【友達と】反逆のみくる【エッチ】 オナネタ専用エッチな体験談

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    【友達と】反逆のみくる【エッチ】


    朝比奈みくるは思った。てめえハルヒ調子乗ってんじゃねえよ、と。ふざけるのも大概にしやがれ、と。
     涼宮ハルヒ。
     悪逆の限りを尽くすこの下級生の名を、みくるは死ぬまで忘れることはないだろう。
     廊下を歩いているところをあの糞女に捕まってから、本当に散々な目に合わされてきた。
     一番頭にきたのは、やはり初日の拉致監禁だ。
     SOS団なんていう訳の分からん部活に入部させられ、生きがいだった書道部を辞めざるを得なくなった。
     思い出すだけでも血管がぶちキレそうだった。
    「ふざけんじゃねえよ、糞がっ!」
     みくるは可愛らしい声で悪態を吐きながら、自作のハルヒ人形を壁に投げ付けた。
     ハルヒに苛められた日は、家に帰ってから、ハルヒに模したハルヒ人形に、こうして報復を加えることにしていた。
     なんだか最近は、ほとんど毎日のように、ハルヒ人形を痛めつけているような気がする。
     だがこんなことでは気が済まない。長年に渡ってハルヒに与えられてきた屈辱は、こんな程度で収まるものではないのだ。鬱屈は溜まる一方だった。
    「やってらねえよ、マジでよぉ……」 
     制服は剥ぎ取られるわ、コスプレはさせられるわ、胸は揉みしだかれるわ……。
    「全部セクハラじゃねえか!」

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     怒りのあまり、手がプルプルと震えてくる。
    「なんで下級生にセクシャルハラスメント受けなきゃなんねえんだよ! ハルヒてめえ女のくせしやがって、セクハラしてんじゃねえよ!」
     喚きながらハルヒ人形にトコトコと近寄り、思いっ切り蹴り上げる。
    「あうっ!」
     人形は蹴っ飛ばすことには成功したが、勢い余って足を上げすぎ、その場に尻餅を着いてしまった。
    「糞が! てめえハルヒ! 人形まで私を馬鹿にすんのかっ!?」
     子供のように小さな手をギュッと握り込み、みくるは加減もせずに壁へ叩き付けた。
     手の甲にジーンと痺れるような痛みが湧き上がる。
     みくるは我慢の限界にきていた。猫を被って、糞みたいな下級生どもに媚びへつらうのは、もうたくさんだった。
    「つがいの男も、なんでハルヒに絡まれてる私を助けねえんだよっ! 普段は調子の良いことばっかり言ってるくせしやがって! 口だけ野郎が!」
     壁から手を離し、もう一度、壁に拳をぶつける。
    「いつもヘラヘラ笑ってるあの男も! てめえの笑顔は癇に障るんだよ!」
     SOS団は本当にムカつくことばかりだった。
    「それから無言で本を読んでばっかのあの女! 私を助ける気はねえのかよ! てめえなら簡単に出来るだろうが! しかも何ちょっと混ざりたそうな顔してんだよっ! こっちは遊んでんじゃねえんだよ! 必死! マジ必死! 苛めれて必死に抵抗してんだよ! それをてめえ、本を読むフリをしながらチラチラと見てんじゃねえよ!」
     いつも部室で溜め込んでいた思いを大声でぶちまけ終え、みくるは荒い息を吐いた。
    「はあっ、はぁ……はあぁっ……どちくしょうが……」
     そもそも、最初に部室へ拉致された時、すぐさまハルヒの鳩尾に拳を沈めて、あの女の意識を奪うべきだった。
     横にいたヘタレ男はどうせ何も出来やしなかっただろうし、それ以上ハルヒに危害を加えずその場を立ち去れば、あの根暗女も手を出してはこなかっただろう。
     それをしなかったせいで、あれ以来、ハルヒにはナメられっ放しになっていた。
     やはり、『何でかかか鍵を閉めるんですかっ』なんて、そんなどうでもいい突っ込みを入れている場合ではなかったのだ。
    「私としたことが、とんだドジを踏んじまった」
     舌打ちしたい気分だった。
     あのとき実力行使に出なかったせいで、か弱い少女の演技を止めるタイミングすら、今までずっと掴めずにいた。
     しかし、この辺が限度というものだ。
     みくるの忍耐はもう崩壊寸前だった。
     ずっと反旗を翻す機会を窺っていたが、そんなことをしているから、今までズルズルときてしまったのではないか?
     明日やろうとか、今日は疲れているからとか、きのう生理が始まったからとか、そうやって反逆計画は延び延びになってきた。
     なんだか、タイミングなんて単語は、チャンスを逃すために作られた言葉だとさえ思えてくる。
    「もう、いい。もういい加減、未来人たる朝比奈みくるの恐ろしさを、あの糞生意気でいけ好かない下級生に、しっかりと身体に教えてやろうじゃねえか。手前のしてきた悪逆非道の数々を、百倍にして返してやろうじゃねえか!」
     みくるは長年の計画を実行に移す決意をした。

     翌朝。
     通常よりも早く家を出た朝比奈みくるは、涼宮ハルヒの登校ルートで、彼女が姿を現すのを待っていた。
     目的は拉致監禁。
     ハルヒの身柄を確保した上で、誰の邪魔も入らない自分のマンションでじっくりと虐め抜くつもりだった。
     そのためにも、どうにかしてハルヒを拉致する必要がある。
     正面から堂々と襲ったら、運動神経抜群のハルヒに返り討ちにされてしまうだろう。油断しきっているハルヒに後ろから初撃を入れることは出来るかもしれないが、それ以上は無理だ。腕力差がありすぎる。みくるは女子高校生としても相当にひ弱な部類に入る上、一方のハルヒは相当に強靭な部類に入る。まともにやり合って勝てる相手ではない。
    「まったく、この非力な身体が疎ましい」
     なるべくならハルヒをこの手でねじ伏せたかったが、それは諦めざるを得なかった。
    「こんな得物を使う破目になるとはな……」
     みくるは不自然に盛り上がっているスカートの膨らみに手を添えた。布越しに硬い感触が手の平に返ってくる。
     これが拳銃ならば良かったのだけれど、現実はそう簡単にはいかなかった。普段から役立ちそうなブツを探してはいたが、拳銃の入手方法はついに今日まで分からず仕舞いだった。銃刀法などという、みくるにとって鬱陶しいことこの上ない法律がある日本では、一般人が拳銃を入手するのはそれなりの困難が伴った。ツテがあれば話は違うのだろうが、生憎ただの女子高生であるみくるには、そんなやくざな知り合いなんて存在しなかった。
     結局、みくるが入手できる範囲で考えた凶器はスタンガンだった。これならば一瞬で相手を無力化できる上、一般人のみくるでも容易に入手可能だ。スタンガンはすでにだいぶ前から通販で手に入れていた。
    「ただ、なあ……ハルヒのやつに押し付けないと使えないってのがな……」
     入手難度が低い分、使用時にリスクが付いてくるのは仕方ない、と割り切るしかないだろう。
    「どの道、引く気はねぇけどな」
     みくるは自分に言い聞かせるようにそう呟いて、周囲に注意を向け続けた。

    「あっ、涼宮さぁんっ」
     しばらくしてからハルヒの姿を視界に捉え、みくるはなるべく普段通りの可愛らしい声を上げた。 ハルヒがこちらに気付き、少しだけ驚いた顔をした。
    「あれ、みくるちゃん? どうしたの? みくるちゃんの家はこっち側じゃなかったと思うけど?」
     みくるはハルヒに駆け寄って微笑んだ。
     確かにハルヒの言う通り、みくるのマンションはここから学校のさらに向こうにある。
    「そうなんですけど、ちょっと涼宮さんに伝えたいことがあって」
    「ん? なに?」
    「えっとぉ……」
     待ち望んだ瞬間。自然と頬が緩む。
           
    「実はですね、涼宮さん。私、貴方のことが大嫌いなんです。これ、知ってました?」
    「え……?」
     キョトンとしているハルヒに構わず、みくるは何気ない仕草でスカートのポケットに手を入れた。スタンガンを取り出し、制服の上からハルヒの下腹部に当てる。
    「……?」
     ハルヒは怪訝な顔をしてみくるの腕を見た。自分の身体に何が当たっているのか、まるで分かってないようだ。まさかスタンガンを押し付けられているとは、夢にも思っていないだろう。
     みくるはハルヒに笑い掛けながら、スタンガンのスイッチを入れた。
    「うぐっ……!」
     ハルヒの全身がビクンッと跳ねて、その場に崩れ落ちた。
     みくるは得意げになって、足元に倒れ込んだハルヒを見下ろした。
    「なぁんだ、意外に簡単じゃねえか」
     予想以上に上手く行き、みくるは可愛らしくほくそえんだ。
     まさか一発で気絶するとは思わなかった。ネットで懸命に調べ上げ、四苦八苦しながらスタンガンを改造した甲斐があったというものだ。一体どれだけ威力が上がっているのかは想像も付かないが、少なくとも必要な威力は満たしていたようだ。
    「っていうか、ひょっとして死んでね?」
     地面に仰向けで倒れているハルヒの横腹に、軽く蹴りを入れてみる。
    「うっ……うぅっ……」
     ハルヒは呻き声を上げながら、閉じたままの目蓋を小刻みに震えさせた。
    「ちゃんと生きてんじゃん」
    「み、みくる、ちゃん……?」
     ゆっくりとハルヒの瞳が開かれていく。
     朦朧としているようではあるが、今の蹴りでもう意識が戻ったようだ。驚嘆すべき回復力といえる。
     だが、ここまでだ。みくるがそれに気付いたからには、もう二、三発ほど電撃をお見舞いするだけで、ハルヒに抵抗の余地はなくなるだろう。
    「けど、その前に、と……」
     みくるは地面に膝を着いて、ハルヒの耳元に唇を近付けた。
     まだ電気ショックのせいで身体を動かせないハルヒに対して、満面の笑顔を浮かべながら、囁くように語り掛ける。

    「生きていてくれたんですね、涼宮さん。良かったです。あっさりと死なれたら、もう虐めることが出来なくなっちゃうじゃないですか。でも、もう大丈夫みたいですね。安心しました。本当に良かったです。これからたっぷりと悶え苦しんでもらう予定なので、楽しみにしててくださいね。どうか、心行くまで泣き叫んでください。あ、お礼なんて言わなくてもいいですよ。私だって、すごく楽しみなんですから。ううん、それだけじゃないです。いつも偉そうに振舞っている貴方が、プライドをかなぐり捨てて許しを乞う時のことを想像するだけで、私、なんだか興奮してしまうんです。涼宮さんは一時間ムチを打たれ続けても屈しないかどうか……そんなことを考えているだけでも、楽しくなってくるんです。あれ? 蒼褪めた顔をして、どうしたんですか? やだ、口をモゴモゴさせているだけじゃ、何を言っているのか分かりませんよ。もういちど電気ショックを受ければ、意識がハッキリするかも知れませんね。ん? 必死に首なんか振って、おねだりでもしているつもりですか? そうですか、スタンガンが気に入ったのですね。分かりました。一応、ムチとかロウソクとか、そういうSM道具も一通り揃えてみたのですが、電気で責めるというのもいいですね。今から試してみましょうか。多分、今の貴方に電気ショックを与えたところで、気絶するだけだとは思いますが。あ、気を失ったくらいで止めたりはしませんから、安心してください。三回連続でスイッチを押しますので。気絶、覚醒、気絶って上手いこといけばいいのですけれど、どうなるでしょうか? ……まあ、それはともかく、いくら人通りのほとんどない道端とはいっても、調子に乗って長居していたらイレギュラーが起こりかねませんし、さっそく電気を流させてもらいますね。二発目で涼宮さんの目が覚めなかったら、とりあえずはそこで終わりにして場所を移動することにしますけど、もし覚醒したら、ちゃんともういちど電気で気絶させてあげますから、何の心配もいりませんよ。もっとも覚醒出来なかったとしたら、涼宮さんの大好きな電気ショックを受けられる数が減ってしまいますけどね。貴方の自覚できる数で言うと、二回分も損をすることになりますので、二発目でしっかりと覚醒できるよう、祈っておくことをオススメします。……ん、何故ここで首と振るんですか? それだとまるで、電気ショックなんていらないって言ってるみたいじゃないですか。そんなわけないですよね。だって、あんなに気持ち良さそうに悶絶してましたものね。女の子は気持ちよくなりすぎると、絶頂というのに達して気絶してしまうんですよ。知っていました? 私は最近知りました。エッチな漫画にそう書いてあったんです。おや、どうしました? 私の読んだ漫画が間違っているとでも言いたげですね。そんなこと言うと、私、怒っちゃいますよ? 電池がなくなるまでスタンガンのスイッチを押し続けちゃいますよ? ああ、嘘です。ウソウソ。そんなに怖がらないでください。可哀想に、肩が震えちゃってますね。あら、肩だけでなく、全身が震えちゃってるじゃないですか。落ち着いてください、涼宮さん。大丈夫です、貴方は電気責めが好きなのですから、たとえ本当に電池がなくなるまで電気ショックを受けても、きっと耐えられますよ。だから、ほら、いつまでもガタガタ震えないでください。いい加減、鬱陶しいですよ。あ、でも、そうやって口をパクパクしているのは、ちょっと可愛いかも知れませんね。お魚さんみたいです。餌を求めて群がってくるコイを思い出します。子供の頃に見たことがあるのですが、ちょうど今の涼宮さんみたいでしたよ。そうだ、せっかくですから、その可愛いお口にスタンガンを突っ込んであげることにしましょうか。うん、これは名案です。思わず自画自賛したくなります。それでは、と。……ああ、もう、ちょっと涼宮さん、駄目じゃないですか。しっかり口を開けていないから、歯に当たっちゃったじゃないですか。歯茎から血が出ていますよ。……ちょっと、なに泣いてるんですか。そんなに痛かったんですか? 私のせいじゃないですからね。口を大きく開けておかなかった涼宮さんが悪いんですからね。泣き声を上げずにポロポロ涙を流したりなんかして、それで同情を誘えるとでも思っているんですか? そんなことをされても、ムカつくだけなんですけど? せめて普通に泣いてくださいよ。声を殺して泣いてるのを見ると、なんかイラッときますから。……あ、もしかして、電気ショックのせいで、上手く声が出せないんですか? そうですか、なるほど。だったら納得ですね。はい、いくらでも声を出さずに泣いていいですよ。私はその間にスタンガンを……って、また歯に当たっちゃったじゃないですか。わざとですか? わざとなんですね? ならもういいですよ。私にだって意地があります。絶対に涼宮さんの口の中に、スタンガンを突っ込んであげますから。じゃあ、いきますよ。えいっ、えいっ、えいっ! やった、なんとか入りましたね。大丈夫ですか? 勢い余って拳まで口の中に入ってしまいましたけれど、顎が外れてたりしませんよね? それに、唇の端も少し切れているような? ……まあ、そんなこと、私にはどうでもいいんですけれど。涼宮さんも気にしないでくださいね。どうせ、もうすぐこれくらいのことなんて、全然大したことじゃないって思えてきますから。何故かなんて、そんな分かりきったことは聞かないでくださいね。うん、じゃあ、涼宮さんも電気ショックを待っているみたいだし、スイッチを入れますね。口の中の粘膜に直接スタンガンを押し当てているので、効果は抜群だと思います。良かったですね。おやおや、どうしましたか? 手足をジタバタさせたりなんかして。まだ電気ショックから立ち直っていないのですから、そんなことをしても、起き上がることは出来ませんよ。ましてや、私の手を振り払うなんて、不可能です。分かりましたか? 理解できました? 状況をしっかりと把握したら、たっぷりと絶望してくださいね。スイッチは三回連続で、えっと、そうですね、五秒間隔で押すことにします。私がちゃんと声に出してカウントするので、よく聞いていてください。やだ、涼宮さん。目を見開いて私のことを凝視なんかしないでください。そんなに催促しなくても、今から電気を流しますよ。では……」

     一分後。
     意識を失くしたハルヒを背負いながらスクーターに乗り、みくるは完全防音が施されている自分のマンションに戻った。

    朝比奈みくるは、かつてないほどの高揚感に包まれていた。
     ついに憎き涼宮ハルヒを存分に甚振れる日が来たのだ。
     恨んでも恨み切れなかった相手が、今、自分のマンションの部屋の中で、無防備にその身体を晒している。この光景が目の前で展開されることを願わなかった日はない。何度となく空想の中で繰り広げてきた復讐劇が、現実のものになろうとしていた。
    「あはははっ! ざまあねえな、涼宮ハルヒ! テメエは今から、この私にボコボコにされんだよ! 恐いか!? 恐いだろうなぁっ! 自分のしてきた悪行をちょっとでも思い出せば、どんな仕返しをされるのか分かろうってもんだよなあ! 楽しみにしてな! 人間としての尊厳を徹底的に否定してやるよっ!」
    「…………」
     ハルヒが言葉を返すことはない。彼女はまだ、路上での電気ショックから意識を失ったままだった。フローリングの床の上で、制服姿のまま仰向けになっている。
     それでもみくるは、構わずに大声でハルヒを罵倒する。
    「テメエいつまで服着てんだよっ! 私のマンションじゃあ、テメエは全裸以外は許されねえんだよ! さっさと脱ぎやがれ!」
     そう言いながら、みくるは乱暴にハルヒの制服を引き裂きに掛かった。
     両手で制服の胸元を掴み、それぞれの手を思いっ切り反対方向に引っ張る。
    「うぐぐぐっ! くっ、ぐううううぅっ!」
     みくるは全力で引き千切ろうとしているのだが、制服は僅かに裂け目が入るだけで、なかなか破り取ることは出来なかった。
    「ああっ、もう!」
     業を煮やし、制服から手を離す。
    「もういい! そんなに私の手で脱がされたくないんだったら、自分で脱いでもらおうじゃねえかっ!」
     スタンガンで脅せば、きっと泣く泣く自分の手で全裸になるだろう。
     みくるはその考えに自分で納得し、なんとか気持ちを落ち着けた。
     とりあえず、目を覚まさせる前に、口を塞いでおく必要がある。いくらこの部屋が防音処理を施されているからといって、用心するに越したことはない。
     みくるはハルヒのスカートの中にスッと手を入れた。
     ショーツの両端を掴んで、スルスルと引き下ろしていく。
     純白のショーツを両足から引き抜くと、みくるはそれをハルヒの口の中に突っ込んだ。
    「ん、んご……ごぁ……」
     ハルヒは気を失いながらも呻き声を上げたが、みくるは意に介さず、テーブルの上に用意しておいたボールギャグを手に取り、ショーツを詰め込んだままの彼女の口にそれを装着させた。
     これで悲鳴を上げることも助けを求めることも出来ないだろう。
    「さぁて、あとはもう私の思いのままだ。死ぬほど辛い目に遭わせてやるよ、涼宮ハルヒ」
     みくるは唇の端を吊り上げながら、スカートのポケットに手を入れてスタンガンを取り出した。
     ハルヒの太ももにスタンガンの先端を当てて、おもむろにスイッチを押す。
    「むごおぉっ、ぐ、ぐぁ」
     喉の奥から搾り出したような呻き声を上げながら、ハルヒが緩やかに目を開けた。そんな簡単な動作ですらひどく緩慢なのは、おそらく電気ショックのせいだろう。
    「う、うぐ、むぐぅ……」
    「あはっ。何を言ってるんですか? 呻いているだけじゃあ、何を言っているのか分からないじゃないですか。しっかりと喋ってくださいよぉ」
    「ぐ……ふぐ、ぐ……」
     ハルヒの顔に恐怖の色が浮かび上がった。眉が歪み、頬が引きつり、目には薄っすらと涙まで滲んでいる。
     普段の彼女からは想像も付かないような表情だった。
     誰に対しても決して臆することのない涼宮ハルヒが、この私を恐れている!
     ハルヒの顔を見てそう考えたみくるは、心底から歓喜に打ち震えた。
    「ははっ! そう、それだよ! 私はその顔を見たかったんだよ! もっと! もっと恐怖に満ちた顔を見せてみろ!」
     みくるの言葉を聞いて、ハルヒは目を見開いた。
     それを見たみくるはニッコリと笑った。
    「ごめんなさぁい。突然おおきな声を出しちゃって、びっくりしましたよね? ちょっと素が出ちゃいました。てへっ。でも、もう大丈夫ですよ? ほら、いつもの可愛いみくるちゃんに戻ってますよね? 安心してください。もう声を荒げたりはしませんから。あ、でも、だからといって、別に手加減する訳じゃないですからね。宣言します。私は、しっかりと貴方をボロボロにしてあげまぁす」
    「うううっ、む、むぐっ、んむうっ……!」
     ボールギャグがモゴモゴと蠢いた。ハルヒが何かを言おうとしているようだったが、みくるにはさっぱり意味が通じなかった。どうせ、ヤメテだのユルシテだの、そういう類の懇願だろう。たとえ違ったところで、みくるに興味はない。これからどうするかは、もうキッチリと心に決めているのだ。今さら何を言われたところで、変更する気は全くない。
    「んぐうぅ、ぐ、ごおぉ……おぶ、ぐううっ!」
     必死に言葉を紡ごうとしている様子からすると、どうやらみくるの言葉は、余計に恐怖心を増大させる結果にしかならなかったようだった。
     もっとも、別に本気でハルヒを安心させようとした訳ではないので、別にどうということもない。
     ただ、自分の意図とは違う反応を示されるのは、少しだけ不愉快ではあった。
    「ふざけんじゃねえよっ、テメエ!」
     みくるは感情に任せてハルヒに罵声を浴びせた。
     少しだけ。不愉快だと思ったのは本当に少しだけだ。けれどもそれだけで充分だった。ハルヒに怒りをぶつける理由は、たったそれだけでも充分過ぎるくらいだ。それが今の二人の関係なのだ。
     スタンガンで武装したみくると、電気ショックで身体が思うように動かないハルヒ。立場の違いは明らかだった。
     みくるは、ハルヒの太ももに押し当てたままだったスタンガンのスイッチをもう一度入れた。
    「ふぐううぅっ!」
     ハルヒの全身がビクンッと跳ねた後、スタンガンが直接触れていた右足が痙攣する。
    「うぅ、うく……んんぅ……」
    「やだ、涼宮さん。涎が垂れていますよ。汚らしい。よく平気でいられますね」
    「う、うぅ……」
     唇の端から、確かに唾液がダラダラと垂れ流しになっていた。しかしそれは、ボールギャグを噛まされていては当然のことだ。電気ショックの影響も多少はあるかも知れないが、口を大きく開けて玉を咥えていれば、誰だって唾液を溢れさせてしまうのだ。みくるはそのことを知っていたが、惨めに唾液を垂れ流しにしているハルヒを見ていると、そこに付け込まずにはいられなかった。
    「いつまで馬鹿みたいにヨダレを垂らしたままでいるつもりなんですか? 汚いですよ。さすがにこれには嫌悪感を煽られます。不潔な人は嫌いなんですよ、私」
     みくるは一呼吸置いてから、満面の笑みを浮かべて言った。
    「涼宮さぁん。お願いですから、その薄汚い涎を止めてくださぁい」
    「ぐむ、ん、ぐうぅ……!」
     呻き続けているハルヒの瞳から、ツーッと涙が零れ落ちた。
     恐怖によって目尻に涙が溜まっていたところへ、さらに屈辱が上乗せされて、ついに決壊してしまったのだろう。
    「まったく情けない人ですねぇ……もういいです、好きなだけヨダレをダラダラさせていてください。考えてみれば、貴方にはお似合いですしね。うん、あとは全裸になれば完璧です。とても可哀想な姿になれますよ。さあ、服を脱いでください」
    「うぅ、うぐ……」
    「何をしているんですか。まさかとは思いますけれど、私に逆らう気なんですか? もしそうだとしたら、また電気を流すことになりますけど?」
    「ひぐ、うっ……うぶ、ううっ……!」
     ハルヒは小さく震えながら首を横に振った。
    「電気が嫌だったら、早く全裸になってください。身体が痺れて動けないとか、そんな言い訳が通用するとは思わないでくださいね。動けないというのなら、電気ショックを与えて動けるようにしてあげますよ?」
    「ふぐうぅっ……うぐっ、むぐぐっ……」
     みくるの言葉を聞いて、ハルヒは慌てて起き上がろうとした。
     床に手を着くまではなんとか出来たが、その手は大袈裟なくらいにブルブルと震えていて、上半身を起こすことすらなかなか出来ないようだった。
    「ほらぁ、グズグズしないでくださぁい。早く全裸になってくださいよぉっ!」
     みくるはつま先でハルヒの脇腹を突いた。全力で蹴ったわけではないが、無防備なところにヤクザキックを見舞われては相当に苦しいだろう。
     実際、ハルヒは脇腹を押さえながら辛そうに呻いていた。
    「うぐうぅ、ううっ、うむぅ……!」
    「ちゃんと手は動くじゃないですか。それなのに起き上がれないなんて、そんなのおかしいですよね? 涼宮さん、もしかして私のこと、ナメてます?」
    「うっ、うぐっ……ふぐぅ……!」
     ハルヒはブンブンと頭を振ってみくるの言葉を否定する。
     今や彼女の目は、みくるの機嫌を恐る恐る窺っているかのように、オドオドと頼りなげなものになっていた。
    「だぁったら、なんでさっさと服を脱がないんですかぁっ!? 行動が伴っていないじゃないですかっ!」
     みくるは苛付きながらハルヒの髪を掴んだ。
     そのまま腕を引っ張って、無理矢理ハルヒを立ち上がらせる。
    「んぎいぃっ、ぐぅ、むぐぐっ!」
     ハルヒは頭皮に走る激痛に表情を歪め、ボールギャグの奥から苦痛の声を上げた。
    「呻いてばかりいないで、立つんですよっ! さあっ!」
    「う、うぐ、むぐ……」
     痺れの残っている手足に、気力を振り絞って力を入れ、なんとか体重を支えることが出来たようだ。
     みくるはそれを見て、髪からパッと手を離した。
    「ほら、立てたでしょう? 人間、その気になれば何だって出来るんですよ。私が良い例じゃないですか。か弱い美少女でしかない私が、悪逆非道の涼宮さんをこうしてお仕置きしているんですから。やってやれないことはないんです。そうでしょう?」
    「む、むぐ、んぐ……」
     ボロボロと涙を流しているハルヒの頬に、みくるは手加減抜きで平手打ちした。 ハルヒの頬を伝っていた涙が弾け飛び、彼女の髪が風に吹かれたように舞い上がった。
    「私、涼宮さんに聞いているんですけど、何で無視するんですか? そんなに私のことが嫌いなんですか?」
     ハルヒは泣き濡れながら首を振った。ヒクヒクと肩まで震わせており、もはや完全に心を打ち砕かれているのは明らかだった。
    「泣いてないで、早く全裸になってください。あんまり何度も同じことを言わせないでくれます?」
    「うぐ、ぐ……っ!」
     ハルヒは嗚咽を漏らしながら自分の制服に手を伸ばした。
     電気の痺れのせいか、その動きはひどくぎこちなかった。あるいはあまりの状況に頭が混乱しているのかも知れない。どちらにしても、みくるは全く同情する気持ちを抱かなかった。
     上着を脱ぎ捨ててブラジャーとスカートだけになったハルヒは、手を止めてその場に固まった。さすがにそれ以上脱ぐのには躊躇してしまうようだった。スカートの下に履いていたショーツは、すでにハルヒの口の中に押し込まれているのだ。スカートを脱げば股間を晒すことになる。それがハルヒを躊躇させているのだろう。
    「ねえ、涼宮さん」
     みくるが感情の篭っていない冷めた声を出すと、ハルヒは全身を大きくビクリと震わせた。
    「何を恐がっているんですか? 大丈夫ですよ、私は貴方に酷いことなんてしません。全裸になってくれればですけれど。……なってくれますよね?」
    「ううぅ……」
    「どうしてそんなにも拒むんですか? 同じ女の子同士じゃないですか。何を恥ずかしがることがあるんです? いい加減にしてくれないと、怒りますよ? っていうか、さっきから苛々してるんですけど、分かってます? このままじゃ、涼宮さんは大変なことになりますよ? 死にたいんですか? 楽に死ねるだなんて思わないでくださいね。苦しみ悶えながら殺してあげますから。それが嫌なら、どうすればいいか分かりますよね?」
    「ひ、ひぐ……うっ、う……」
     ハルヒは震える手をブラジャーに掛けた。
     彼女自身の手によってブラが外されると、小さなピンク色の乳首が露わになる。
    「あは。可愛い胸じゃないですか。乳首もこんなに小さくて……ああ、だから下着を脱ぐのを躊躇っていたんですか? やだなぁ、涼宮さん。恥ずかしがることないのに」
     みくるは上機嫌にそう言いながら、ハルヒの乳首を摘み上げた。
    「むぐっ……!」
    「コリコリしてて良い感触ですね。ちょっと触られているだけなのに、こんなにも乳首を立たせてちゃうなんて、可愛いところもあるじゃないですか。じゃあ、その調子で、次は下も脱いでください」
    「うぅ、うぐ……」
    「早くしてください。スカートを脱ぐんですよ」
     ハルヒは何度も途中で手を止めて、みくるに叱責されながらスカートを下ろした。
     パサリとスカートが足元に落ち、ハルヒの股間が丸出しになる。
    「うっ、ううぅっ……」
    「手で隠さないでください。手は横に置いたままにするんです。『気を付け』ですよ、涼宮さん」「うく……っ!」 今まで裸を晒すまいと粘っていたハルヒだったが、ようやくここにきて諦めが付いたのか、暴れ出したりするようなことはなかった。もっとも、今の彼女にそんなことをする余力があるとは思えないが。
    「やっと裸になりましたね。もう、無駄に世話を焼かせないでくださいよ。服を脱ぐくらい、すぐに出来なくてどうするんですか」
     みくるは文句を言いながらも満足感に浸っていた。
     あの涼宮ハルヒが、小動物のように小刻みに震えながら、自分の目の前で立ち尽くしているのだ。しかも、全裸で。これほど優越感を刺激される状況はそうないだろう。
    「それにしても、綺麗な身体をしていますよね。まあ、私には敵いませんけれど。胸の差で負けることはありません。でも、涼宮さんは細身だし足も長いし、スタイル良いですよね。それに関しては少しだけ羨ましいです。胸の差で私が負けることはありませんけどね」
     形の整ったお椀形の乳房を眺め回してから、みくるはゆっくりと視線を下げていった。
     細く引き締まったウエストラインは、女のみくるが見てもいやらしさを感じるほど見事だった。
     それに加えて、透き通るような肌が何とも眩しく、ついつい我を忘れて見つめてしまう。
    「おっと、危ない危ない。百合に目覚めてしまうところでした。思わず抱きしめたい衝動に駆られてしまいましたよ。私はそんなことをするために貴方を拉致ったわけじゃないんです。死ぬほど虐めて、これまでの悪行を後悔させてあげるために、私の部屋に来てもらったんです。危うく自分から篭絡されてしまうところでした。こんなにも綺麗な身体をしているなんて、貴方は本当に恐ろしい人ですね。でも、もう無駄ですよ。私も気を引き締めて貴方をボコることにします」
     みくるはさらに視線を下げて、ハルヒの股間を視界に収めた。
    「え……?」
     割れ目に当然あるはずの陰毛が全く見当たらず、思わず瞳をパチクリさせる。
     ハルヒの股間は子供のようにツルツルで、一本の縦筋がクッキリと走っているだけだった。
    「あ、あははっ……涼宮さん、なんですかこれは? 下の毛が生えてないじゃないですか。私達、小学生じゃないんですよ? 高校生ですよ? 涼宮さんは高校一年生ですよね? まだ生えてきてないなんて、遅すぎるんじゃないですか?」
    「うう、うううぅっ……」
     ハルヒは顔を真っ赤にして俯いた。
     それを見たみくるが、ほくそ笑みながらハルヒの顔を覗き込む。
    「なぁんだ、全裸になるのを嫌がっていたのは、こういうことだったんですかぁ……。くふふ、やだ、もう、笑わせないでくださいよぉ。こういうの、何て言うか知ってます? パイパンって言うんですよ。涼宮さんってパイパンだったんですね。あは、あははっ……それならそうと言ってくれれば良かったのに」
     みくるは赤く染まったハルヒの頬を軽くピタピタと叩いた。
    「でも、いくら可愛らしい身体をしていても、手心を加える気はありませんから、そのつもりでいてくださいね?」
     ハルヒから離れて、テーブルの上に置いてあるビンを手に取る。きのう飲んだオロナミンCの空きビンだ。みくるはそれを、ハルヒの股間に持っていき、無毛の秘裂にあてがった。
    「うぶぅっ、うっ、んぐぅっ……!」
    「大人しくしていてください。まさかこの期に及んで、綺麗な体のままでいられるだなんて、そんな楽観的なことを考えていたわけではないでしょう?」
     暴れ出そうとするハルヒを壁に押し付け、瓶の先端を膣口に突き入れる。
    「ぐぶっ、んごぉっ、ごあぁっ!」
     ハルヒの口に押し込められているギャグボールの奥から、引き絞られたような声が上がった。
     ビンは先端が僅かに秘部へ沈んだだけで、それより先にはなかなか入り込んでいかない。
    「うぅん、上手くいきませんねぇ……。もう少しオマンコ濡らしてくださいよ。痛い思いをするのは涼宮さんですよ?」
     みくるはハルヒと鼻を付き合わせてフゥッと息を吹き掛けた。
     ビンを一旦引いて、割れ目に沿って優しく擦り上げていく。
    「む、むぐ、ぐぅ……」
     ハルヒは顔を顰めてつま先立ちになり、少しでもビンから逃れようとしていた。
    「ほらぁ、逃げないでくださいよぉ。全然濡れてこないじゃないですか」
    「うぐぐ、うぐぅ……」
    「せっかく気持ち良くしてあげようとしてるのに、何なんですか、その態度は……。涼宮さんのために濡らそうとしてるんですよ?」
     みくるは嘆息して言った。
    「……もういいです。そっちがその気なら、こっちも容赦はしません」
     再びハルヒの膣口に瓶を押し付ける。
    「えいっ!」
     力を込めてビンを突き上げて、強引に膣穴にねじ入れる。
     幼い外見をした割れ目が、ビンに巻き込まれて中に引き擦られていく。
    「ぐうっ、ぐっ……ぐぉお、んううっ……!」
    「これだけの抵抗感があるってことは、とっても痛いんでしょうね。あはっ。もっと苦しんでください」
     オロナミンCの空き瓶を三分の一ほども埋め込むと、みくるは指に生暖かい液体が流れてくるのを感じた。
    「おやぁ……?」
     可愛らしい声を上げながら手元を見る。
     破瓜の血が伝ってきたのだと分かり、みくるはニヤリと笑みを浮かべた。
    「涼宮さん、処女だったんですね。らしいと言えばらしいですし、意外といえば意外ですけれど……。とにかく貴方の処女を私がもらったことは確かです。残念でしたね、キョンくんにあげられなくて」
     満面の笑顔でハルヒに言葉を掛けながら、さらにグイッと瓶を突き上げる。
    「でも、安心してくださいね? すぐに処女を失ったことなんて、どうでもよくなりますから。処女喪失くらい、鞭を打たれて泣き叫ぶことに比べれば、全然大したことはないでしょう?」
    「ぐぅ、う……うううぅ……」
     ハルヒは恐怖で顔を歪めながら、絶望に染まった呻き声を上げた。

    涼宮ハルヒはベッドの上に仰向けの格好で寝ていた。もう何時間そうしていたか分からない。
     ベッドよりも僅かに高い位置にある机の上。そこに置いてある時計は、ベッドに寝たままだと表面が鏡のように反射して見えてしまう。そのせいで時計の針がどの位置にあるのか判別出来なかった。ハルヒは何度も寝そべったまま時計に視線を送ったが、ベッドの端が移っているガラスを確認することになるだけだった。
     ならば身体を起こして時計を見ればいいのだが、しかしそれは彼女の意思で叶うことではなかった。
     ハルヒの手足はベッドの四隅に向かって大きく広げられていた。拘束による強制力によって、ハルヒは不自由な格好を何時間も強いられているのだった。手首と足首にはそれぞれ縄が掛けれられおり、ベッドの四隅に括り付けられている。起き上がろうと手足に力を込めても、ギシギシと縄の軋む音を鳴らすことにしかならない。
     それでも諦め切れずに起きようとした痕跡がハルヒの手足にあった。手首も足首も赤く擦り切れて薄っすらと血が滲んでいる。自力で縄を解くのは絶対に不可能だと認識するまで、苦痛を堪え必死に手足を動かし続けていたせいだった。全てを諦めてベッドの上でぐったりとしている今も、小さくない痛みが断続的にハルヒを苛んでいる。だがそんなことは今の彼女にとってはどうでもいいことだった。
     早くここから逃げなければ。とても自力で抜け出せるような生易しい拘束ではないけれど、それでもなんとかして逃げなければ。
     彼女の脳裏を支配しているのはその一点だった。後悔なんてしている余裕はない。痛みを訴えてくる手足ごときに構っている暇はないのだ。
     涼宮ハルヒには地獄が待ち構えている。
     その時はすぐそこまで迫っているだろう。
     今が何時なのかは分からないが、こうして部屋に一人で取り残されてから、少なくとも数時間が経っている。あの常軌を逸した鬼畜魔が帰宅してくるまで、ほとんど猶予は残されていないはず。
     ハルヒの全身からは脂汗が噴き出していた。焦燥感によるものだ。
     自分をベッドに縛り付けて悠々と登校していった小さな悪魔は、学校が終わったら真っ直ぐに帰ってくると言っていた。
     確かに言っていた。
     笑顔で。
     誰もが保護欲をそそられるような可愛らしい笑顔で。
     あの顔を思い出しただけで怖気が背筋をゾクゾクと駆け上がってくる。この部屋に一人で残された時は、脱出のチャンスが来たと内心で喜んだものだったが、それは完全に早計だった。
     着々と悪夢の再開が近付いてくる恐怖は、ハルヒの精神をジワジワと追い詰めていた。この数時間、胃を直接握り締められているかと思えるほどの強烈なストレスにずっと襲われ続けていた。
     ハルヒは歯が音を鳴らしそうになるのを必死に抑えていた。本能の赴くままにガタガタと震え出したりしたら、感情が暴走して狂ってしまいそうな気がしていたのだ。
     焦りという感情がこれほど不快で辛いものだとは思わなかった。一瞬ではあるが、もういっそ早く帰ってきて責めを再開して欲しいと、そこまで思ったことがあるくらいだ。あくまで一瞬の気の迷いではあるが、いつ来るのか分からない存在に怯えていることに比べればまだ実際に責められている方がマシであるかのような錯覚がしたのは、もう一度や二度ではない。もちろん、本当に責めが再開されたら、今のこの状態の方がまだ良かったと思うに決まっているのだが……。
     時間が分からないというのが何よりも苦痛だった。天使のような顔をした悪魔は、それが分かっていてわざと時計を見えない位置に置いていったのだろうか。
     ただ見えないだけではない。見えそうで見えないことがハルヒを余計に苦しめる。時計の表面の反射率がもう少し低ければ時間を確認することが出来ていただろう。ほんの少しだけでいいのだ。本当にあとちょっとだけ角度が変われば時計の針が見えそうなのである。だからこそ、懸命に首を伸ばしたり身体を捻ったりしても見えないことに変わりはないというのに、つい何度も試してみなくては気が済まなくなる。
     無駄な努力を自分の意思で続けてしまう疲労感は半端なものではなかった。時計の針が見えない。ただそれだけのことで、枯れ果てたと思っていた涙が溢れてくるほどだった。
     涙はこめかみを伝って耳にまで流れてきた。瞳から零れ出たばかりのためか、妙に温かく感じた。冷え切っている股間とは正反対だった。
     ハルヒの股には大人用の紙オムツが当てられていた。身に着けているものは他には何もない。全裸にオムツという屈辱極まる格好のままハルヒはこの数時間を過ごしてきたのである。
     すでに一度、オムツの中に失禁していた。ベッドの上に放置される直前、一リットルもの牛乳を飲み干すことを強要されていたため、とても我慢し続けることは出来なかった。
     温かな感触が股間を覆ったのは、一人で部屋に取り残されてからすぐのことだ。オムツの中の小水は今やすっかり冷え切っていた。割れ目から尻たぶにまでベタベタと紙オムツが張り付いてくる気持ちの悪い感触が、失禁してからずっと続いている。あまりの情けなさに死んでしまいたいとすら思った。
     ハルヒにはもう一つの問題が浮上していた。
     お漏らしから数時間。ハルヒの膀胱は再び尿意を訴え始めていた。一度意識するとそれは急速に勢い付き、あっという間に我慢出来るかどうかの瀬戸際にまで追い詰められてしまった。
     どうせ漏らしてしまうのなら早い方がいいかも知れない。今ならば、まだ一人なのだ。股間にはすでに小水が溜まっている。それが少しばかり増えたところでどうだというのだろう?
     無駄に我慢を重ねて、もしあの悪魔の眼前で醜態を晒すことになったらどうなる? オムツを外されて股間が剥き出しの時に漏らしてしまい、ビチャビチャと恥ずかしい音を立ててしまったら……。
     きっと身を焼くような恥辱に苛まれることになるだろう。そんなのは耐えられない。だったら、今してしまうべきだ。それもなるべく早く。あの悪魔はいつ帰ってくるか分からないのだ。オムツを外された時にまだ生温かかったりしたら、まず間違いなくそれを揶揄される。出来ればそれも避けたいところだった。
    「んっ……」
     ハルヒは意を決して股間から力を抜いた。仰向けに寝ている姿勢での排尿には強い違和感が伴った。
     一度目のお漏らしは、なんとか我慢しようとしても堪えきれずに勝手に出してしまったのだが、今回は違う。自分から尿道を緩めて小便を放出しなければならない。自然と身体が強張ってしまう。
    「ん……んぅ……」
     必死になって排尿しようとしても、なかなか尿意が満たされない。
     どうやら、無意識のうちに力が入ってしまっているというだけではないようだった。
     馬鹿みたいな話だが、尿道の緩め方が分からないのだ。今までトイレで普通に出来ていたことが出来ない。それほどまでに寝ている体勢での放尿は難しかった。
     早くしてしまわないといけない。その思いがますます排尿を困難なものにしていく。
    「く、うぅ……」
     ハルヒは泣きそうな顔をしながら股間から力を抜こうとしていた。いつ帰宅するか分からない存在に怯えながら尿道口を何度もヒクつかせる。時折り腰をわずかに揺すると紙オムツがカサカサと音を立てた。
     どれくらいそうしていただろうか。額にビッシリと生汗を浮かべるほど気力を消費するに至って、ハルヒは排尿を断念した。このまま続ければいつかは出来るだろうが、地獄の使者はそういつまでも待ってはくれなかった。
     何の前触れもなく、カチリと鍵の外される音が部屋中に響き渡った。それほど大きな音ではなかったが、シンと静まり返っている部屋には充分だった。少なくとも、ハルヒに開錠を知らせ驚かせるくらいには。
    「ひっ、いぃっ……!」
     マズイと思った時には遅かった。鍵が外された音を耳にした瞬間、ハルヒの全身がビクリと痙攣して、あれほど緩められなかった尿道が一気に弛緩した。
     今まで我慢していた分、排尿の勢いは強かった。オムツを濡らしていた冷水に、大量の温水が加えられていく。混ざり合った液体は急速にオムツの中を広がっていった。ハルヒは股間に浸透する気色の悪い感覚に身震いしながら、トコトコと室内を歩いて近付いてくるみくるの足音を聞いていた。

    「涼宮さん、ただいま帰りましたよー。一人で寂しくなかったですかぁ?」
     ベッドの傍らに立つとみくるは弾むような声を発した。
     ハルヒは震え上がりながらみくるを見上げた。愛らしい微笑みがハルヒの視線を受け止めたが、みくるが上機嫌だからといってハルヒには何の慰めにもならない。この可愛らしい顔でどれほど苛烈なことを行ってきたか……。
     昨夜、処女を散らされた後に待っていた数々の責め。思い出すだけでもハルヒは竦み上がってしまう。顔が腫れ上がるくらいのビンタなど生易しい部類に入る。血が滲むほどムチで打たれた背中や、特大バイブを無理矢理に押し込まれて出血した肛門などは、一日近く経った今でもヒリヒリと痛んでいる。
    「そんなに怯えないでくださいよ、涼宮さん。ブルブル震えちゃって。それじゃあまるで、私が初めて文芸部の部室に拉致されてきた時みたいじゃないですか」
    「う、うぅ……」
     濡れたオムツの不快感すら忘れてハルヒは口をパクパクと開閉させた。許しを乞いたくても恐ろしさのあまり思うように口を動かせない。
    「その調子じゃ、一人でいる時も大声は出してないようですねぇ。もっとも、完全防音のこの部屋では意味のないことですけれど」
    「…………」
     みくるの言葉はハルヒの耳に届かなかった。
    「どうしたんです? 涼宮さん」
    「…………」
     ハルヒの視線は、スカートのポケットに突っ込まれているみくるの右手に注がれていた。
    「ああ、これですか? 心配しないでください。特に意味があって手を隠しているわけじゃないです。ただスタンガンを持っているだけですから」
     あっさりと言ってみくるはポケットから手を出した。言葉通り、しっかりとスタンガンが握られていた。
    「あ、あ……あぁ……」
     昨日いきなり襲撃された時のことを思い出し、ハルヒはガタガタと震え出した。
    「嫌ですねぇ、心配しないでいいって言ってるのに。そんなに怯えられると、意地悪したくなっちゃうじゃないですか」
     みくるはスタンガンをハルヒの下腹部に押し当てた。
    「ひぃいっ、いやあぁあっ!」
    「慌てないでください。まだスイッチは入れてないですよ。あ、でも今から入れます」
    「い、いやっ、嫌あああぁっ!」
     ハルヒは狂ったように身体を暴れさせた。といっても、四肢を縛られているので胴体をくねらせる程度のことしか出来なかった。手首も足首も縄が食い込んでくるが、それほど痛くはない。麻酔でも打たれたかのように現実感のない痛みしかなかった。頭の中は電撃への恐怖心でいっぱいになっており、痛みを正常に感じる余裕など残されていないのだ。
    「あは、あはっ。そうやって泣き叫んでいる涼宮さんって、とても虐め甲斐があって好きですよ。……って、ん?」
     みくるはハルヒの下半身に目をやって笑みを深めた。
    「おやぁ、随分とオシッコしちゃったみたいですね。少し膨らんでいますよ、オムツ」
     スタンガンがハルヒの下腹部から離れ、代わりにみくるの左手がオムツに触れてきた。
    「あ、う」
     オムツの股間部を押されると、内部の小水がオムツ全体に広がった。恥ずかしい感触にハルヒの顔が紅潮する。電撃の恐怖は去ったものの、すぐに身を切るような恥辱に襲われ、ハルヒは涙を溢れさせた。
    「ほら、こんなにグッショリしています」
     より辱めるためか、みくるはわざと音を立てるようにしてオムツを揉み込んだ。グチョグチョと恥辱の水音が鳴り、ハルヒの顔がますます赤くなる。
    「仕方ないから、スタンガン遊びをする前にオムツを替えてあげましょう」
    「い、嫌……」
    「え? 嫌なんですか? ずっとこんな汚れたオムツのままでもいいんですか? そのうちオムツの容量を超えてオシッコが溢れてきちゃいますよ?」
    「…………」
    「まったくもう。ワガママ言わないでくださぁい。本当の赤ちゃんじゃないんですから」
     みくるはベッドに上がると器用にオムツのボタンを外した。
    「うあ。オムツがオシッコを吸ってパンパンになってますね。いっぱいお漏らししちゃったんですねぇ。駄目ですよ、涼宮さん。もう高校生なんだから、少しは我慢しましょうね」
    「うっ、うくっ……」
     馬鹿にした言い方に屈辱感が込み上げ、ハルヒは嗚咽を漏らし始めた。
    「あらあら、また泣いちゃいましたか。ホント、よく泣きますね。やっぱり赤ちゃんみたいですよ」
     みくるは笑いながらオムツを取り外し、濡れタオルでハルヒの股間を拭っていった。
     排泄物の処理をされる情けなさもまたハルヒのプライドを傷付けた。

    「はい、これで綺麗になりました。涼宮さんは名残惜しいかも知れませんが、オムツはしばらく無しにしましょう。素っ裸にオムツだけ付けている姿もそれはそれで可愛いですけれど、やっぱりあなたは全裸が一番似合っていますよ。こんなに可愛らしい割れ目がありますからね」
    「あうっ」
     陰裂をくすぐられてハルヒは下半身をよじった。
    「あ、私の指じゃ不満ですか? そうですか、分かりました。それならこれはどうでしょう?」
     股間から伝わる無機質の感触にハルヒは心臓が止まるかと思った。秘部に何が当たっているのか、確認するまでもなく明らかなことだった。それでも確かめずにはいられない。仰向けの状態から必死に首を伸ばして下半身に視線を送る。
    「ひっ……」
     予想通りスタンガンが陰唇に押し付けられている光景を目にして、ハルヒは掠れた声を上げた。
    「や、やめ……許し、て、みくるちゃん……」
    「駄目です」
     短く言ってみくるはスタンガンのスイッチを入れた。
     その瞬間、ハルヒは股が破裂したかのような衝撃を受けた。目の前に火花が散ったように思えた。もちろん実際には錯覚であり、電圧を流し込まれたのは股間だ。しかしそれでもハルヒの視界は揺れ動き、世界が点滅しているように感じられた。
    「ぎっ、んぎいいぃいっ!」
     自分でも何を言っているのか分からないような叫び声が勝手に口から飛び出していく。
    「ぐあぁっ……」
     ドサッとシーツに尻が落ちてから、ようやく自分は腰を突っ張らせていたのだと気付いた。電撃に身体が反射的に動いていたようだった。
    「はあっ、はあぁっ、はあっ」
     目を見開きながらハルヒは荒い呼吸を繰り返した。
     ピリピリとした熱い痺れが断続的に股間を刺激している。縦筋から僅かにはみ出ている肉ビラが、電撃のせいで焼き切れてしまったような気がして、どうなっているのかこの目で確かめたかった。けれど、身体がまったく言うことを聞いてくれない。先ほどのように首を伸ばして恥丘を覗くことも出来なかった。
     普通の皮膚とは違い、敏感で弱い陰唇に直接電流を送られた衝撃は、それほどまでに強力だった。
     苦しみ悶えるハルヒをみくるは目を細めて見下ろしている。
    「あはは。どうです? 一発で気絶しないよう、電圧を落としておいたんです。私、優しいでしょう? あ、だからといって感謝の言葉を口にしなくてもいいです。少し面倒でしたけれど、虐めたいほど大好きな涼宮さんのためなら、このくらいなんともないですよ」
    「う、ぐ……」
    「私、優しいでしょう?」
    「…………」
     息も絶え絶えのハルヒに返事をする元気などあるはずもない。
    「私、優しいでしょう?」
     みくるは満面の笑みを浮かべながらハルヒの横に膝を着き、顔を間近で突き合わせてきた。スタンガンは股間に接触したままなので、ハルヒは生きた心地がしなかった。みくるがちょっとその気になればまた電気ショックに襲われるのだ。彼女がほんのちょっと指を動かすだけで、自分は激痛を味わうことになる。そう思うだけで泣き叫びたくなる。
    「ねえ、涼宮さん。私は優しいですよねぇ? だって、ほら、涼宮さんお気に入りのスタンガン遊びに付き合ってあげてるんですから」
     カチ、とスイッチの入れられる音が鳴った。
    「っ…………!」
     ハルヒは息を呑もうとしたが、その前に強烈な電撃を流し込まれた。小陰唇をペンチで捻り潰されたかのような鋭い痛みが走ると、ハルヒの意思とは関係なく腰が跳ね上がった。小さくブリッジのような体勢になるが、長くは続かない。一秒あるかどうかというところだ。すぐに下半身から力が抜け、腰がシーツの上に落下した。
    「あ、が……あっ……」
     一度目とは違い下肢の反射運動を最初から最後まで認識できたのは、すでに一度経験していることだからだろうか。だとしても、苦痛に慣れるようになるものではないらしく、あまり救いにはならなかった。
     むしろ二度目の電撃の方がきついような気もする。考えてみれば当然のことかも知れない。仮に殴られたとしても同じだろう。心構えが出来ていないだけ、一度目の方が精神的ショックは大きいかも知れないが、同じ箇所を殴られたならば、純粋なダメージは二度目の方が大きいに決まっている。
    「面白いように反応してくれますねぇ。私も負けないように張り切っていきますよ」
    「んんんぅんん!」
     再度の電撃。またしても腰が勝手に突き上がる。
     みくるはハルヒの股間にスタンガンを添えたまま、跳ねる腰の動きに付いてきた。陰唇からスタンガンが離れることはなく、ブリッジが崩れる直前に、再びスイッチを入れられる。
    「んひいいぃい、ひいいいっ!」
     電気ショックの連続を受けて、ハルヒの下半身はさらに高く上がろうとした。しかし足首を拘束している縄がピンと張り、それ以上の動作を許さない。
    「もうひと頑張り!」
     言いながらみくるはさらに電撃を加えてきた。
    「ああああぁっ!」
     腰を浮かせたままハルヒの身体はガクガクと波打った。縄が軋み、今までにないほどの圧力が手首にも足首にも掛かる。それでもハルヒは手足を動かそうともがいた。縄が食い込む痛みなど電撃に比べれば些細なことに過ぎない。
     両手両足の筋肉が痙攣しながら強張っている一方、股間からは力が抜け、尿道が弛緩していった。尿道口から極僅かに液体が垂れて、尻肌に伝い落ちる。膀胱がほぼ空になっているため、それ以上の尿は出てこない。なのに、尿道口はまだ排泄し足りないかのようにヒクヒクとわなないていた。もし先ほど排尿していなかったら、とっくに黄色い放物線を描いていたことだろう。
    「うぐっ、ううっ……」
     スタンガンのスイッチからみくるの指が離れると、ハルヒの身体はブリッジを解いた。意識してのことではない。気が付いたらハルヒは仰向けの姿勢に戻っていた。
     全身を揺さ振られているような衝撃は、電流が止まると同時に消えてくれたが、それで何もかも元の状態になるわけではない。ピリピリとした電気の余韻と、ジーンとした不快感以外は、下半身から何も感じなかった。
     まるで自分の身体が自分のものではなくなてしまったかのような感覚に、思わずハルヒは顎を引いて、ちゃんと足が付いているのか確認してしまった。むろんのこと下半身は消え失せていなかったが、目で見たからといって感覚を取り戻せるはずもない。結局、視線を動かしたところで、麻痺した身体に対する違和感を余計に大きくすることにしかならなかった。
    「とっても気持ち良さそうでしたねぇ、涼宮さん。身体いっぱいに悦びを表現されると、なんだか羨ましくなってしまいます。でも、いいです。今日は涼宮さんを徹底的に感じさせてあげますから、電気をたっぷり味わってくださいね」
    「あ……ぅ、あうぅ……」
     悦んでなんていないと言おうとしたが、電撃の影響で口がまともに動いてくれなかった。震えている唇の端から涎が零れる。それを自覚していても、口を閉じることすら満足には出来ない。
    「だいぶ効いているようですね。さっきはオシッコの穴だけじゃなくて、ウンチの穴もパクパクしてたの、気が付いていました?」
    「…………」
     ハルヒは顔色を失った。尿道口がヒクついていたのは自覚していたが、肛門まで反応していたとは全く思っていなかった。気付かなかったということは、それだけ肛門は電撃の影響が深刻なのではないか。あと少し電圧が高かったら脱糞していたかも知れない。これから無数の電撃を浴びせられたら、嫌でも漏らしてしまうだろう。小刻みに痙攣している身体が恐ろしさにますます震えた。
    「物足りなさそうな顔をして、どうしたんですか? ひょっとして、電気を味わいながらウンチしたかったんですか? なぁんだ。それならそうと、初めから言ってくださいよぉ。安心してください。私は優しいですから、ちゃんと涼宮さんの願いを叶えてあげます。だから何も心配せず、私に身を委ねてください」
    「ぅく……んんっ」
     ハルヒは不自由な身体を必死に動かして首を横に振った。みくるは天使のような微笑を浮かべながらそれを無視する。
    「さぁて、お漏らししても大丈夫なように、まずはオムツを下に敷いておきませんと。念のため、さらにその下にはタオルも敷いておきましょう。涼宮さんが何の遠慮もなくウンチ出来るようにしませんとね」
     にこやかに言いながらみくるはタオルとオムツを敷き詰めていった。
    「はい、準備出来ました。今日も眠くなるまで付き合ってあげますから、涼宮さんもゆっくりと楽しんでくださいね。スタンガンってけっこう飽きが来ないので、今日はずっとこれで遊んであげますよ」
    「…………」
     ハルヒはガタガタと震えながら、見開いた目でみくるの顔を見上げた。
     視界の端に映っている薄いカーテンからは、夕日が差し込み始めていた。何時なのかは分からないが、今が夕方なのは確かだ。みくるが寝るまで電気責めが続くのならば、少なく見積もってもあと二・三時間はある。多めに考えれば五時間を超えるだろう。想像するだけで震え上がってしまう。
     みくるが帰ってきてから、まだ十分かそこらしか経っていない。それがハルヒには堪らなかった。たったこれだけでも辛くて頭がおかしくなりそうなのに、この地獄はまだ始まったばかりなのだ。みくるが眠りにつくまでに果たして自分は正気を保っていられるのか、まるで自信はなかった。今すぐ発狂しても不思議ではない。こんな状態があと数時間は続くのだ……。
    「ふふ、涼宮さん。今日だけじゃなく、明日も明後日も、ずっと遊んであげますからね」
     みくるはハルヒの胸の内を読んだかのように嘲笑した。
     その言葉は、ハルヒの心を絶望に突き落とすのに充分な重さを持っていた。
     ……そう、今日という地獄が過ぎ去っても、それで全てが終わるわけではないのだ。目の前の電気責めがあまりにも苛酷すぎたため、ハルヒの頭は先のことにまで思いが及んでいなかった。
     死ぬほどの責め苦を何時間も受け続けた後に、正常な思考を保ったまま翌日を迎えることが出来たところで、翌日の拷問を待つことしか出来ないのである。明日を乗り越えたとしても、さらにその次の日にはまた同じことの繰り返しだ。ハルヒが狂うまでみくるは決して責めの手を緩めないだろう。今までの容赦の無さを考えればそれは明白だった。
    「それじゃあ、再開しましょうか。いいですかぁ?」
     みくるは薄笑いを浮かべながらスタンガンを股間に添えた。さっきとは違い、陰唇に当てるだけでは収まらず、スタンガンの先端を膣口にグイグイと押し込もうとしてくる。
     簡単には入らないと判断したのか、みくるは左手の親指と人差し指で入り口を広げた。そのまま右手に持っているスタンガンで膣口を貫きに掛かる。
    「うむぅ、なかなか難しいですねぇ」
    「ぁあ……っ、あがっ……んぅっ……」
     陰部に走る痛みにハルヒは顔を歪めた。スタンガンはハルヒやみくるの手首ほどの太さはある。そんなものが膣に入るだなんてとても思えなかった。それでもしつこく突き続けるみくるが異常としか思えない。
    「もう少し、こう、あとちょっとでいけそうな感じがするんですよね。少しでも入れば後はどうとでもなると思うんですけど」
     みくるは身を乗り出して、グッと体重を掛けてスタンガンに力を込めた。
    「が、あ……かはっ、ぁうっ……」
     秘肉を引き裂かれる激痛と、硬い物が膣内に割り入ってくる感覚に、ハルヒの口が大きく開いた。だがその口から悲鳴を上げることは出来ない。その代わりとでもいうかのように、唾がピュッと上に飛んだ。
     股間に生温かい液体が流れていく。一瞬ハルヒは汗が垂れたのかと思ったが、そうじゃないことはすぐ分かった。無理矢理スタンガンを押し込まれたせいで、膣肉から血が出てしまったのだ。
    「入っちゃいましたねぇ。ちょっと無謀かと思っていたのですが、やってみればなんとかなるものです。良い教訓になりましたね」
     みくるはにっこりと笑った。
    「っ……ぁっ……」
     すでにスタンガンはそれなりに埋没しているようで、みくるは最初の一突きよりも奥へ入れようとはしなかった。スタンガンがすっぽりと中に入ってしまったわけではない。まだいくらか余裕はあるはずだ。みくるがそこで止めたのは、これ以上は根元にあるスイッチまで埋もれてしまうからだろう。
     金属の冷たい感触にハルヒは総身を震わせた。その冷たさが浸透したかのように心臓がヒヤリとした。
     これから、粘膜に直接電気を流し込まれようとしている。その衝撃はこれまでの比ではないであろう。しかも、まず一度や二度では済まないに違いない。十や二十でも全く足りないだろう。みくるの気分次第だが、ハルヒにとっては無限と変わらないような数になるのだけはハッキリしていた。その第一歩が始まろうとしている……。
     次の瞬間にでも電撃を送り込まれるであろう恐怖に、ハルヒは喉の奥から絶叫を搾り出した。今まで唇が動かなかったのが嘘だったかのような大絶叫。身体は麻痺しているはずなのに、心が無理矢理に悲鳴を上げさせているのだ。もちろん恐怖心もあるが、なによりも絶望感がハルヒの心をズタズタにしてしまっていた。
    「ふふふ」
     みくるは顔を綻ばせながら構わずスタンガンのスイッチを入れた。
     カチッという音が耳に届いてから、実際に電気が流れるまでの刹那に、ハルヒの精神はこれ以上の負荷を拒絶し、自ら崩壊することを選んだ。

     

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