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    【他人棒に】婚約者・真帆【2】〜同窓会の夜【寝取られ】


     前編:婚約者・真帆【1】〜真帆の初体験

     
    【真帆の同窓会】
    勤務先の社長の一人娘・真帆(23)との結婚式を秋に控えた夏。新生活の準備などに時間を費やしている俺(27)たちがあった。
     
     
    お盆休みの最終日、真帆は同窓会に行くとのこと。
    俺も、友人と呑むためにバスで駅前に出たのだが、友人に急用ができてキャンセルに。
    本屋で帰りのバスまでの時間つぶしをしていると「ケンちゃん??」と聞き覚えのある声が。振り向くと、大学時代の彼女、理香だった。
    「理香!!、久しぶり!!」
    「時間あるの??」
    「俺は暇だけど」
    「ちょっと話そうか」
     

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    理香は、仕事でこの町に来て、今は空き時間。
    理香の宿泊先である「プリンセスホテル」のラウンジかレストランで喋ろうとするが、ホテルは会合の利用客でごった返して、落ち着いて話せる雰囲気ではない。
    結局、商店街の弁当屋で地元の名物弁当を買い、理香の部屋で食べることになった。
     
    結婚前の身でありながら、元カノの部屋に付いてきてしまったのは、真帆や義父(になる社長)と毎日顔をつきあわせている状態から逃避したかったかもしれない。
    同窓会に行っている真帆は、懐かしい旧友と過ごす時間で、俺が入り込む余地はないだろう。こちらも「二人きりの同窓会」なんてね。まあ、結婚前の大切な時期だから、Hするつもりはないけど。
      
    【理香との思い出】
    大学3年の夏、バイト先の結婚式場で1つ年下の理香と知り合った。
    アプローチしたのはケン。理香はケンの熱愛に応え、バージンも捧げてくれた。
    が、就職活動で忙しくしているとき、理香が他の男とホテル街を歩いているのを発見。
    喧嘩してそのまま別れてしまった。ケンは、理香の思い出から逃れたくて、都会での就職を避けた。
     
    【理香の部屋で】
    シングルが満室とかで、理香は5階にあるダブルの部屋に泊まっていた。窓際のソファセットに腰掛け、弁当を広げる。町で一番の弁当に、理香は喜んでくれた。
    理香は都会の大学を出た後、そのまま都会の会社に就職。ラインを視察するため、この町にある工場に来たという。俺と別れた後、交際相手の遍歴を重ね、今は特定の彼氏はいないとのこと。
    俺は……大学を出た後、彼女も作らず過ごし、会社社長の娘と婚約中であることを話す。
    弁当を食べ終わり、理香は酒を買いに行った。
    ふと、窓の外を見る。道1本隔てた隣は「スカイタワーホテル」そう言えば、真帆の同窓会場のホテルである。お盆休みのため、殆どの客室の明かりがついている。
    部屋の様子を眺めていると、俺の目線は、2つ下の階の客室で釘付けになった。
     

    【スカイタワーホテルの客室の光景】
    その部屋はカーテンが開け放され、二人用のソファに男女が並んで座っている。女性が着ている水色のワンピースに見覚えがある。まさか・・・・
    目を凝らしてみると、体型や髪型が真帆そっくりだった。俺は、カバンの中からカメラを出し、ズームレンズを最大望遠にして部屋を見ると……
     
    やはり真帆にしか見えない。
    男は写真で見覚えがある。真帆の初恋相手の渡会だった。確か、奴は結婚していると聞いたのに………。
    (手ぶれ防止のため)カメラを窓框に置き、オートでシャッターを切った。
    意外と冷静な俺がそこにいた。信じられない。
    渡会は、真帆の肩を抱き、唇を合わせ、真帆がすぐに離す。
     
    渡会が耳元で何かささやくと、真帆は立ち上がり、渡会の方を向いて立つ。そして、自らワンピースの裾を捲り上げ、ほっそりとした太ももと、その付け根を見せた。渡会の目の前には、ストッキングに包まれたショーツが見えているはずだ。
    真帆の陰になって見えないが、渡会に動きがあった。真帆が腰をくねらせているので、局部を触られているのだろう。
     
    本当に真帆なのか……
    俺は、携帯電話を取り出すと、真帆に掛けた。電話の向こうで呼び出し音が鳴る。
    階下にいるワンピースを捲り上げられて腰をくねらせている真帆は、バッグがあると思われる部屋の奥に視線を向け、カバンの所に行こうとするが、渡会に腕を掴まれて止められる。
    そして、渡会は立ち上がり、真帆の背中に手を回すと、ワンピースのファスナーを下ろし、ワンピースを床に落としてしまった。
    電話は「おつなぎできません」と切れてしまう。呆然とした俺は、携帯の電源を切ってしまった。

    真っ白なブラジャーとストッキング、真っ白なショーツだけになった真帆の股間を、渡会の指が責め、真帆はソファに崩れ落ちてしまった。
    渡会は、真帆の隣に座ると背中に手を回し、ブラを外す。
    Aカップのかわいいバストや小さな乳首が、婚約者の俺ではなく、他の男の前に晒されている。
     
    俺は、頭の中がパニックになってしまった。
    ホテルの客室は、プライバシーの固まりである。「婚約者が襲われています」とフロントに駆け込んで……、いや、あれはどう考えても襲われているのではない。フロントに行っても追い返されるだけだ。写真を撮るのが精一杯だ。
    ところで、どうしてカーテンが開けっ放しで渡会はこんな事を始めたのか・・・
    スカイタワーホテルは、3階から上が客室だが、道を挟んで相対する(こちらの)プリンセスホテルの4階から下は宴会場で、窓がない。渡会の部屋からは壁に描かれている電飾が見えているはず。
     
    【理香とのぞき見】
    と、部屋の扉が開いた。そうか、俺は昔の女の部屋にいたんだ……
    「ケン、お待たせ。私好みのワインがなかなか売ってなかったのよ」
    Tシャツとジーンズ姿の理香がボトルを3本も抱えて帰ってきた。部屋備え付けのグラスを出し、ワインを注いでくれる。むちむちボディの理香のTシャツは背中に貼り付き、ブラの食い込みが見える。ジーンズも尻に食い込んでいて、尻の割れ目やショーツのラインも見える。
    「何見ていたの??」
    「あの部屋、すごいよ。カップルが……」俺は冷静を装って理香に問題の部屋を示した。
    「本当だ、男の子、おっぱい舐めてる。かわいいおっぱいね。でも、ちっちゃくてもちゃんと感じるんだね。女の子、気持ちよさそうにしているわ」理香の一言一言が胸に突き刺さる。
    理香は、部屋の照明を落とすと、俺の後ろから絡みついて覗きに加わる。理香のバストの感触が背中から伝わってくる。
    いつの間にか、真帆のストッキングとショーツは脱がされるが、二人は立ったまま。
    渡会は胸を舐めながら股間を擦っているようだ。真帆の身もだえる姿。おとといエッチしたときの表情そのままだった。
     
    「あーっ、彼氏があそこ舐めてるよ。気持ちよさそう。いいなぁ」理香が心持ち興奮した声で言う。
    真帆がソファに座らされ、渡会が舐めていた。
    「そうだね」俺の口の中はカラカラになっていた。
    「はい、どうぞ」理香がワインを勧めてくれる。俺は一気に飲み干し、何杯もお代わりした。
    気がつくと、渡会もソファに座り、真帆に自分の肉棒をしゃぶらせようとしている。
    真帆はおしゃぶりが苦手で、俺自身も数えるほどしかしてもらっていない。
    果たせるかな、真帆は拒否した。少しほっとする。ほっとしている場合でもないのだが。
     
    「ケンちゃん、ずっと見ているね。もしかして知っている人??」理香がいたずらっぽく聞いてくる。
    まさか、自分の婚約者が寝取られているなんて言えないので、
    「い、いや、他人のSEX見るの初めてなんだ。最近、婚約者とはご無沙汰だし」と取り繕った。
     
    「ケン、私もご無沙汰なの」そう言うと、理香は俺の前側に回り込んで、じっと見つめた。他人のエッチを見ることで興奮しているのだろう。
    「…………………………」
    「キスして」
    これから婿養子になろうという立場の俺、普通だったら断るのだが、異常な状態の俺は、夢遊状態で理香を抱きしめ、唇を合わせた。抱きしめたむちむちの背中は脂がのっていて、真帆の抱き心地とは全然違う。
    昔、ワンルームマンションで、一晩中エッチしたり抱き合って過ごしたことを思い出した。
    俺たちの長い長いキスが終わり、例の部屋を覗くと、真帆はソファに手を突き、後ろから貫かれていた。
    俺だけのものだった小ぶりの尻を掴み、渡会は突き立てていた。
    真帆の表情は見えなかったが、髪を振り乱し、腰を振っていた。
     
    俺は、涙で視界がぼやけた。「真帆」とつぶやく。
    と、俺に絡みついていた理香が「あんた、まさか!!」と驚きの声を上げた。
    俺は涙を流しながら頷くしかなかった。もう隠しきれない。
    「ひどい……、あんた、あんな肉便器の所に婿に行くの??? やめなよ。証拠撮るね。弁護士頼んだら??」
    理香は、置きっぱなしになっているカメラのシャッターを押し、自分の胸に俺の顔を押しつけ、抱きしめてくれた。
     
    涙をぬぐって再び覗くと、足を大きく広げさせられた真帆がソファに横たわり、渡会が突き立てていた。
    結合部は渡会の背中に隠れているが、渡会の動きに合わせて真帆の体が揺れている。
    真帆は気持ちよさそうにしているのだろう。
     
    と、真帆が必死に首を横に振る。何か嫌がっているようだ。
    間もなく、渡会は肉棒を真帆から引き抜き、顔に掛けた。
    渡会は真帆にティッシュを渡し、真帆は顔を拭っている。
     
    ゴムを使った形跡はない。おとといのエッチのとき、「危険日」と言われてゴムを付けたことがよぎる。
    「真帆、真帆」俺は、昔の女の前にもかかわらず、情けなさで涙が出てきた。
    真帆と交際してからは身を慎んできた。真帆のこと、いっぱい愛したはずだった。
      
    【理香のひとりごと】
    理香は、俺の隣に座ると、再び抱きしめてくれた。大きなバストの感触が顔に感じられる。
    「理香、ごめんな。久々に会ったのに」
    「ねぇ、ケン。独り言言わせてもらっていい??」
    「ああ」
    「あの時、私、ケンに一杯愛されていた。でも、就活で愛してくれなくなって、淋しくて、バイト先の後輩に誘われてエッチしちゃったの。遊びで。もし、見つからなかったら遊んだことを一生封印して、節操を守って、ケンと一緒になりたかった。女って、それが出来る生き物なのよ」
    「理香……俺は……」
    「独り言だから黙って聞いて。ケンに捨てられたあと、私、自棄になってナンパされた男の人についていったこともあった。愛されるより愛さなきゃいけないのかと思って、3人の人を愛した。でも、逃げられた」
    「…………」
    「私、決めたの。やっぱり、私のこと愛してくれる人のお嫁さんになりたいって」
    「…………」
    「ケンでもいいんだよ。私のこと、いっぱい愛してくれたらね。」そう言うと、またワインを飲み干した。
    「あ、これ、私の連絡先」とメモもくれた。
     
    例の部屋は、明かりがついている。ソファには真帆の服が脱ぎ捨てられたままになっていた。ベッドで抱き合っているのか、シャワーを浴びているのか。
    俺は、またワインを何杯も飲んだ。
     
    【理香と】
    まったりと抱き合っていた俺たちだが夜も更けてきた。
    「俺、帰るよ」と立ち上がろうとしたが、足がふらついてベッドの上に倒れ込んでしまう。
    「ケン、ちょっと休んでいったら」
    そう言いながら、理香は俺のシャツのボタンとベルトを緩めてくれた。
    「えーっ、立ってるぅ」さっきからの真帆の姿態、理香のむちむちボディの感触に、俺の逸物は立っていた。
    理香は、俺のズボンだけ脱ぎ去った。
    更に、自分のTシャツとジーンズも脱ぎ、ピンクのショーツとお揃いのブラ姿になった。
    少し垂れている大きなバストに、少し出ているお腹。脂ののったむちむちの太ももは昔のままだ。
    窓際に行き、カーテンを閉めると、ベッドに乗って、俺のパンツをずり下げた。
    「懐かしいわ。このおち○ちんで私のバージン奪われたのよね」そう言いながら、逸物に唾をつけ、擦りだしたが、すぐにくわえてくれる。
     
    俺は、覚悟を決めた、というよりは、どうでもよくなった。
    理香の背中に手を回し、ブラのホックを外した。
    「いやんっ」理香はエッチモードに入った。
    おしゃぶりを中断させ、理香を横たえると、胸を揉みながら乳首を吸った。
    入社してから一回だけ行った風俗を除けば、久々に揉む大きなバストだった。
    「あっ、あっ、」理香が声を出した。昔より感じやすくなっていた。
     
    ショーツの中に手を入れると、そこは大洪水。クリを探して擦ると
    「ちょっとまって、あんっ、あんっ、ああああああああっ」とあっという間に逝ってしまった。
    「やっぱり、ケンの指が一番いいわ。入れて」
    「ゴムは??」
    「一応安全日だけど……、外に出してくれる??」
    正常位になり、理香の中に侵入した。「ああっ」
    真帆と違って、少し緩いが、まとわりつくような感触が気持ちいい。
     
    「ああんっ、また逝きそうよ」
    「俺も逝きそうだ」
    「ああんっ、逝くうううううっ」と理香はぐったりした。
    俺も逝きそうになったので、ぐったりした理香の中でこすり立て、余裕を持って逸物を抜き、手で擦りながらお腹に出した。
     
    「結局、ケンもしちゃったね」
    「それを言うなよ、婚約者が目の前であんな事したらどうなるかわかるよね」
    「うん。ケンは悪くないよ。ところでケン、あの肉便器とはどうするの??。」
    「………」また涙が出てきた
    「私の連絡先、持っていったよね。私『恋人募集中』だから、連絡するのなら早めにしてね」
    俺は、返事の代わりに唇を合わせて長い長いキスをした。感謝のキスだった。
    理香がいない状態であんなもの見せられたら、俺は自棄になって何をしていたか分からなかっただろう。
     
    「ケン、送っていくよ」手早く服を着た理香は、俺をタクシー乗り場まで送ってくれた。
     

    【自宅で】
    自宅のアパートにつき、まず、シャワーを浴びた。冷たいシャワーがほてった体に心地よい。ベッドに横たわるが寝付けない。窓の外、道向かいのファミリーレストランへは幸せそうな家族連れが出入りしている。
    真帆と結婚して、幸せな家族を作るはずだった。
    だけど、真帆に裏切られた。
    やっぱり、社長の婿というのが上手すぎた話だったんだ。
    会社を辞め、町を出よう。
    待てよ、もし、真帆が脅迫されてレイプされていたのだったら………
    ・・・・(そのケースだった場合のみ)悪とは戦い、真帆を守らなくてはならない。それだけが引っかかった。
     
    と、アパートの裏から排気音も高らかに車の音がして、すぐに去った。間もなく
    「ピンポーン」呼び鈴が鳴り、ドアを開けた。

     
    【真帆登場】
    「まほちゃんで〜す」酔っぱらって足元もおぼつかない状態の真帆だった。
    さっき、ホテルの窓越しに見えた水色のワンピースを着ていた。
    「ケンちゃ〜ん、お待たせ」(普段、ケンちゃんとは絶対に呼ばない)
    「何しに来たんだよ、こんな夜中に」
    「何しに来たとは何よ。ひどいなぁ。ケンちゃんの大好きなまほちゃんが会いに来たんだよ♪。ケンちゃん、電話した??、かけ直そうとしたけど、出なかったから様子見に来たのよ」
    「同窓会は楽しかったか??、遅かったね」
     
    「飲み過ぎて、ホテルの休憩室で休んで、女友達に送ってもらったの〜っ」
    よくもぬけぬけと!!
     
    【真帆、白状する】
    「ウソつくな、真帆!!、ふざけるのもいい加減にしろ」俺は声を荒げた。
    「ケンちゃ〜ん、怒っちゃだめよ。待ってたでしょ。今からハメさせてあ・げ・る」
    真帆のテンションは最高だった。相当酔っているに違いない。
     
    俺は真帆を殴りたくなったのをこらえ、震えながら言った。
     
    「真帆、見ていたんだ。お前、スカイタワーホテルの3階客室で何していたんだ。」
    「何のこと?」
    「お前の匂い嗅いでいいか??、男の匂いか石けんの匂いがしたら只じゃ済まないから。渡会と何をしていたんだ???、顔に白いものが付いているぞ(これはウソ)」
     
    真帆は、少しはっとしたが、
    「ごめんなさーい」とおどけたように謝った。
    「しちゃったの〜っ」
    「…………」俺は唖然とした。
    「渡会君に声かけられて、いっぱい呑まされて、同窓会が終わった後『休憩しながら、二人で同窓会の続きしよう』って誘われたの」
    唖然としたまま何も言い返せない。
    「部屋に入って、『真帆の太もも見せて。昔プールで見せてくれたよね』と言われて、懐かしくなっちゃって太もも見せたら、アソコをさっと撫でられちゃった。酔っていたから気持ちよくって。ぞくぞくしちゃった」
    「…………」
    「『だめよ、私、結婚するのよ』と言ったら『結婚前の記念にボクとの思い出を作ろうよ』って誘われて、おっぱい触られて、気持ちよくなって……。酔っていたんだもん」
    「それで、したのか。バックから」
    「うん、ごめんなさい。でも、気持ちよかったよ。あなた以外のおち○ぽ、初めてだったから」呂律が回らない口調で答える。
    「危険日に生で??」
    「うん、でも、『中で出したい』というのは断って、外に出してもらったよ」
    「それでもひどくないか??」
    「大丈夫よ、シャワーでよく洗ったから。洗いっこしてたら、渡会君、また立ってきたから手で抜いてあげたんだよ。私、ケンのおかげで手コキは上手いんだから。ねえ、シャワー浴びてきれいにしてきたから、今からHしようよ。やっぱりケンのおち◎ぽの方がずっといいわ。欲しいよぉ〜」真帆はベッドに腰掛けたまま喋っている。今にもワンピースを脱ぎ出しそうな感じ。
     
    レイプや無理矢理ではなかったようだ。が、俺の体の中で何かが弾けた。
     
    【ケンの怒り】

    「この大馬鹿女!!」

    そう言うと、平手で3発、握り拳で1発、真帆を殴った。倒れたところを腹に蹴りを入れた。
    口から血が出ている真帆はやっと気がついたみたいで
    「ごめんなさい、ごめんなさい、許して」
     
    「もういい、帰れ!!今、タクシー呼ぶから」俺は怒鳴った。で、タクシーを呼ぶ。
    「お願い、説明させて、謝るから。ほんの遊び心なの」
    「うるさい。いいから、靴を履け」
    真帆を引きずるようにアパートの階段を下ろし、配車場所のファミレス駐車場へ。
    真帆は、しゃがんで泣いていた。通行人がじろじろと見ている。
     
    「○○にある農協倉庫の向かいの大きな家までお願いします。回りに他の家はないので、すぐ分かります。すみませんがこの女がなんと言っても絶対に行き先は変更しないでください。行き先??、この女の自宅です。お金は先に渡します。おつりはチップと言うことで」と、真帆をタクシーに押し込んだ後、そんなに遠くない距離ではあるが、運転手に5000円札を渡し、見送った。
     
    深夜にもかかわらず、家族連れでにぎわうファミレスを尻目に、俺は思った。
    真帆を殴ってしまった。結婚話は破談になり、会社もクビになるだろう。
    今度は、どの町で暮らそうか。ポケットの中に手を入れると、理香からもらったメモがあった。
     

    【真帆の父親】
    自宅に帰って間もなく、真帆の父親、真一郎氏から電話があった。カンカンに怒っている。
    「ケン君、真帆が泣きながら帰ってきた。口から血を出していて、君に殴られたと言っている。説明したまえ」
    「お義父さん、本当に申し訳ありませんでした。殴った理由は真帆さんから聞いてください。今、私からは言いたくありません。社長さんには長い間大変お世話になりました。ご恩に報いることが出来なくて申し訳ありません。お嬢さんによろしくお伝え下さい」
    「ケン!!、どういうことだ!!」電話口で吠えている真一郎氏の話の途中で電話を切った。
     
    電話線を引っこ抜き、携帯の電源は切ったままなのを確認し、睡眠導入剤(※)を服用して床につく。
    あのフィルム、どうしようか。確か、現像装置を個室で使わせてくれるレンタルラボというのが東京にあるから、ネガをプリントしてきて、それを見せて慰謝料もらおうか。でも、撮影場所を追求されたら困るなぁ………(専門家が調べれば、誰が利用していた部屋から撮影したのかすぐに分かってしまう)
     
    撮影場所といえば、再び理香の事を思い出した。
    理香は、『愛してくれれば一緒になってもいい』と言ってくれた。理香と一緒に知らない町で暮らそうか………
    でも、俺より経験人数多いなんて、ちょっと引くなぁ。ナンパされてついていくような女になってしまったし。でも抱き心地はよかったな。
    ……理香のちょっと太ってはいるが、むちむちの姿態を思い浮かべ、薬が効いてきた俺は寝入った。
     


    続編:婚約者・真帆【3】〜結婚式への道


     
      
    (※)睡眠導入剤は医師の診断と処方箋が必要です。また、効果が出すぎるため、アルコールと睡眠導入剤は一緒に服用してはいけません。この部分はフィクションとして理解して下さい。

     

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