメなサディストの手で日々機能
    に改造が加えられており、長椅子の脇に複雑に組わされた鉄パイプが無気味な雰囲
    気を醸し出していた。もしも見るべき人が見れば、それが産婦人科の診療台的な機
    能を加味されている事を看破したであろう。そう… 舞子に連れられて足を踏み入
    れた会員制の高級ラブホテルで目にした、あの器具の機能を佑二はホームグラウン
    ドである土蔵の地下室に、そっくり真似て造り上げていた。
    「さあ、この長椅子に仰向けに寝るの。それから両方の脚を両脇の台の上に乗せな
     さい」
    命令に従い長椅子の上に寝そべった恵里子だが、左右の脇に設置された台に足を乗
    せると大きく股を開き恥部を舞子に曝け出す事になるから、そこから先はモジモジ
    して動けない。
    「ああ、お姉様、そんな事、恥ずかしくて出来ません」
    「うふふ、可愛い子ね。恥ずかしいならば手伝ってあげる」
    真っ赤になった顔をふさいでいた少女の両手を引き剥がして、長椅子の脚から延び
    た皮のバンドで固定した舞子は、次いで腰の部分もベルト椅子に縛り付けた。
    「さあ、これでエリちゃんは逃げられないわよ。覚悟しなさい」
    上半身をがっちりと固定された少女に引導を渡すべく、舞子は拘束された少女の下
    半身の方に回り込む。最後の抗いを見せる太股に油断を誘うキスの雨を振らせたあ
    とで、唾液の光る白く細い脚を左右に広げた状態で首尾良く固定させる事に成功し
    た。
    「お姉様、おねがい、見ないで、恥ずかしい… 」
    「エリちゃんて、本当に可愛い子ね」
    何もかもが、黒幕である年下の愛人の思惑通りに進んだ事を多少呆れながら、僅か
    に裏切ったレズ相手に哀れみを覚えた舞子は、淫らな器具によりしっかりと拘束さ
    れた恵里子の股間に顔を近付ける。これからやってくるであろう甘く切ない時間へ
    の期待からなのか? まだ五分咲きと言った風情の桃色の肉襞の綻びは、既にジュ
    クジュクと淫蜜を染み出して来ている。マネキュアの光る細い指先を差し伸べた舞
    子は、過去のレズプレイで何度も愛撫を繰り返して来た可愛い従姉妹の濡れた肉唇
    を器用に左右に選り分ける。
    「あっ… 」
    もの欲しげに蠢く肉壷に中指をそっと沈み込ませた舞子は、膣口の中を繊細なタッ
    チで掻き混ぜた。親指を使って未発達なクリトリスを嬲りつつ、中指で膣内の天井
    付近を擦ってやれば、もう恵里子の興奮は頂点付近まで舞い上がっていた。
    「お姉様ぁぁ、あっ… きもちいい… 」
    拘束された事で新鮮な快感を味わう少女の艶っぽい喘ぎ声は舞子に本来の加虐癖を
    思い出させる。過去の惨い体験から男性に対する偏見を持ち、靡く百合志望の女は
    片っ端からレズの道へと引き込んで幾つもの可憐な花弁を貪って来た妖女は、これ
    から恵里子が味わう地獄の快美を想像しながら哀れな獲物の股間に顔を埋めて行く。
    「きゃぁぁぁぁ… 」
    舌の先で敏感な肉芽を舐られた恵里子は、がっちりと拘束された不自由な裸身をビ
    クッっと震わせた。
    「お姉様、そこ、だめ、感じすぎちゃう… きゃぁぁ… 」
    溢れ出す淫汁が顔を濡らすのもかまわずに、舞子の舌先は執拗に年下の哀れな従姉
    妹の敏感な肉芽を追い回す。舌を窄めて先を尖らせ突き回したかと思えば、一転し
    てペロペロと舐り回す愛撫の前では、恵里子は甘い悲鳴を奏でる柔らかな肉楽器に
    過ぎない。何度か軽いアクメに到達した挙げ句に、艶っぽい悲鳴も途切れがちに成
    った頃を見計らい、舞子は獲物の股間からようやく美しい顔を持ち上げた。拘束さ
    れたままの恵里子から離れて壁際の棚に歩み寄った美女は、凄絶な笑みを浮かべな
    がら男性器を象った淫具を手にとる。
    「ほ~た、これが何かわかる? エリちゃん」
    彼女の巧みな舌使いに追い上げられて瞳を虚ろにした少女の頬を、舞子は手にした
    バイブで優しく小突く。
    「うふふ、あなたの処女をちょうだいね。このバイブであなたを大人にしてあげる」
    とんでもない舞子の宣言だが、すでに彼女の虜と化していた年下の従姉妹は抗うこ
    ともなく素直に頷いた。
    「お姉様、お姉様に恵里子の処女を捧げます、だから、優しくして下さい」
    敬愛してやまない年上の美女に健気にも処女を捧げる決意をした恵里子だったが、
    その期待は見事に、そして無惨に裏切られた。
     
    「でもね、エリちゃん。それが無理なのよ。御免ね」
    彼女の冷ややかな台詞に驚く年下の従姉妹を拘束台の上に置き去りにした舞子は、
    棚にバイブを戻すと、ゆっくりと廊下に通じる扉に歩み寄る。
    「おまたせ、佑二、それに美香ちゃん」
    彼女の台詞を待ちかねた様に、永遠のライバルと見定めていた美香が地下室に乗り
    込んで来たから恵里子は茫然自失に陥った。
     
    「ふっ、不様ね。それに、何が『お姉様に処女を捧げます~』よ、だいたい、まだ
     処女だったなんて、ほんとうに愚図な女ね、恵里子は」
    つい数分まえまでは完全な勝利を疑う事も無かったから、土俵際でみごとにうっち
    ゃりを喰らった恵里子のショックは大きかった。
    「いやぁぁ! 見ないで! お姉様、たすけて、なんで? なんで美香がここにい
     るのよ! 」
    かろうじてファーストインパクトを乗り越えた恵里子は、羞恥で頬を赤く染めなが
    ら力一杯に暴れ回るが、これある事も予想して佑二が組み上げた淫らな器具はガシ
    ャガシャと耳障りな音を立てて揺れるものの、全裸の少女から自由を奪い去ったま
    まだった。
    「でていけ! みんなでていけ~~! 出て行かないと、ぶっ殺すぞ! 」
    気が動転した恵里子は可憐な少女の仮面を脱ぎ捨てて、地下室に闖入して来た新手
    の二人を睨み付けた。同じ年齢の美しい少女たちが視線をぶつけ合い火花を散らす
    傍らで、舞子は棚から年期の入った乗馬用の鞭を手に取り、そっと佑二に手渡した。
    「睨み合いはそれぐらいで終わりにしてほしいな、そこを退いて場所を開けてくれ
     よ美香」
    それまでは完全に脇役に追いやられていた少年は、逆転勝利に酔いしれる恋人を押
    し退けて恵里子の前に歩み出た。視線で人を刺す事が出来るならば、間違いなく佑
    二の心臓を刺し貫いたであろう恵里子の逆上し吊り上がった目を見つめながら、少
    年は静かに話し掛けた。
    「君には何の怨みも含むところも無いが、美香と僕との関係を世間や親族に言いふ
     らされても困るんだ。だから、気の毒だけれども口封じさせてもらうよ」
    手にした乗馬用の鞭を撓らせて感触を確かめながら佑二が言い放つ。不意に目の前
    に現れた少年の台詞を聞いて恵里子の怒りが爆発した。
    「お姉様! これはいったい、どう言うことなの? なんで私を裏切って、美香な
     んかの肩を持つのよ? 」
    拘束された不自由な体勢の少女は、精一杯に首を捻って味方と信じていた年上の美
    女を睨み付けた。
    「ごめ~~~ん、正直に言えば美香ちゃんなんて、ど~でもいいんだけれども、こ
     の男の子、美香ちゃんの恋人の佑二くんは、アタシにとっては愛人なのよ。だか
     ら美香ちゃんの秘密がバレると、アタシの愛人の佑二まで迷惑するから、あなた
     を裏切っちゃった」
    それとなく自分こそ佑二の愛人だと念を押す舞子を、美香は冷ややかな目で睨んで
    いた。
    「だからと言って、こんなのひどい! お姉様、たすけて! あっ… 」
    再び暴れる気配を見せた拘束された少女の股間に向かって、佑二の手にした鞭が風
    を切った。
    「… 」
    既に舞子の手で舐り回されていた肉芽を正確に捉えた鞭の一撃により、恵里子は悲
    鳴すら張り上げる事も出来ずに拘束された裸身をビクっと跳ね上げた。脳天まで突
    き抜け打撃によるショックの凄まじさは、革のベルトが引き千切れそうに成るほど
    派手に震えた恵里子の有り様から想像が付いた。最初の一発で悶絶に到った従姉妹
    の崩壊ぶりにショックを受けたのか、勝利者であるハズの美香の顔からも血の気が
    引いていた。
    「うふふ、凄いでしょ? 佑二の鞭、あれって、たまらないのよ」
    万事心得た風情の舞子は美香の耳もとで意味ありげな台詞を囁いてから、ふたたび
    大股開きの姿勢で拘束された哀れな獲物の元に歩み寄り、佑二に向かってウインク
    した後で恵里子の股間に顔を埋めた。
     
    「あっ… やめて、はぁぁぁぁぁ… 」
    年上の美しい従姉妹の巧みな舌での愛撫により、鞭打ちのショックから立ち直った
    恵里子が、混乱しながらも艶っぽい声を漏らして啜り泣く。しばらくは舞子の好き
    にさせておいた佑二だが、哀れな獲物の嬌声が手放しになってくるのを見計らい、
    舞子を脇に押し退ける。
    ピシ!
    鋭い風切り音の後で肉を打つ音が地下室に鳴り響くと、拘束された少女は前回より
    も激しく裸身を痙攣させて意識を失った。すると、今度は舞子に任せる事なく佑二
    が自分で恵里子の股間に手を延ばし、泥濘と化した蜜壷を嬲り始めたのだ。お役御
    免と成った舞子は、自分の恋人が残酷なサディストとして磨きの掛かった光景を見
    せつけられて青ざめる美香の元に歩み寄る。
    「すごいでしょ? アナタの恋人。あの鞭は正確にクリトリスを叩いてくるの。あ
     の年齢であんな風に鞭を使える男の子なんて、そうザラにはいないわよ」
    「なんで、そんな事を知っているの? まさか舞姉、佑二の鞭の経験者? 」
    自分を差置いて佑二の鞭の洗礼を受けたかも知れない年上の美女を、美香は怒りを
    込めて睨み付けた。
    「さ~、どうかしら? なにしろ美香ちゃんは佑二の恋人だけれども、アタシは彼
     の愛人だもの。ひょっとすると、ひょっとしたかもね? 」
    二人が戯れ合う様な会話を交わす間にも、佑二は手に入れた可愛い獲物を責め続け
    る。わけの分からなくなった少女の混乱に付け込み、指での執拗な愛撫で喘がせた
    と思えば、その甘えを断ち切る様にクリトリスを鞭打つ責めは、男生徒の性行為の
    経験の無い恵里子から完全に理性や思考を奪い去っている。
    「ひぃぃぃぃ… 」
    度重なる鞭打ちを喰らう内に、その打撃が齎すものが苦痛なのか? それとも快美
    なのかも分からなくなった恵里子は、何度も裸身を震わせた後に意識を飛ばしてい
    た。
    「そうなのよ、ああ成っちゃうの。恵里子ったら可哀想。でも、羨ましくもあるわ
     ね」
    年下の従姉妹のひとりが悶絶する有り様を見て、舞子は寂しげな笑みを浮かべた。
    「アナタも恵里子も、とびっきりのサディストを相手に処女を捧げたんですもの。
     それって一生の思い出じゃない。ああ、妬ましい」
    奇妙な羨望を告白されて面喰らう美香を他所に、舞子は年下の愛人に声を掛けた。
    「ねえ、そろそろ往生させてあげてちょうだい。そのまま責め続けたら恵里子が処
     女のまんまで色情狂になっちゃうわ」
    「分かりました、もう少しとも思いますが、そろそろとどめを刺してあげましょう」
    歩み寄って来た年上の愛人に鞭を手渡すと、佑二は用心の為にコンドームを手に取
    る。
    「あら、親切ね。ほら、こっちにちょうだい。付けてあげるわ」
    鞭を足元に置いた舞子は跪くと、彼から避妊具の小袋を受け取ろうとした。
    「だめ! それ、アタシがやる! 」
    慌てて駆け寄って来た美香に押し退けられた年上の美女は、ひょいと肩を竦めて素
    直に場所を譲る。怒った顔でコンドームを包装から取り出した美少女は、口元のヘ
    の字にまげたまま、恋人の男根に避妊具を装着する。
    「いいこと! これって馬鹿恵里子に対する口封じなんだからね! 間違ってもア
     ンタは楽しんだら駄目! さっさと終わらせなさい」
    胸中には激しい嫉妬が渦巻き、怒りのやり場に困った美少女の理不尽な命令を佑二
    は笑って受け流す。準備が整った少年は、拘束された哀れな獲物に歩み寄ると前人
    未到の淫穴に避妊具で包まれた竿先を突き付けた。
     
    「ひぃぃぃ… 」
    挿入のショックで意識を取り戻したのか? 彼の下に組付された恵里子の口から処
    女喪失の真っ最中とは思えぬ艶っぽい悲鳴が溢れ出た。
    (なによ! 処女のくせに、あんな声出すなんて… )
    ギシギシと鈍い音を立てながら拘束台を揺らす佑二の腰使いが妬ましく、美香の視
    線は険しさを増していた。そんな従姉妹の有り様を見て、少し離れた場所で舞子は
    やれやれと首を振る。
    「だめぇぇ… いく、いくの… いっちゃうぅぅぅ… 」
    極めてハードな初体験ながら、既に舞子の手で性感帯の開発が十二分に行われてい
    た恵里子は、瞬く間に男根による蹂躙にも慣れ親しみ早くも快美を貪る姿を曝して
    いる。その甘えた悲鳴が癪に触るのであろう、美香は明らかにいら立ちを募らせて
    いた。美少女の不満が爆発する寸前に佑二の荒腰がおさまり、同時に恵里子が断末
    魔を思わせる嬌声を張り上げた。
    「いくぅぅぅぅ… 」
    こうして二番煎じ的な色合いは濃かったが、恵里子の口封じの為の凌辱作戦は成功
    の後に幕を閉じた。
     
     
    「さ~て、次はどっちにする? 美香ちゃん」
    凄絶な処女喪失のショックから意識を飛ばしてしまった恵里子を「責め台」から降
    ろした佑二は、悶絶した彼女を部屋の壁際にある長椅子へと運び、汗の浮いた裸身
    を毛布で覆い隠してあげた。彼の事後処理の模様を眺めていた舞子は、複雑な表情
    を浮かべる、もうひとりの従姉妹に向かって朗らかに問いかけた。
    「次って、なによ? 舞姉? 」
    「あら、恍けちゃって。今度はどっちが、あの恥ずかしい台に乗って、佑二と鞭打
     ちプレイを楽しむかって事じゃない」
    年上の美女の破廉恥な台詞に、美香は驚き目を見張る。
    「鞭打ちって! なに考えているのよ、舞姉は。今日は馬鹿恵里子を懲らしめるだ
     けで… 」
    「あらあら、お子ちゃまな美香ちゃんには刺激が強すぎるのかしら。そう、それな
     らば次は私が楽しませてもらうわね」
    鞭打ちと言う未知のプレイに対する怯えを見透かされたのが悔しいのか? 美香は
    怒りを込めた視線を年上の従姉妹に向けた。
    「別に嫌だって言っているワケじゃ無いわよ」
    「またまた、そんなに強がらなくてもいいのよ。恐いのよね、痛いのが… そんな
     に無理しないで、美香ちゃんは佑二とこれまで通りに生温いセックスを楽しめば
     いいのよ。鞭を使う様な刺激的なプレイは、愛人であるアタシが責任をもって引
     き受けてあげる」
    あらゆる機会を巧みに利用して愛人としての地位を確立させようと目論む舞子の台
    詞に反発して、美香は唇を尖らせる。
     
    「恐くなんて無いわ! なによ鞭打ちプレイなんて、全然平気なんだから」
    蔑む様な舞子の笑いに反発した美少女は、憮然としたまま服を脱ぎ始めた。ついさっ
    きまで恵里子が寝そべり随喜の涙で溺れていた「責め台」に全裸で取り付いた美香は
    、舞子に対する意地からか? 恥じらいをかなぐり捨てて大股開きを曝して見せる。
    「さあ、鞭打ちでも何でも、好きにするといいわ」
    開き直った美少女の暴走に苦笑いを浮かべる佑二を他所に、舞子は甲斐甲斐しく動い
    て意地っ張りな従姉妹を拘束して行く。両手、両足の自由を奪い去り、最後にはくび
    れた細腰にベルトを捲いて固定した舞子は、してやったりの笑みを浮かべて美香から
    離れた。ここに来て、ようやく不安が膨らんだ美少女が小さく一つ生唾を呑み込む中
    で、舞子は事の成り行きを眺めていた少年の元に歩み寄る。
    「ひとつ、貸しね」
    彼の耳もとで囁いた後に舞子は再び年下の従姉妹の元に舞い戻る。
    「そんなに緊張しないでよ。恐く無いんだから」
    「別の怖がっていないもの! 全然平気」
    身体の自由を奪われて覚悟を決めたのか? 美香は落ち着きを取り戻した様にも見え
    る。そんな意地っ張りな美少女の大きく開かれた股の付け根に、舞子は蹲り顔を寄せ
    て行く。
    「ちょ、ちょっと、舞姉! 」
    「最初から鞭打ちはハードだから、少しだけ夢を見させてあげるわ」
    恵里子を惑わせた事からも分かるように、元レズビアンだった舞子の舌使いは絶妙で
    あり、拘束されて逃げられぬ美香の秘裂はたちまち潤い愛液を滲ませる。
    「だめぇ、舞ネェ… あっ、いや、そこは… きゃぁぁぁ… 」
    おそらくは舞子よりも激しい肉の交わりを経験しているハズなのに、鮮やかなサーモ
    ンピンクを保っている美少女に肉の花弁に軽い嫉妬すら覚えながら舞子は舌を使って
    丹念に肉の襞を選り分けた。口では上手く説明できないけれども、明らかに恵里子と
    は異なる淫臭を漂わせる秘裂を舌先で舐れば、呆れるほどに多くの愛液が溢れ出す。
     
    (やっぱり、美香ちゃんの方がエリよりも、ずっと敏感だわ。これって踏んだ場数の
     違いなのかしら?)
    拘束された美少女を辱める為に、わざとピチャピチャと音を立てて舌を使えば、案の
    定、顔を真っ赤に染めた美香が抗議の台詞を口にする。
    「いやぁ、舞姉、そんな恥ずかしい音を立てないでよ! 」
    「あら、音を立てるのが恥ずかしいならば、このだらしなくダラダラと溢れるお汁を
     なんとかしてちょうだい。あんまり量が多いから溺れてしまいそうよ」
    ぐうの音も出ない反論を喰らい、美香は思わず絶句した。
    (流石は舞子さんだ、あの美香ですら手玉に取られているもんなぁ… )
    元は筋金入りのレズビアンだった年上の美女の巧みな愛撫に見とれながら、佑二は苦
    笑する。それまでは舌を使っただけの愛撫だったが、ほどよく美香が昂った頃合を見
    計らい、年上の美女は指も使って愛撫を重ねる。
    「きゃぁ… あっ、だめ、そこ… あふぅぅ… 」
    舌の先で肉芽を転がされながら、蜜壷に差し入れられた指で嬲られては美香もたまら
    ない。拘束されて不自由な裸身を震わせて、縛り付けられた腰を精一杯に持ち上げた
    美少女は、年上の従姉妹の手管に翻弄された。
    「あふぅ… 舞姉、だめぇ、もうイッちゃうよぉ… 」
    軽いアクメを目前にして、美香の喘ぎ声にも艶が隠る。しかし、簡単にイカせるわけ
    には行かないから、舞子は彼女の股間から離れると鞭を手に控えていた年下のサディ
    ストに目配せする。
     
    「さあ、準備はOKよ」
    万事弁えた美女の言葉に頷くと、彼女から場所を譲り受けた佑二は何の迷いも見せず
    に鞭を振るって見せた。
    「きぃぃぃぃぃぃぃぃ… 」
    ピシっと小気味良く肉の弾ける音の後に、美香の絶叫が部屋を揺らした。舞子の巧み
    な愛撫で蕩かされていた美少女は、それまでに体験した事の無い、敏感な肉芽に対す
    る打撃にショックを受けて、拘束された肢体をガタガタと震わせた。
    (そう、初めてクリトリスに鞭を浴びると、みんなああなっちゃうのよね)
    この直前に無惨に処女を散らした恵美子に次いで、ある程度はハードなプレイに慣れ
    た美香までもが、たったの一撃で悶絶に到った鞭の味を、一足早くに経験していた舞
    子は最初に鞭打ちされた時の事を思い出して身体の震えがとめられない。意識を飛ば
    してぐったりと成った美少女の股間から離れたサディストの少年は、あらためて恋人
    の傍らに寄り添うと身を屈めて唇を重ねた。
    「あふ… 佑二、なに? なにがあったの? 」
    愛しい男とのキスで、ようやく無我の境地から舞い戻った美少女は、拘束された己の
    身に何が起きたのか分からず、ただ潤んだ瞳で少年を見つめるばかりだった。ここに
    到るまでに佑二は鞭打ちの練習に余念が無かった。年上の愛人で試す前には、ある程
    度の自信を持つに到ったが、それでも美香に対しての鞭打ちプレイには特別の思いが
    あった。心から愛する美少女への暴虐が許されるのか? 果たして彼女は鞭打ちプレ
    イを受け入れてくれるのか? そんな心配を抱えながらの打撃だから、十二分に手加
    減は加えていても恋人の反応が気に成っていたのだ。そんな少年の弱きを吹き飛ばす
    様に、美香は衝撃的な刺激を受け入れて甘い吐息を漏らしてくれた。
    (あらあら、二人だけの世界に浸って、まったく悔しいなぁ… )
    完全に忘れ去られてしまった舞子が睨む中、佑二は巧みな愛撫とキスで拘束した恋人
    の気持ちを盛り上げて行く。そして美香の脳乱が深まると、再び無情な鞭捌きを見せ
    て、敏感な肉の芽を打ち据えるのだ。
    「ひっ… ひぃぃぃ… 」
    絶妙なタイミングで鞭を振るう佑二の手腕の冴えは、傍観者である舞子のマゾ心まで
    も強く揺さぶっている。隠れた練習の成果なのであろう、その打撃は強すぎた事は無
    い。それどころか、何度と無く打ち据えられて行く内に、被虐慣れした女体は、もっ
    と強い刺激すら求めて止まなく成ってしまう。
    (あらあら、美香ちゃんたら… でも、そろそろ切り上げないと、あの子、壊れちゃ
     うかも?)
    拘束中の美少女には特別の思いもあるのか? 自分や恵里子に対する時よりも執拗で
    狂気をはらんだ熱意を感じる鞭責めの迫力が、傍観者である舞子までひどく興奮させ
    ていた。
    (ああ、うらやましい、あの子、いっそあのまま、佑二に壊されてしまえばいいのに… )
    瞳に異様な光を宿した美女は、目の前で繰り広げられる優美で陰惨な鞭打ちプレイに
    心をかき乱されて行く。
     
    その乱れ様から、このままでは本当に美香の発狂すら心配に成った矢先に、佑二
    の鞭打つ手がとまった。見事に限界ギリギリまで鞭打プレイを続けた少年は、こ
    れまでに幾度と無く濃密な肉の交わりを重ねて来たから、恋人の安全日をしっか
    りとわきまえている。だから、直前に処女を散らした恵里子の時とは異なり避妊
    具を装着する気配を見せぬまま、鞭打ちの結果、蕩け切った蜜壷に己の雄根をず
    ぶずぶと沈めて行く。
     
    「ううん、ハッ… あぁぁぁぁぁぁぁ… 」
    淫核に対する打撃が生み出す落雷を思わせる甘い衝撃で心身共に惚けた美少女は
    、欲情の趣くままに愛おしい恋人を受け入れて、どんな男でも奮い立つ様な艶っ
    ぽい悲鳴を漏らした。彼の加虐的嗜好を見抜いて騙し地下室に連れ込み、身を投
    げ出す博打の末に得たマゾの快楽は母親から受け継いだのであろう美香の被虐癖
    を十分に満足させていた。しかし、彼女が選んだ男は、美香のあさはかな目論み
    をあっさりと凌駕して美少女を愉悦環状に巻き込み性の深淵まで引き摺り堕とす
    のだ。
     
    学園内では教員を含めて誰もが彼女の気品や聡明さに平伏して女王様として遇し
    ている。最初の頃は注目や尊敬を一身に集める身の自分が、周囲からは取るに足
    らぬと評価された佑二に肉体を自由にされる屈辱感が新鮮で、マゾの血を滾らせ
    た彼女はそれだけで満足を得ていた。しかし、アブノーマルな肉の交わりを重ね
    る毎に、そんな外見的な要因は美香の意識から消えて行き、サディストとして急
    速な進化を遂げる佑二の手に掛かり何度となく法悦境を彷徨い魂にまで快楽を刻
    み込まれた結果、今では彼こそが世界で絶対無二の支配者と思えて、かしずき身
    を捧げることに無情の悦びを得ている。
     
    もちろん己を取り戻す日常生活においては佑二の立ち位置は以前と変わらない。
    人前で馴れ馴れしくしたり気軽に声を掛ける様な事は彼の方で遠慮していた。プ
    ライドの高い女王様にとってはありがたい恋人の配慮なのだが、それ故に皆がフ
    リーな立場と信じる佑二が他の級友に素養を見破られ、新しいマゾ奴隷を得るよ
    うな事に成らないか? 第三者の舞子から見れば、余りにも馬鹿馬鹿しい取り越
    し苦労と思える悩みを抱えつつ、これまで美香は悶々としながら佑二にその身を
    任せていた。そんな美少女の小さな悩みも、土蔵の地下でプレイに及べば綺麗さ
    っぱり消し飛んでしまう。
     
    「ひっ… ひぃぃ、ユウジ… いい、いいの… あっ… あぁぁ」
    あっと言う間に快美の奔流に巻き込まれた美香は、その甘美な流れに逆らいギュ
    っと奥歯を噛み締める。堪える時間が長いほど、その先に待ち受ける愉悦が深ま
    る事を知っている美少女は忍耐の極限を超える事を目指して恋人の律動を受け止
    めた。だが蜜壷の中を蹂躙する力に満ちた雄根の破壊力は凄まじく、貪欲な少女
    の存念など嘲笑うように強烈な快感を齎すのだ。
    「だめ… ユウジ、ごめんなさい、あたし、もう、あひぃぃ… 」
    いつもならば、もう少し堪える事も出来るのだが、執拗にクリトリスをいたぶる
    鞭打プレイの後だけに美香の崩壊は呆気無い。革のベルトで拘束された細い腰を
    精一杯にもたげつつ、唯一自由に動かせる首を左右に激しく振りながら、美香は
    絶頂への階段を一気に駆け上がる。意外に早い恋人の陥落にタイミングを合わせ
    る様に佑二の腰使いも荒々しく成った。
    「ひっ… ひぃぃぃぃぃぃ… 」
    呼吸を合わせて仕上げに取りかかる恋人の力強い突き上げを喰らい、子宮を小突
    き回された美少女は、あられもない嬌声を土蔵の地下室に響かせた。拘束された
    身で何度か激しく痙攣を繰り返した美香は、その行為の淫媚さに打ちのめされた
    舞子の目の前で絶頂に駆け上がり、一際派手に裸身を引き攣らせた後に責め台の
    上に轟沈した。
     
     
     
     
    朝のホームルームの為に担任の教師がクラスに姿を見せた時に、教室の中に漣の
    様などよめきが走った。けして教師の登場が生徒達を驚かせたわけでは無い。い
    つも見慣れた先生の後ろに続いて教室に入って来た可憐な少女の存在が、クラス
    の男子生徒達をどよめかせたのだ。
    「え~と、今日は転校生を紹介する、西宮恵里子さんだ。名字から分かると思う
     が、恵里子さんは、ウチのクラスの西宮美香さんの従姉妹だそうだよ」
    クラスで一番の美少女の従姉妹の来場に教室の中は騒然となった。女子生徒は新
    たな手強いライバルの出現に顔を顰めているし、男子生徒の多くは崇め奉る美香
    と、どことなく雰囲気の似た恵里子の編入を心から喜んでいた。顔を綻ばせる男
    子生徒達がざわめく中で、ひとりだけ壁際後方の席に座った佑二だけが、俯き憂
    鬱な表情を隠していた。
     
    (マジかよ! )
    この先の困難が予想された少年の苦悩を他所に、恵里子は丁寧に頭を下げた後で
    、まずは美香に向かって微笑んだ。
     
    「よろしくね、美香ちゃん」
    「ええ、よろしくね、恵里子ちゃん」
     
    佑二同様に、従姉妹から編入と言う奇襲攻撃を喰らった美香だが、この程度の事
    でショックを受けて自分を見失うほど柔では無く、恵里子の挨拶に微笑みを持っ
    て応じて見せた。
     
    (ちっ! もう少し驚け! この牝狐め! )
    (ふん、何しに来たのさ? 馬鹿女)
     
    可憐に微笑み合いながら挨拶を交わす従姉妹同士の心の中の声が聞こえたような
    気がして、佑二は顔を上げる事が出来なかった。だが、彼の災難はこれでは終わ
    らない。
     
    「え~っと、恵里子さんの席だけれども… 」
    担任の教諭はぐるりと教室を見回して空席を捜した。
    「あの、先生、佑二くんの… いえ、岡本くんの隣じゃ駄目ですか? 」
    確かに佑二の隣席は現在は空席だった。だが、いきなり現れた可憐な少女が、さ
    も親しげに佑二の名を口にしたことで、教室中の男子がざわめき厳しい視線がオ
    タク少年の元に集まった。
     
    「あれ、恵里子さんは、岡本とも知り合いなのかね? 」
    「ええ、ちょっと… 」
    可憐な少女は少し照れた様に小首を傾げて後は察してくれとばかりに口籠るから
    、男子生徒達の目は険しさを増した。
    「それでは、岡本の隣にしなさい」
    「はい、ありがとうございます」
    まんまと佑二の隣席をゲットした恵里子は意気揚々と彼の元に歩み寄る。
    「よろしくね、佑二さん」
    名字では無く、親愛の情を込めて名前で呼び掛けられたオタク少年は言葉に詰ま
    り、何ごとか、ごにょごにょと口籠りながら頷いた。チラっと視線を上げると満
    足げに微笑む恵里子の先で、怒髪衝天の気配を押し隠しながら彼を睨む美香と目
    が合った。
     
    (まったく、美香の親戚って奴等は、どいつもこいつも… 一筋縄ではいかない
     なぁ… )
    先の読めない混乱を齎した恵里子の襲撃のショックで大いに慌てた少年は、小さ
    く首を左右に振りながらソッと溜息を吐いた。
     
    END

     

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