【人妻】子は鎹【他人の嫁】 オナネタ専用エッチな体験談

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    【人妻】子は鎹【他人の嫁】


    私と妻は高校の同級生で、二十歳の時に海で偶然再会し、妻の水着姿を見て高校の時には気付かなかった大きな胸と、海には不釣合いな白い肌に目が眩んで交際を申し込みました。
    同級生だったと言ってもクラスが一緒になった事は無く、隣のクラスに可愛い娘がいると思っていた程度で性格については何も知らなかったので、結局は可愛い顔からは想像出来ないようなセクシーな身体に惹かれて交際を始めた事になるのですが、いざ付き合ってみると凄く優しくて、性格も可愛い女だったので私が離れられなくなり、大学在学中にプロポーズして、就職するとすぐに結婚しました。
    妻は昔から子供が大好きで、短大を出ると幼い頃からの夢だった保育師をしていましたが、皮肉にも私達にはいつまで経っても授かりません。
    結婚して2年目には妻はその事を酷く気にするようになっていて、3年目には検査を受けて自分に異常が無い事が分かると私にも検査を勧めましたが、私は恥ずかしさもあって「その内出来るさ」と言って逃げていました。
    しかし妻は検査を受けて欲しいと頭を下げ続けるので、自宅で採取出来る事が分かった事もあって、私はようやく重い腰を上げます。
    「自分で出すの?どうやって出したら良いのか分からないから、香代がやってよ」
    「うそー。出来るでしょ?」
    私は妻に出してもらうのは初めてで、この時は検査結果など軽く考えていたので、私のオチンチンを丁寧に拭いてくれる妻を見ているだけで興奮していました。
    「どうせなら口でしてよ」
    「唾液から雑菌が入る可能性があるから、口では駄目だって書いてあったわ」
    「そんな事まで書いてあるの?」
    「私も恥ずかしいんだから、余計な事を言っていないで早く出してよ」
    私の横に身を寄せて、一生懸命手を動かす妻の大きく軟らかい乳房を揉みながら、私はセックスとはまた違った興奮を覚えて、意外とすんなり出してしまいます。
    しかし私が馬鹿な事を言っていられたのも、検査結果が出るまででした。
    精液量   0.6ml(2ml以上、多い人で5ml)

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    精子濃度  1ml中100万匹(2000万匹)
    運動率   10%(50%以上)
    高速運動率 0%(25%)
    即ち精液の排出量も足りず、その中にいる精子の数も極端に少なく、動いている数も少ない上に、元気良く動き回っているのは一匹もいないのです。
    「無精子症ではないし、その時の体調にもよるらしいから、きっと大丈夫よ」
    妻は落ち込む私を慰めてくれましたが、体調を整えて翌月臨んだ検査でも、結果は似たようなものでした。
    「ごめんね。検査なんて勧めなければ良かった」
    自分の子孫を残せないという事など考えた事も無く、今までは気にもしなかった私はオスとしての自信を無くし、妻はそのような私を励まし続けていてくれましたが、後から結婚した妻の兄や妹に子供が生まれると、鬱とまではいかないまでも流石に妻も落ち込む日が増えていきます。
    当時は体外受精など一般的ではなかったので、何度か人工授精は試してもらいましたが、流石に私の数値では出来ません。
    毎日他所の子供達を見ているのも辛いと思って、保育園を辞めるようにも言いましたが私が原因では強くも言えず、私も次第に子供の話題は避けるようになっていきました。
    そして結婚して10年経った33歳の時、妻が深刻な顔をして相談があると言います。
    「私やっぱり子供が欲しい」
    「ごめん」
    「違うの。あなたを責めているんじゃないの。私こそごめんね」
    妻からの提案は、人工授精で子供を儲けようというものでした。
    「いいけど、それは何度か・・・・・・・」
    しかし言い辛そうに小声で話す妻の内容は、私にとって可也ショックなものでした。
    「怒らないで聞いて。実はある人から、精子を提供してもらおうと思って」
    「何!提供者は誰だ!」
    「それは言えないの。あなたにも自分の子供として育てて欲しいから、父親が誰か分からない方が良いと思うの」
    当然私は即答など出来ませんでした。
    「勿論あなたが嫌だったらやめる。あなたが自分の子供として育ててくれる自信が無いのなら、きっぱりと諦めるから正直に言って」
    返事も出来ずに二週間が過ぎると、たまたまつけていたテレビでアメリカ人のご夫婦が、親が死んで孤児になってしまったベトナムの子供を、3人も引き取って育てているのを見ました。
    それを見た私は感動し、他の男の精子でもまだ私達の場合は愛する妻の血が半分は入っているので、私の子どもとして育てられると思ってしまいます。
    「この間の話しだけれど、精子の提供者は誰だ?俺の知っている奴か?」
    「いいの!」
    「ああ」
    自分でも信じられないような返事をしてしまったのは、妻を可哀想に思っていた事もありますが、決してそれだけではありません。
    実は私も友人と会うと子供の話が中心になってきていて寂しい思いをしていて、その事で何処に出掛けても子供連ればかりが目に付いてしまうようになっていたのです。
    「ありがとう。でもそれなら尚更、変な先入観も持ってほしくないから、提供者は知らない方が良いと思うの。相手の彼はあなたの知らない人だけれど、頭も良くて運動神経もいいし、温厚で性格も申し分ない人だから心配しないで。何よりあなたと血液型も同じで背格好も似ているし、顔もどこか似ているところがあるから、私達さえこの事をお墓の中まで持っていけば、絶対に誰にも気付かれる事も無いわ」
    「その男は信用出来るのか?」
    「ええ。信頼出来る方よ」
    「そんな人と、どこで知り合った?そんなに親しいのか?」
    「あなたに黙って相談に乗ってもらっていたけれど、変な仲ではないから勘違いしないで。彼に対して恋愛感情なんて一切無いし、彼も奥様を凄く愛しているわ。私は今までもあなたを愛していたし、これからもあなただけを愛していくから私を信用して欲しいの」
    このような事を頼めるのですから親しいには違い無いのですが、妻の浮気は疑っていませんでした。
    ただ妻の職場には男はおらず、知り合えるとすれば出入業者か園児の父親ぐらいしか無いのですが、今までそのような人間の話は聞いた事が無く、提供者が誰だか私には皆目見当もつかない事が少し不安でした。
    「その人には元気なお子さんがいて、今も2人目が奥様のお腹の中で元気に育っているそうだから、精子に異常は無いと思う。私の夫にあなたに成りすましてもらって、精子だけもらってあなたとの子供として届けるから、あなたにも自分の子供だと思って欲しいの。当然私も彼の事は全て忘れる」
    しかし一週間後、私が帰ると妻は暗い顔をして待っていました。
    私の顔を見た妻は目に涙を溜めながら、縋る様な目で何かを訴え掛けていました。
    「どうした?」
    「今日彼と話し合ってきました。そうしたら彼に断られたの」
    「精子を提供してもらう話はついていたのだろ?・・・・・・・でも無理もないか。
    自分の分身がもう一人、この世に存在する事になるのだから」
    「違うの。その事は納得してくれているの」
    「それなら何が?」
    妻はしばらく黙ってしまいましたが、一度大きく深呼吸すると、彼が話した内容を話し始めました。
    「彼は奥様に内緒で提供してくれるの。奥様のショックを考えたら、絶対に知られたくないって」
    「だから俺に成りすますって・・・・・」
    「ええ。でもよく考えたら、そんな事が上手く行くはず無いと思えてきたようで、真面目な人だから、これは犯罪だからやめておこうって」
    「それならちゃんと届けて、正式に提供してもらったらどうだ?」
    「私も考えました。彼にも相談してみました。でも彼は、そうなれば色々な検査も有るだろうし、手続きも簡単では無いと言って・・・・・・・」
    妻の目から涙が毀れます。
    「それに届ければ、彼の子供だと何処かに残ってしまうし、第一このような事が許されるかどうかも分からないって」
    「諦めよう。俺が不甲斐無いばかりに、辛い思いをさせてしまったな」
    しかし妻はまだ何か言いたそうで、私の目を見詰めています。
    「どうした?諦め切れないか?」
    「彼が言うの。あなたさえ理解してくれれば、誰にも知られずに、違法にならない方法が一つだけあるって」
    「どのような?」
    「つまり・・・・・・直接・・・精子をもらう・・・・」
    「よく分からないが?」
    「彼が私の中に、直接精子を入れる方法が・・・・・」
    私は耳を疑いました。
    「言っている意味が分かっているのか!駄目に決まっているだろ!」
    「私も断わりました・・・・・・・もう・・この話は忘れて下さい」
    妻はこれで子供が出来るものだと思っていて、妊婦の読む雑誌を買ってきたりしてここ数日舞い上がっていただけに落ち込みようは可也のもので、私にその原因があるので声も掛けられません。
    そして次の日、私が帰ると電気もつけずに、妻は真っ暗な中で泣いていました。
    「今日彼に、正式にお断りしてきました」
    「駄目になったのだから、もう相手を教えてもらえるか?」
    しかし妻は相手の男の話はせずに、その彼に言われた事を一方的に話します。
    「彼が言うの。今回の事は、私はあなた以外の男性を受け入れる事で苦しみ、あなたは自分の妻に他の男性が入る事で苦しむ。そして彼は奥様を裏切り、子供達に対しても、知らない所に自分達の兄弟がもう一人いるという、罪深い事をしなければならない。結局3人が地獄の苦しみを味わわなければならない。でも一つの命をこの世に生み出すと言う事は、そんな3人の苦しみなど、凄く小さな事に思えるほど神聖で尊い事だって」
    妻が相手の素性を明かさないのは、まだ望みを捨てきれないでいたからでした。
    「彼の提案を受け入れてでも、香代は子供が欲しいのだろ?」
    「ううん。あなたにそんな苦しい思いをさせてまでは・・・・・・」
    私に苦しい思いをさせるからと言う事は、裏を返せば私さえ我慢出来れば、妻はその様な行為を受け入れてでも、子供が欲しいと言う事です。
    「香代はこんな俺でも好きか?子供も作ってやれない俺でも好きか?」
    「・・・・・・・・・・・・・私はあなたを愛しています」
    「それならいいぞ。誰だか知らないが、彼にもう一度頼んでみろ」
    妻はようやく笑顔を見せましたが、私に悪いと思ったのか、すぐに真剣な顔になって頭を下げました。
    私はどうしてこのような事を言ってしまったのか、自分でも分からずにすぐに後悔しましたが、これも全ては私に子供を作る能力が無い事が原因なのです。
    「その代わり、ただの生殖行為でセックスはしないでくれ」
    「どう言う意味?」
    「服は脱ぐな。それと触らせるな。勿論香代には感じないで欲しい。露骨な言い方だが、ただ入れて出してもらえ」
    「でも脱がないと・・・・・・・」
    私はそのために脱がずに出来る穴の開いたパンティーと、妻が濡れていなくても結合出来るように、潤滑剤のローションを買ってくると言いました。
    このような方法で子供を儲ける事は馬鹿げていると思われるかも知れませんが、皮肉にも妻は毎日子供達を見なければならない仕事で、精神的にも限界が来ていると思ったのです。
    そして私も全ての原因が自分にあるだけに、その様な妻を見ていて普通の精神状態では無かったかも知れません。
    その後はとんとん拍子で話が進み、相手の希望で妻が妊娠可能な時期の土曜日に、シティーホテルに泊まって行う事に決まりました。
    「泊まりになったのは、すぐに動かずに安静にしていた方が、妊娠の確率も上がると彼が言うからで、泊まりでもそのような行為は一度だけだからね」
    「それなら、終わったら電話してくれ。その後俺も一緒に泊まるから」
    「奥様には出張で一晩帰れないと言って出て来るから、終わっても彼は帰れないの。だからもう一部屋とって彼も泊まっていくから、あなたが来ては顔を合わせてしまうかも知れない。精子を貰うだけで、終わったらすぐに自分の部屋に行ってもらうから信用して」
    いよいよ翌日に迫った金曜の夜、妻は裸で私の隣に入ってきました。
    「ごめんね。抱いて。抱いて欲しいの。今日抱いてもらえば、あなたの子供だと思って産めるから」
    私は妻を激しく突き続け、妻も涙を流しながら私にしがみついていました。
    「ごめんね・・・・ごめんね・・・・・」
    そして翌日の夕方、妻はお風呂に入っていつもよりも念入りに身体を洗い、私がアダルトショップで買ってきた、売っていた中では一番地味でも普通の下着に比べればセクシーな、穴の開いたパンティーを穿いて出掛けて行きました。
    その夜私は、地獄の苦しみを味わいます。
    どんなに眠ろうと思っても、見知らぬ男の下で悶える妻の姿が浮かんで眠れません。
    妻は妊娠すれば、これから生みの苦しみを味わいます。
    これは私の生みの苦しみだと言い聞かせても、次から次に涙が溢れてきて止まりません。
    それでも翌日の昼前には、妻の顔を見た事で少しほっとしましたが、妻は可也やつれて見えました。
    私はどのような行為をしたのか知りたかったのですが、いくら待っていても妻からは話そうとしません。
    「どうだった?」
    「あなたに言われた通り、ローションを塗って入れてもらって、終わったらすぐに離れてもらいました」
    「そうか・・・・・・」
    「あなた・・・・・ありがとう」
    「下衆な事を聞いてもいいか?彼のはどうだった?」
    「えっ?」
    「つまり・・・・大きかったとか・・・・太かったとか・・・・・・」
    妻はようやく笑顔を見せます。
    「そんな事を気にしていたの?ずっと目を閉じていたからよく分からなかったけれど、入って来た時の感じでは、あなたの方がずっと大きくて逞しかったわ」
    それからの妻は暇があるとお腹を擦って、妊娠を確信しているようでしたが、次の生理予定日に帰ると、妻はまた明かりもつけずに泣いていました。
    「駄目だったのか?」
    「彼が言った通りでした。一度で必ず妊娠するものでは無いって。奥様が彼の最初の子供を妊娠したのは、結婚して半年後だったって・・・・・・・・・」
    妻はこれで諦めると思っていましたが、泣きながら私に言います。
    「もう一度お願い・・・もう一度だけ・・・・そうで無いと一晩我慢した事が無駄になってしまう」
    「一晩我慢した!」
    すると妻は慌てて言い直します。
    「ううん。行為は一度ですぐに終ったけれど、我慢している私には凄く長く感じて、一晩我慢していたくらいに思えたから」
    一度されたから二度も同じだという気は更々ありませんでしたが、私もこのままでは妻の中に他の男が入った悔しさが残るだけで、後悔だけで終わってしまうような気がしました。
    「もう一度だけだぞ」
    しかし翌月も失敗に終わると、妻は私を地獄に突き落とすような事を言い出しました。
    「二回も我慢したのが、全て無駄になってしまうのが嫌なの。次に駄目だったら諦めるから、次回は一週間泊まりで行かせて」
    「彼の家に、一週間も泊まりたいだと!」
    妻の話では「このままではご主人にも申し訳ない。意地でも妊娠して欲しいから、次の妊娠可能な時期は、私の家に一週間泊まりで来てくれ。一週間も中に射精し続ければ、どこかで最も妊娠し易い時期に当たる。私も妻を裏切ってしまったから、妊娠してもらわないと後悔だけが残る」と彼が言っているそうなのです。
    「彼は奥さんには内緒だと言っていたよな?一週間も泊まって大丈夫なのか?」
    「奥様が出産で子供を連れて実家に帰るから、しばらく彼だけになるらしいの」
    私は彼の家庭を心配しているような振りをして断わろうと思いましたが、その様な事は妻と彼の間で話し合いがついているようです。
    「最初は毎晩通って来ないかって言われたけれど、あなたの事が気になって精神的に辛いと言ったら、精神が安定していない事が妊娠し難い原因じゃないかって言うの。
    一週間泊まって一時あなたの事を忘れるように努力して、妊娠する事だけを考えていれば、きっと上手くいくって・・・・・・」
    妻の中に彼が二度も入った事と、そのような我慢をしていても妊娠しない事で、私も精神的におかしくなっていたのかも知れません。
    そうでなければ、このような事を許可する事は絶対に無かったでしょう。
    「絶対に楽しむような行為はするなよ」
    「私を信じて」
    「今迄通り服は脱がないで、生殖行為をするだけだと約束出来るか?」
    「はい、約束します」
    私は妻に数枚の穴の開いたパンティーを買い与え、妻を信じて送り出しました。
    しかし一週間の苦しみは今までの比では無く、妻は彼とのセックスを楽しんでいるのではないかと疑ってしまいます。
    私を忘れて夫婦に成りきり、愛の言葉を囁きながら、激しいセックスをしているのではないかと心配で眠れません。
    しかし一週間経って妻のやつれた顔を見ると、妻も一週間我慢したのだと可哀想に思えて、疑っていた事を強くは言えませんでした。
    「どのようにしてもらった?」
    「どのように?勿論約束通りただ入れてもらって、出してもらったらすぐに離れてもらって別々の部屋で眠ったわ」
    「一週間も毎晩していて、本当にそれだけで済んだのか?」
    「はい。彼も分かってくれていたから」
    「彼は香代の身体を見ても、他には何もしないで我慢してくれたのか?」
    「約束だから身体は見せていません。私はいつもパジャマを着たままだったし、彼は触ってすら来ませんでした」
    妻は恥ずかしそうに俯いていましたが、顔を上げると私の目を見詰めます。
    「私を信じて。彼もその事は理解してくれていて、凄く紳士的に扱ってくれたわ」
    健康な男が一週間も毎晩交わっていて、ただ入れて出すだけの行為で我慢出来るのか疑問は残りましたが、妻に子供を授けてやれない私は信じるしかありません。
    「終わったな。今回駄目でも、こんな苦しい思いは二度と嫌だ」
    「ごめんね。でも駄目だったらなんて考えてないの。一週間も辛い思いをしたから、今度こそは大丈夫だと信じている」
    妻の言葉で、私よりも妻の方が恥ずかしく辛い思いをしているのだと思い直し、その時は妻と彼との仲を疑っていた自分を恥じましたが、その後の妻は勤めている保育園が延長保育を始めたと言って遅く帰る日が増え、仕事の疲れなどを理由に私との行為を拒むようになります。
    そして私が出張で泊まりになった時、夜遅くにホテルから電話すると妻は出ませんでした。
    「昨夜は電話しても出なかったな。何処かに行っていたのか?」
    「ええ・・・・・・・・・・・・延長保育で預かっている園児の母親が、仕事の関係でお迎えが2時間も遅れたから私も帰れなかったの。だから家に帰れたのも遅かったけれど、疲れてしまって何もせずに眠ってしまったから」
    電話があった事を知らなかった妻は、私の問い掛けにすぐには答えられなかった事で、私は妻を疑いの目で見ていました。
    そしてその夜も妻に拒まれ、翌日「続けて出悪いが、明日も急に泊まりの出張になってしまった」と嘘をつき、妻の仕事が終わる時間に合わせて保育園に行くと、妻は家とは反対の方向に車を走らせます。
    私は慌てて後を追いましたがそこは素人で、途中の信号に捕まってしまって見失ってしまいましたが、幸い妻の車が走り去った方向は山で、麓は切り開かれた200件ほどの新興住宅地になっていて、途中には数件の民家しかありません。
    それで私は一軒一軒探して回ると、住宅地の外れでまだ周りには家の立っていない空地か建設中の家しかない、一軒家に近い状態の新しい家の駐車場に妻の車を発見します。
    「何をしている!」
    チャイムを鳴らすと彼が帰って来たと思ったのか、すぐに出てきた妻は夕食の支度をしていたようで、新妻のような可愛いエプロンを着けていました。
    「あなた・・・・・・」
    妻の目には見る見る涙が溜まっていき、やがて泣き崩れた妻に何を話して良いのか分からずに、私も黙って立ち尽くしていました。
    どのぐらいの時間が経ったのか分かりませんでしたが、妻は急に立ち上がると家に帰って話すと言います。
    しかしそれは、彼に会わせたくないからだと直感した私は動きませんでした。
    「俺がどれ程の覚悟で、今回の事を許したか分かるか!香代が他の男に抱かれている間、俺がどの様な思いで待っていたのか分かるか!辛くて、情けなくて、男としてのプライドなど全て捨てなければ居られなくて・・・・・・」
    辛い気持ちを口に出した事で、私の目からも涙が毀れます。
    「ごめんなさい・・・・」
    「それなのに香代は、まだ俺にこのような仕打ちをするのか!どれだけ俺を馬鹿にすれば気が済む。今俺は香代を殴りたい。しかし情けないが殴れない。何故だか分かる
    か!全て俺が悪いと思っているからだ。俺さえまともな身体なら、このような事にはならなかったと思っているからだ。香代も全て俺が原因だと思っているのだろ?」
    「そんな事は思っていません。あなたに黙ってこのような事をした私が悪いの。許して下さい」
    私は彼の帰りを待って抗議しようと思っていましたが、不覚にも泣いてしまった事で、ただでさえオスとしての能力が私よりも勝っている彼に、このような情けない姿は見せられず、妻を一人残して家に帰りました。
    すると後を追うように帰って来た妻は、入って来るなり土下座します。
    「許して下さい。私が悪かったです」
    「子供を作れない俺なんか捨てて、彼に子供を作ってもらって幸せになれ」
    「許して下さい。お願いですから話を聞いて」
    私には当然二人の間に何があったのか聞きたい気持ちはあり、子供のように拗ねていても何も解決しないと思い直しましたが、自分に欠陥があるだけに嫌味を言わずにはいられません。
    「愛する彼と裸で抱き合いながら、子供を作る能力も無い俺を笑っていたのだろ?」
    「そんな事はしていません。あなたを馬鹿にした事は一度も無いです」
    「表札を見たが、お前の好きな彼は篠沢と言うのだな。篠沢もこのままでは済まさない」
    「やめて。悪いのは全て私です。彼は私の事を真剣に考えてくれて、奥様を裏切ってまでも協力してくれただけなの」
    妻の彼を庇う言葉を聞いて怒りが増し、妻に手を上げてしまいそうな自分を落ち着かせるために黙っていると、妻は泣きながら言い訳を始めます。
    「勘違いされるような行動をとってしまってごめんなさい。今日は今までのお礼に、ただ夕食を作りに行っただけです」
    「それなら俺に言って、堂々と行けば良い事だろ!」
    「責任を感じているあなたは、言えば行ってもいいと言ってくれたかも知れません。
    でも心の中では辛いはずだから、それなら黙って行った方が良いだろうと思って」
    妻がただ食事を作りに行ったなどとは信じられませんでした。
    仮にそうだったとしても、それは今までのお礼ではなくて、今回も駄目だった場合を考えて、これからも関係を続けてもらうために機嫌を取りに行ったように感じます。
    それも食事だけではなくて、身体を使って機嫌を取る事も。
    私は今回が駄目でも、二度とこのような事はさせないと決心して気を落ち着かせましたが、泣き疲れて眠ってしまった妻を見ていると一つの疑問が浮かびました。
    それは妻がどのように篠沢の家に入ったかという事です。
    例え身体の関係を結んだ事で親近感があったにしても、留守に自宅に入れると言う事は並大抵の信頼では出来ません。
    鍵の隠し場所を教えてもらったとすれば、妻はそれだけ篠沢と親しい関係にある事になります。
    ましてや合鍵などを渡されているとすれば、私が思っているよりも遥かに親しい間柄なのでしょう。
    堪らず妻のバッグを探ってみると、やはりそこには見た事もない鍵が入っていて、猛烈な嫉妬心に襲われた私はそれを抜き取ってしまったので、鍵を失くした事に気付いた妻は慌てたと思いますが、私に聞けるはずもありません。
    「あなた・・・・今回も駄目でした・・・・・・」
    「また篠沢の所に行きたいのだろ?」
    妻は黙ってしまって返事をしません。
    「次回が本当に最後だぞ」
    妻と篠沢に二度とあのような行為はさせないと、固く決めていた私がなぜそのような気になったのかと言うと、妻は篠沢の事を半年前に引っ越して来た園児の父親で、度々お迎えに来ていたので親しくなったと説明しましたが、半年間たまに迎えに来ていたぐらいでこのような事を相談し、このような行為が出切るまで親しく成れるとは到底思えなかったのです。
    それで私は篠沢の家の鍵を手に入れた事で、妻と篠沢の関係を探れると思ったのです。
    妻と篠沢がどのような会話をし、どのような行為をしていたのかも知りたかったのですが、妻に聞いても本当の事は話さないと思ったので、その事も知るチャンスだと思いました。
    しかしそれには、もう一度我慢して堪えなければなりませんが、このままでは一生妻を疑って暮らさなければなりません。
    「ありがとう。以前のようにホテルでしてもらって、二度と彼の家に行きませんから」
    計画が狂った私は慌てました。
    「一週間ものホテル暮らしはお金も大変だろ?」
    「一週間いいのですか!」
    「その方が、妊娠し易いと言ったじゃないか。本当に次回が最後だぞ。今まで散々辛い思いをしたのだから、今回どうしても妊娠して欲しい」
    「ありがとう・・・ごめんね・・・・ごめんね・・・・」
    妻が篠沢の家に行った日、会社帰りに直行するとキッチンと思われる部屋に明かりがついていました。
    そして10分もすると擦りガラスの小窓がある、お風呂と思われる場所に明かりがつき、しばらくしてキッチンの明かりが消えたので小窓の下に行って耳を澄ますと、篠沢と思われる男の声が聞こえてきます。
    「楽しむセックスならただの快感の道具かも知れないが、目的が違うのだからこれは神聖な物だろ?だったらもっと丁寧に洗ってよ?そうそう、その下の袋も」
    篠沢は妻の羞恥心を煽るためか、わざと大きな声で話すので外からでもはっきりと聞こえて来ます。
    「香代も脱いで、一緒に入ったらいいのに」
    「裸にはならないと、主人と約束しているから」
    妻の声は普段よりも小さく、余程注意していないと聞き取れません。
    「まだそんな事を言っているの。前回も、あんな凄い姿を見せたのに?」
    「言わないで」
    「香代は昔と何も変らないな。確かあの時も、俺と付き合っても身体の関係だけはもたないと、親と約束しているからと言って」
    「もう言わないで」
    「しかし結局は」
    「あれは篠沢君が・・・・・・」
    妻が篠沢のオチンチンを洗わされている事にショックを受けましたが、それよりも、やはり以前からの知り合いだったと知って怒りで体が震えます。
    「もうそのくらいでいいよ。さあ、種付けをしてやるから先に出て、先週の部屋に布団を敷いて待っていて」
    「そんな言い方はやめて」
    「じゃあどう言えばいい?セックスとは言うなと言うし・・・・・」
    「何も言わないで」
    シャワーで洗い流す音が聞こえた後、妻は先に出て行ったようです。
    「うっ・・・ううっ・・・うー」
    妻がいなくなると低い呻き声が聞こえ、またシャワーで流すような音が聞こえた後、篠沢は鼻歌を歌いながら出て行きました。
    この後すぐに二人が行為を行うのは確実で、私は音を立てないように合鍵を使って入って行くと、奥の和室らしき部屋から話し声が聞こえてきました。
    「そろそろ始めようか」
    「よろしくお願いします」
    私は二人に気付かれないように、細心の注意を払いながら襖を3センチほど開けて覗き込みましたが、幸いこちらは暗くて中は明るかったので気付かれる心配はありません。
    そこは八畳の和室で中央に客布団が敷いてあり、パジャマを着た妻がその上に正座していて、布団の横には篠沢が胡坐を掻いて座っていましたが、妻の言っていた通り背格好は私によく似ています。
    「早く脱がないと朝までに終わらないよ」
    妻は布団に横になると、掛け布団を被ってパジャマの下だけを枕元に出しました。
    すると篠沢が勢いよく布団を剥ぎ取ったので、妻は丸くなって身体を隠します。
    「ローションを塗るから待って」
    「その前に、先週のように少し見せてよ」
    「あんな事は、もういや」
    「それなら無理だ。裸は見せない。触らせない。香代はローションで入れてもらえる状態になるけれど、俺はどうやって入れられる状態にすればいい?」
    篠沢は元気なく垂れ下がったオチンチンを妻の顔に近付けましたが、それは私に話していたのとは違う、私のよりも太く大きな物でした。
    「お風呂ではあんなに・・・・・・」
    「お風呂では、これから香代の中に入れるという期待感で興奮もあったけれど、いざとなったらご主人の事を考えてしまって、悪い気がしてこうなってしまうのだと思う。それにあの時は、洗ってもらうのに触られていたし」
    「それなら少し触るから」
    妻はそれを優しく掴むと、顔を背けてゆっくりと動かし始めます。
    しかしそれは多少大きくなっただけで、入れられるほどの反応は示しません。
    「どう?」
    「どうって、触っていて香代も分かるだろ?やはり先週のように見せてもらわないと駄目みたいだ」
    妻は手を放すと目を瞑って脚を開きましたが、その部分は両手で覆って隠します。
    「枕を入れるから腰を持ち上げて」
    篠沢が妻のお尻の下に枕を入れると、妻はその部分だけを突き出した格好になります。
    「手を退けて」
    妻の脚の間に座った篠沢がそう言うと、手はゆっくりとその部分から離れ、妻の顔を覆います。
    それを見ていた私は、いくら子供が欲しいからと言っても、このような妻の姿が信じられませんでした。
    妻は恥ずかしがりやで、私との時でも未だに部屋を暗くして欲しいと言います。
    その妻がこのような明るい部屋で、夫婦でもない男の目の前に、最も恥ずかしい部分を突き出して見せているのです。
    「まだ?恥ずかしいから早くして?」
    「まだ駄目みたいだ。そんなに焦らせると、よけい緊張して・・・・」
    篠沢が手を伸ばしてパジャマの上から妻の乳房を掴むと、妻は手首を掴んで引き離そうとします。
    「少しぐらいいいだろ?」
    「駄目。主人との約束だから」
    「今までも最初だけで、結局は触らせてくれるじゃないか」
    「それは・・・・・」
    「じゃあここはいいよな?どうせオチンチンで触るところだから。また中を見せてもらうね」
    「いや!恥ずかしいから開かないで!」
    妻は腰を捻って逃げます。
    「先週も最初だけで、二回目からは色々させてくれたし、香代だって色んな事をしてくれただろ?それなのにあれも駄目。これも駄目。俺には無理だ。もうやめよう」
    「あんな事をしてしまって、帰ってから主人の顔をまともに見られなかったの。だから・・・・」
    「じゃあご主人にしてもらえ。ご主人に作ってもらえ。それが出来無いから俺が家族を裏切ってまで、香代に協力しているのではないのか?やめた、やめた」
    篠沢はただ妻を辱めて楽しんでいるだけに見え、いつ飛び込んで行こうかと中腰になっていましたが、私には出来ないという言葉を聞いて、また座り込んでしまいます。
    「ごめんなさい。見てもらっていいから怒らないで。中まで見てもいいからお願いします」
    「じゃあ、自分で開いて見せてよ。もっと・・・・・もっと大きく開いて」
    私のところからでは妻の手でよく見えませんが、篠沢の弛んだ口元を見ると、妻はこれ以上開けないというほど、自らの手で大きく開いているのでしょう。
    篠沢がただじっと覗き込んでいるだけで、言葉も掛けない事が羞恥心を増幅させるのか、妻は顔を右に倒したり左に倒したりして身悶えていました。
    それは5分ほどだったかも知れませんが、私には30分にも感じ、おそらく妻には1時間にも感じていた事でしょう。
    「少し硬くなってきたから、そろそろローションを塗って用意したら?」
    「お布団を」
    「見ていてやるから、このままの格好で塗ってよ。そうしたら完全に硬くなると思う」
    篠沢がローションを渡すと、妻は硬く目を閉じて塗り始めましたが、その姿はまるでオナニーでもしているかのようです。
    「俺の方は先週のように、香代の唾液を塗ってくれない?」
    妻は目を大きく見開いて、篠沢を睨みつけました
    「ここでやめるのなら、俺はそれでも構わない」
    妻は立ち上がった篠沢の前に正座して、目の前にあるオチンチンに手を添えて口に含むと、それはまだ硬くなり切っていなかったのか更に大きくなり、妻の口いっぱいに広がってしまいます。
    「さあ横になって。早くしないと、また萎んでしまうかも知れない」
    妻は慌てて横になり、今度は隠す事もしないので大きく脚を開きます。
    「ローションは使わなくても良かったみたいだね」
    ここからではよく見えませんが、ローションを塗らなくても良かったと言う事は、妻は見られていたただけで濡らしてしまっていた事を意味していて、そうなればパンティーと同じ様に、妻のそこも既に大きく口を開いてしまっているのかも知れません。
    私はずっと裏切られた気持ちで見ていましたが、妻の裏切りはこれだけでは終わりませんでした。
    「ああっ!」
    篠沢が脚の間に座って腰を進めると、妻は大きな声で一声唸り、篠沢は満足げに一度微笑むとすぐに真剣な顔になって、最初から激しく妻を責め立てます。
    「うっ・・・ううっ・・・うっ・うっ・うっ・うっ」
    「感じたらご主人を裏切っている事になるよ」
    「感じてなんか・・・・ううっ・・・」
    妻は明らかに、篠沢の太いオチンチンによってもたらされる快感と戦っています。
    「それならいいけれど」
    しかし篠沢は延々と突き続け、いつまで経っても終わる気配を見せずに、腰の動きが弱まる事もありません。
    それで私が思ったのは、お風呂での呻くような声は、篠沢が自分で一度出したのではないかと言う事でした。
    篠沢が直前に自分で出していたとすれば、妻の卑猥な姿を見ても、掴んで擦られたりしても反応しなかった事の説明がつきます。
    しかしそれでは精液も薄くなってしまい、そのような事をしていたとすれば私達に対する重大な裏切り行為です。
    私は飛び込んで行こうと思いましたが確証も無く、ここで飛び込んで行ったのでは、今まで散々我慢していた事も無駄に終わってしまうと思うと出来ません。
    一度篠沢に抱かれた妻など、何度抱かれても同じだとは決して思っていませんが、それでもこの時飛び込んで行くのを我慢で来たのは、やはり既に何度か同じ事をされていると思っていた事が大きかったのでしょう。
    そんな事を考えている内に妻は完全に感じ始めてしまい、声を出してしまわないように唇を噛んでいるのが精一杯の状態で顔を左右に激しく振っていましたが、それでも篠沢は終わる気配を見せないので、妻は終に耐えられなくなって声を出してしまいます。
    「早く終わってー・・・あぁぁ・・ああぁー」
    一度声を出してしまうと、その事で更に感じてしまうのか、妻は篠沢の動きに合わせて声を出すようになっていきます。
    「あっ・あっ・あっ・あっ・・・だめ・出して・・・あっ・あっ・あっ・あっ」
    「もう少し我慢して。逝ってしまってはご主人に悪いだろ?俺も罪悪感が大きくなってしまうから、もう少しだから我慢して」
    しかし妻には、既に限界が来ていました。
    「だめ・だめ・・・あっ・あっ・ああっ・ああっ・ああーっ・・・いや・・いやー」
    しかしそれでも、篠沢の腰は動き続けます。
    「もういや・・・また・・・・また・・・・」
    「これ以上逝くな。ご主人の辛さも考えてやれ」
    「でも・でも・・・あっ・あっ・あっ」
    妻がまた逝きそうになった時、篠沢は腰の動きを極端に遅くしました。
    「もう逝っては駄目だ。ご主人が可哀想で仕方が無い」
    妻は篠沢のこれらの言葉を、私達夫婦の事を思っての言葉だと感謝しているでしょう
    が、私には妻を甚振っているようにしか見えません。
    現に今も動きを遅くしたのは逝きそうな妻を想っての事ではなくて、自分が終わってしまいそうになったのを抑えるためか、更に妻を虐めて楽しむためだと思えて仕方ないのです。
    もう少しだった妻は不満を露にしますが、私と約束している手前、逝かせて欲しいとは言えません。
    「いやん・・いや・・・早く動いて・・・・早く」
    「早く動いては、香代はまたご主人を裏切ってしまうだろ。それともご主人を裏切ってでも逝きたいのかな?」
    「違う・・早く終って・欲しいから・・・・いや・・こんなのいやー」
    少し休んだ篠沢がまた動きを速めると、妻は一気に駆け上がります。
    「あっ・あっ・あっ・ああっ・・あぁぁん」
    「逝くなよ。ご主人を裏切ってもいいのか?」
    「逝かない・・あっ・・だから早く・・・・あっ・あっ・あっ・あっ」
    「このままでは終わりそうも無いから、少しだけ協力してもらうね」
    篠沢は妻のパジャマのボタンを外すと、前を開いてブラジャーを押し上げ、飛び出した大きな乳房を揉みながら、腰を更に激しく動かしていました。
    「そんな・・・そんな・・・あっ・あっ・・出して・・あぁぁ・・ああぁぁぁぁぁー」
    妻が逝くのと同時に、篠沢も大きく二度腰を強く打ち込んで出したようでしたが、すぐに腰を引いて抜いてしまいます。
    「沢山出たから、もう外に溢れてきたよ」
    篠沢は大の字になってしまって動かない妻の股間を、ティッシュで優しく拭いていましたが、出て来るのが余りにも早過ぎる事から、最後に強く打ち込んだのは中に出した演技で、本当は外に出したのではないかという疑念が湧いていました。
    「今夜はもう一度しておこう。少し休憩したらまた始めるから、それまで身体を休めていていいよ」
    しかし妻は余程深く逝ってしまったのか返事もせずに、まるで死んでしまったかのように動きません。
    この時の私は意外なほど冷静でした。
    妻と篠沢の行為を、他人の行為を覗いているかのような気持ちで見ていたのです。
    しかしこれは、目の前で他の男に逝かせられる女を妻だと思っては、壊れてしまいそうな自分を守る為だったかも知れません。
    私は篠沢が出て行くのを確認すると、襖を体が通るだけ開けて四つん這いで妻に近付き、ポッカリと口を開いたままになっている妻のオマンコに人差し指を入れて掻き出しましたが、案の定白い物は見当たりませんでした。
    「いや・・・・・・・休ませて・・・・」
    私を篠沢だと勘違いして、寝言のようにそう言った妻に布団を掛け、何とか怒りを抑えて冷静になろうとしていると、ビールとグラスを持った裸の篠沢が入って来て叫びました。
    「誰だ!」
    その声で目を開けた妻は、私を見て飛び起きます。
    「あなた!・・・・・・・どうしてここに!」
    しばらく沈黙が続きましたが、最初に口を開いたのは篠沢でした。
    「鍵を失くしたと言っていたが、まさか・・・・」
    すると妻も。
    「どうしてそんな事を?どうしてここに来たの?」
    妻は泣き出してしまいます。
    「ご主人。これは約束違反でしょ。私も妻を裏切ってまで協力しているのですよ」
    「約束?それはこちらの台詞だ。香代!裸にならない、触らせていないと言っていたのは全て嘘か!感じないと言っていたのはどうなった!それに・・・・・」
    篠沢の物が私よりも小さいと嘘をついたと言いそうになりましたが、流石にそれは言えずに言葉を濁しました。
    「それと篠沢さん。何が協力しているだ。ただ妻の身体を楽しんでいるだけじゃないか」
    「それは心外な事を。私の善意の協力を、そのような言い方をされては」
    「じゃあ聞くが、外に出して妊娠するのか?妻が妊娠してはこの関係も終わってしまうから、ずっと外に出していたのではないのか?」
    妻も泣きながら篠沢の顔を見ました。
    「そんな事は・・・・・」
    「香代、足を開いてみろ」
    「確かに今は失敗して外に出してしまった。その事が香代さんに悪くて、中に出した振りをしてしまった。でもそれは、すぐに離れなければご主人に悪いと焦り過ぎて、タイミングが合わなかっただけだ。こんな事は今だけで、今まではきちんと中に出していた。香代さん、そうだろ?」
    妻は返事が出来ません。
    毎回後の処理をしてもらうほど感じさせられていたとすれば、妻には分からないのだと思います。
    妻が中に出してもらったかどうか分からなかったのは、私の精液量が少なかった事で、妻は中に出されるという感触を知らなかったのかも知れません。
    何より篠沢を信じ切っていたので、今まで疑う事も無かったのでしょう。
    前回までは中に出していたと言われれば、これでは何も証拠はありません。
    しかし私は、もう一つの裏切り行為を掴んでいます。
    「それなら聞くが、妊娠させようと思っていたなら、どうしてその前に一度出す。妻を抱く前に風呂で、一度自分で出していたよな」
    「本当なの!」
    「いや、出してなんかいない。俺はこの日のために禁欲していたぐらいだ。香代さんの中にいるのが長くなってはご主人に悪いから、すぐに出せるように刺激を与えて興奮を高めていただけで」
    これは訴えても不貞行為にはならないでしょう。
    私も納得して、こちらからもお願いした経緯があります。
    約束違反で楽しんだなどと第三者が聞いても、男と女がこのような事をすれば、普通そのぐらいは想定内で、私が馬鹿にされて終わりでしょう。
    何よりこのような異常な事を、他人に話しても理解してもらえるはずがありません。
    私は妻を連れて帰りましたが、篠沢を責めきれない私の怒りは妻に向かいます。
    「あんな男を信用しやがって!」
    「ごめんなさい・・・・でも・・・・・」
    「でも何だ!」
    「いいえ」
    妻はまだ篠沢を信用しているようでした。
    「篠沢とはいつからの関係だ!」
    「半年前に・・・・・」
    「まだ嘘をつくのか!俺は風呂での会話を全て聞いたぞ!」
    「半年前に彼の子供が入園してきて、それから色々相談に乗ってもらうようになったのは本当です。ただ彼とは・・・・・・・」
    妻と篠沢は中学の同級生で、高校は別々になりましたが部活の地区大会などで顔を合わすようになり、2年の時に篠沢から声を掛けられて付き合うようになったと言います。
    そしてお互いの家を行き来して、一緒に受験勉強をしたりしながら2年ほど付き合って別れました。
    「どうして別れた?もしかして、香代がふられたのか?」
    「・・・・・・はい」
    なぜこのような事を聞いたかと言うと、妻は篠沢に対して良い印象を持ったまま別れたのではないかと思ったからです。
    言い換えれば、妻は篠沢の事を好きなまま別れたのではないかと感じました。
    「付き合っていた時に、身体の関係もあったのか?」
    「それはありません」
    「何も無かったと言うのか?もうこれ以上嘘をつくな」
    「キスは・・・・・・・」
    お互いの部屋を行き来している内に、キスはするようになりました。
    しかしキスに慣れてくると篠沢はそれだけでは満足出来なくなり、家族が留守の時に妻を押し倒して関係を結ぼうとしましたが、妻は卒業するまで待って欲しいと言って拒否します。
    「卒業してから関係を持ったのだな?」
    「いいえ。それで彼が『俺に愛情がない証拠だ』と怒って、一ヵ月後には一方的に別れを・・・・・・」
    私は馬鹿な質問をしていた事に気付きます。
    なぜなら妻とは付き合い始めて一ヶ月後に関係を持ちましたが、その時妻は処女でした。
    しかしお風呂で篠沢は「しかし結局は」と言ったのを忘れていません。
    「それならいつ抱かれた!今回が初めてだとは言わせないぞ!」
    「それは・・・・あなたと付き合い始めて・・・半年ほど経った時に・・・・」
    私は絶句しました。
    妻は私と付き合いながら、篠沢と関係を持っていたのです。
    「二股を掛けていたのか!」
    「違います。会ったのは一度だけです。ごめんなさい」
    「一度会って抱かれ、その後は会わなかったと言うのか?」
    「私が既に処女でない事が分かり、彼は『俺にはあれだけ拒んでいて、どうして他の奴には簡単に許した』と言って・・・・・・」
    この時篠沢が妻の処女に拘らなかったら、私から篠沢に戻っていたのかも知れません。
    妻はそれだけ篠沢に未練を残していたのでしょう。
    卒業したら篠沢に抱かれる約束をしながら、それが出来なかったばかりに別れてしまった事を、ずっと後悔していたのだと思います。
    それで私が求めた時には、一つ返事で応じた。
    しかし本当に好きだったのは別れた篠沢で、何らかの形で再会して着いて行ってしまった。
    その頃の私は、妻にとっては篠沢のスペアーだったに違いありません。
    しかしその事は許さなければなりません。
    なぜならその頃の私はまだ妻と結婚する意思は無く、妻と言うよりも妻の身体に惹かれていた部分が大きかったからです。
    「好きな相手の子供を作り、俺を騙して育てさせようとしていたのか!」
    「違います。今ではそのような感情はありません。私はあなたが好きです」
    妻はそう言いますが、篠沢が妻も子も無い独身だったらどうでしょう。
    私と別れて篠沢と一緒になれるとしたら、篠沢との子供を篠沢と育てたかったのではないでしょうか。
    それが無理だと分かっているから、気付かぬ内に篠沢への思いを奥に押し込み、私が好きだと思い込んでいる。
    私の妻に対する信頼は、跡形も無く崩れ去っていきました。
    確かに妻は、一応は私の出した条件を守ろうとはしていました。
    あれだけ長く出し入れされたら、感じてしまうのは女の性かも知れません。
    その事を私に隠していたのも、どうしても子供が欲しかったのでしょう。
    しかし相手が昔付き合っていた男だと隠していた事は許せる事では無く、今でも恋心を抱いていると疑っている私は、嫉妬で狂いそうでした。
    妻に対してでさえそうなので、妻を弄ばれたという思いが強い篠沢に対しては尚更で、何か復讐する方法は無いかと考えていましたが犯罪までは起こす勇気も無く、妻をまだ愛していて別れられないのなら、結局篠沢の事は忘れなければ仕方がないのかと思い始めていた頃、妻の様子がおかしい事に気付きます。
    「どうした!篠沢に会えなくなって寂しいのか」
    「あれから生理が来ていません・・・・それで・・・・・」
    篠沢の事を私に知られる前なら、妻は涙を流して喜んだのでしょうが、今となっては仮に嬉しかったとしても顔には出せません。
    「出来たのか?」
    「今日病院に行ったら・・・・・・・」
    「おろすのだろうな!」
    「いや!それだけはいや!」
    「あんな奴の子供を産む気か!きっと大嘘つきの、インチキ野郎が生まれてくるぞ」
    「そんな事を言わないで。この子は私の子よ。やっと授かった子よ」
    私は突然の事で驚きが大きかったために、重大な事を忘れていました。
    「あの時って・・・・・確かあの時は・・・・・篠沢は外に・・・・」
    「ごめんなさい」
    やはり妻は、篠沢がそのような男だとは信じられずに、3日後の私が残業で遅くなると言って出勤した日、篠沢の家まで確かめに行ったのです。
    そして私に言ったのと同じ言い訳を繰り返し言われ、篠沢に対する思いが私とは違う妻はそれを信じてしまいました。
    「その時に関係を持ったのか!」
    「どうしても子供が欲しかった。これを最後に、もう会わないようにしようと言われて・・・・・ごめんなさい」
    篠沢は「ご主人は勘違いしている。俺は香代に、本当に子供を授けてやりたかった」と言って、涙まで流したそうです。
    「俺をどこまで馬鹿にしたら気が済む!嘘つきと嘘つきの子など、さっさとおろしてしまえ!」
    「産ませて下さい。私一人で育てますから、どうか産ませて下さい」
    「一人で育てる?俺と離婚するという意味か!」
    「違います。あなたが離婚を望めば、このような事をしてしまった私は従うしかありません。でも別れたくない」
    「考えてみろ。俺はその子を見る度に篠沢の顔を思い出す。その子を見る度に香代に裏切られた事を思い出して、俺は今以上に苦しまなければならない」
    妻が最初に言った事は本当でした。
    篠沢の顔を見たばかりに、生まれてくる子供と篠沢が重なってしまい、私の子供だとは思えないでしょう。
    ただでさえそうなのに二人に騙された思いが強く、愛し合う場面まで見てしまっては、篠沢との愛の結晶だという思いが大きくなっています。
    おまけに本当の父親である、篠沢の汚い性格まで知ってしまったのです。
    私は妻に決断を迫りました。
    「俺をとるか、子供をとるかのどちらかだ」
    しかし妻はどちらも選べず、偉そうに言っていた私も妻を手放したくない思いから仮面夫婦を続けていましたが、その間にも妻のお腹はどんどん大きくなっていきます。
    「慰謝料は請求しない。その代わり出産費用と養育費は払ってもらう。俺はおまえの子供のために働く気は無いからな」
    私は関係のない奥さんまでは悲しませたくなくて、このような復讐をする気などありませんでしたが、妻の大きくなっていくお腹を見ていて、精神的に追い詰められてしまったのです。
    「作って欲しいと頼んでおいて、今更何が養育費だ!」
    篠沢はそう言いながらも、隣に座っている奥さんの事が気になるようでしたが、篠沢以上に私も気になっていました。
    それは奥さんが、妻とよく似ていると思ったからです。
    ただ好きな女性のタイプが妻のような女性でこうなったのかも知れませんが、篠沢の奥さんは妻に似ていて、以前妻は相手の男を説明した時、私に似ていると言いました。
    これは単なる偶然では無いと思える事が、私の嫉妬心を大きくします。
    「確かに頼んだ。しかし頼んだ時は妻との関係が終わらないように、妊娠しないように妻の身体を弄んでいただけのくせに、おまえのように人の弱みにつけ込む、最低な男の子供はいらないから二度と会うなと言ったら、今度は陰でこそこそと会って妊娠させやがって。払わないなら、生まれたらすぐにここに連れてくる。父親にも扶養義務はあるのだから、お前が育てるなり、施設に預けるなり好きにしろ」
    奥さんは乳飲み子を抱き締めて、何も言わずにただ泣いていました。
    そして後日奥さんから妻に慰謝料の請求がありましたが、大した額では無かったところを見ると、篠沢も離婚は免れたようです。
    月日は過ぎ、何も知らない妻の親兄弟からは冷たい男だと非難されても、私は出産に立ち会うどころか、生まれてからも一度も顔を出しませんでした。
    「何も知らない馬鹿達が、好き勝手な事ばかり言いやがって。親兄弟と縁を切れ。嫌なら出て行け」
    「すみません。今後一切の付き合いを断わりますから許して下さい」
    妻は私に逆らう事はせずに、ずっと私の顔色を伺いながら暮らしていました。
    「ギャーギャーうるさいから早く黙らせろ!」
    勿論子供を抱く事も無く、面倒を看る事は一切しませんでしたが、ハイハイが出切るようになると子供は私の側にばかり寄って来ます。
    「どうにかしろよ!外に放り出すぞ」
    「ごめんなさい。こちらにいらっしゃい」
    しかしこの頃になると、子供に対して妻の前では素っ気無くしていても、妻の目を盗んでは抱き締めてあげるようになります。
    そして片言が話せるようになると、最初に覚えた言葉はパパでした。
    「パパ・・・パパ」
    当然これは妻が教えたのですが、これだけ懐かれては可愛くないはずもありません。
    「もう養育費はいらない。俺を裏切った罰として、香代一人で育てさせる事にした」
    篠沢にはそう電話しましたが、これは勿論強がりで、私の子供として育ててみたくなったのです。
    これは妻によく似た、女の子だった事も大きかったと思います。
    これが男の子なら、やはり篠沢と重なって見えたかも知れません。
    娘はすくすくと成長し、14歳という多感な時期を迎え、妻はと言えば48歳になっても保育師の仕事を続けながら、娘の学校の役員まで引き受けて多忙な生活を送っていました。
    「明日は金曜だから、香を連れて会社の近くまで出て来い。3人で夕飯でも食おう」
    「明日ですか?明日は接待で遅くなるから、ホテルに泊まると・・・・」
    「ああ。急に向こうの都合でキャンセルになった」
    「ごめんなさい。明日は役員の親睦会が・・・・・・」
    「そんなものは欠席しろ!」
    「駄目なの。親睦会の前に大事な会議もあるから休めないの」
    妻は私を裏切った事への償いのつもりか、娘の将来を思ってかは分かりませんが、あれ以来ずっと私には逆らった事は無く、未だに私の顔色を伺いながら生活していました。
    私もそのような生活に慣れてしまったために、妻の都合で断られた事に無性に腹をたててしまいます。
    「もういい。今後絶対に誘ってやらん」
    「ごめんなさい。そう言わずに許して下さい」
    私はその後も妻を汚い言葉で責め立てたものの、弁当を買って帰って娘と二人で食べていると、これも良いものだと思っていました。
    しかしその後、何気ない娘の話から一気に食欲がなくなります。
    「お母さんも大変ね。先週は職場でトラブルがあったとかで夜遅かったし、その前の週は役員会の後カラオケに連れて行かれたと言って、凄く遅く帰って来たらしいわ。私は眠ってしまっていたけれど」
    先週は私が出張の時で、その前の週は私が残業で遅くなったために、会社の近くのビジネスホテルに泊まった時でした。
    そしてその日、11時を過ぎても帰って来ないので携帯に電話すると、呼んでいても妻は出ずに、帰って来たのはそれから一時間も経ってからの事です。
    「起きて待っていてくれたの?遅くなってしまってすみません」
    妻はそのままお風呂に向かおうとします。
    「ここに座れ!どうして携帯に出ない!」
    「ごめんなさい。二次会のカラオケがうるさくて気付きませんでした」
    「先週も先々週も、俺が留守の時に限って遅くまで遊び歩いていて、香織を一人で留守番させていたらしいな。いったいどう言うつもりだ!」
    「ごめんなさい。たまたま重なっただけで、あなたが留守だから遊んでいた訳では」
    「今日もそうだが、子供を放っておいて何のための役員会だ!会長に文句を言ってやるから名簿を出せ!」
    妻の顔色が変わりました。
    「今日は遅いから。今度この事について話しますから」
    しかし私は自分の言葉で気持ちが昂り、更に怒りが増していきます。
    「こんな時間まで母親を引っ張っておいて、遅いも糞もあるか!いいから早く出せ」
    「名簿は無かったと・・・・・」
    「役員名簿も無い役員会なんてあるか!」
    更に私のテンションは上がっていきます。
    「確か会長は、駅前のスーパーの親父だと言っていたよな。今から行って来る」
    妻は立ち上がった私の足にしがみ付きます。
    「会長は欠席だったの。だから会長は何も知らないから」
    妻は自分の言っている矛盾に気付きません。
    今日は大事な会合もあるからと言って私の誘いを断っておきながら、会長は来なかったと言うのです。
    私は妻が隠し事をしていると確信しました。
    「じゃあ誰と誰がいたのか、名簿を持って来て説明してみろ」
    妻が動かないので「今日は欠席していても、会の事は全て会長の責任だから行って来る」と言って立ち上がると、妻は慌てて一枚のプリントをもって来ましたが、上部に手を置いて説明する妻を不自然だと感じました。
    「この林さんも来たし、次の佐野さんもいたし」
    私が不意に手を払うと、妻の手に隠れていた二人いる副会長の一人に、忘れたくても忘れられない名前を見付けます。
    小学校の時は校区が違うので忘れていましたが、中学校では同じ校区になり、しかも一つ上にあの時生まれた息子がいるのです。
    「篠沢と会っていたな?違うと言うなら、さっき一緒にいたと言っていた奥さん達に、今から電話して聞いてみるが」
    「ごめんなさい」
    私は目の前が真っ暗になりました。
    全身の力が抜けてしまい、悲しすぎて涙も出ません。
    「でも話していただけ。彼とは何も無いの」
    「こんな遅くまでこそこそと会っていて、俺にそれを信じろと言うのか!他に何か言いたい事があれば聞いてやる。無ければすぐに出て行ってくれ」
    俯いていた妻は顔を上げ、私の顔を見ました。
    「香と二人だけで会ってみたいと言うから、それを断わっていただけです」
    篠沢は妻に「一度香を見掛けたが、俺の娘だと思ったら可愛くて仕方が無い」と言ったそうです。
    「脅されたんだな!香に真実を話すと言って脅されたのだな!」
    妻は私を裏切ったのではなく、脅迫されて仕方なく二人で会ったのだと思いたくて必死でした。
    しかし妻は俯いてしまいます。
    「脅迫までは・・・・・・・・私がそう思っただけで・・・・・・」
    翌日私は篠沢を呼び出しましたが、篠沢は悪びれた様子も無く、淡々と話をします。
    「脅迫?一度娘と食事でもしてみたいと言っただけなのに?」
    「俺の娘だ!」
    「戸籍上は」
    私は助手席の篠沢を掴みました。
    「暴力ですか?殴りたければ殴って下さい。ただ警察沙汰にならない程度にお願いします。父親が暴行で逮捕。その相手は母親の元恋人で、本当の父親だった。これでは娘があまりに可哀想だ」
    私は篠沢を殴れませんでした。
    「今後妻には近付くな!勿論娘にもだ!」
    「そうします。ただ向こうから近付いて来た時までは約束出来ません。血の繋がりとは不思議なもので、どうしても吸い寄せられていってしまう。香代もそうです。本当の父親と母親という深い繋がりがあるから、引き寄せられてしまう事もある」
    私は恐怖に脅えながら帰って来ました。
    それは妻が私から離れていってしまうかも知れないと言う恐怖だけで無く、それに伴い、娘までもが私の手から離れていってしまう恐怖でした。
    「二度と会うな!」
    「はい・・・・・・すみませんでした」
    しかしそれから一ヶ月ほど経った金曜の夜、突然篠沢の奥さんから電話が掛かります。
    「奥様はご在宅でしょうか?」
    「妻は保母の研修会に行って、明日にならないと帰りませんが」
    「主人も出張だと言って出て行きましたが、すぐに処理しなければならないトラブルが起こったので、宿泊先を教えて欲しいと部下の方から電話がありました。会社には
    明日遠方で親戚の結婚式があるから休むと言ったらしくて」
    私は奥さんの言いたい事が分かり、すぐに妻の携帯に電話しましたが、篠沢と同じで妻の携帯も電源が切られていて繋がりません。
    私は全てを悟りました。
    いえ、最初に子供を作りたい相手が篠沢だと分かった時に、既に悟っていたのかも知れません。
    二人が再会した時、妻も篠沢も愛が続いている事を確認したかった。
    しかしお互いに家庭があり、それを壊す勇気はない。
    お互いに離婚して一緒になろうとは言い出せず、妻が子供が出来なくて悩んでいる事を話した時、二人の中で暗黙の了解があった。
    そう考えると子供が欲しい、授けてやりたいと言うのは自分達に対する単なる言い訳で、二人の愛を確認したいのが本音だった。
    篠沢が妊娠させないように外に出していたのは、おそらく妻も気付いていたのでしょう。
    妻も妊娠して会えなくなるのが辛かった。
    しかしそれでは私に対する罪悪感も大きくなるので、自分の中で子供を儲ける事が最大の理由となっていく。
    そして私に全てを知られ、もう会えなくなると思った時、何らかの形で繋がっていたい二人の思いが一致して、その時本当に子供を作る気になったのかも知れません。
    先月再会してからは、役員会がある度に身体の関係を重ねていたと思います。
    素直に愛を告白してしまって今の生活が壊れるのを恐れた二人は、篠沢が悪者になり、妻が被害者になる事でお互いを納得させた。
    篠沢は娘に会わせてもらえない代わりに妻を抱いているのだと自分を納得させ、妻もまた娘を傷つけないために、仕方なく抱かれていると自分を納得させた。
    しかしお互いに分かっていた。
    自分達が愛し合っている事を。
    結局妻は、私の元に帰って来る事はありませんでした。
    これは私と篠沢の奥さんしか知りませんが、旅行の帰りに事故にあった時、篠沢のズボンのファスナーは開いていて、そこから飛び出していたオチンチンを、妻は強く握り締めていたそうです。
    あれから二年。
    娘は勉強の他に炊事洗濯などの家事もこなし、妻の代わりとして頑張ってくれています。
    娘がいなければ、妻を恨んで供養もしなかったでしょう。
    正直最初の頃は供養している振りをしているだけで、心から手を合わせる事は出来ませんでした。
    しかし、今では毎晩手を合わせて妻と話します。
    一日の出来事を話し、悩みを相談する事もあります。
    妻の裏切りを考えれば今でも悔しいのですが、それがなければ、私はこのような素晴らしい娘の父親にはなれませんでした。
    辛かった事も悔しかった事も、全てがあってこの娘の父親になれたのです。
    それともう一人、妻は素晴らしい女性と廻り合わせてくれました。
    妻と篠沢は愛し合いながらもつまらない意地と若さ故の理由で別れ、後に二人の子供を儲けますが一緒に育てる事は出来ず、その後また中学校の役員同士という形で再会して裸で抱き合います。
    そして最後は、二人一緒に一生の幕を閉じる。
    妻と篠沢の物語をドラマにすれば、妻と篠沢は悲劇の主人公で、私とその女性は脇役だったでしょう。
    私達は何も悪い事はしていないのに、二人の愛を邪魔する、嫌われ者の役どころにされたかも知れません。
    しかし今は私とその女性が主役で、同じ傷を持つ者同士、週に一度は会って愛を交換し、お互いの子供が手を離れたら一緒に暮らす約束もしています。
    妻が私の中に篠沢を見て、篠沢は彼女の中に妻を見ていたのと同じように、私は彼女の中に妻を見ていて、彼女もまた私の中に篠沢を見ているのかも知れませんが。

     

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